先日、スターウォーズのエピソード1から3を一気観しました。
それで、この物語のカギを握るアナキン・スカイウォーカーがなぜ闇堕ちしてしまうのか。
それはまさに「嫉妬」という言葉で説明できることに気づきました。
はじめに
「フォースにバランスをもたらす」と言われたアナキンが闇に堕ち、ついには「自分が倒すべき存在」に成り果ててしまった理由。
それが明確に理解できたのは、シェイクスピアの『オセロ』を読んでいたときでした。
オセロは有能な将軍であり、素晴らしいイタリアの娘デズデモーナと結婚。キャシオーという素晴らしい友もおり、人生は順風満帆。
しかし、オセロやキャシオーに嫉妬をした邪悪な部下、イアーゴーの陰謀によりオセロは嫉妬に狂い愛する妻を殺害。
物語は悲しい結末を迎えます。
すべてのカギは嫉妬にある
なぜ有能で前途が輝くオセロが人生を台無しにしてしまったのか?
そのカギとなるのが嫉妬。
邪悪なイアーゴーは、デズデモーナがキャシオーと「ただならぬ仲」であることをオセロに信じ込ませ、彼を嫉妬の鬼にすることに成功。
オセロにしてみれば、信頼していた親友に最愛の妻が自分を裏切っていると思い込み、それにゆえに正常な判断力ができず。
邪悪な男の思うがままに操られてしまいます。
つまり男が嫉妬によって自分の大切なものを壊してしまう。この構造というのは、アナキンのケースとまさに同じであることに気づいたのです。
ダークサイドの入り口
アナキンがそもそもダークサイドに魅入られた理由は、まず母親を失ってしまったこと。そして、我が子を宿した最愛の妻パドメを失うビジョンを見てしまったこと。
母だけでなく妻を失うことを恐れたアナキンは決して失うことはしまいと、ダークサイドに魅入られていきます。
それを心配したアナキンの師匠であり友であるオビ=ワン・ケノービは、不安になるパドメを支えているのですが、アナキンはそれに疑問を感じています。
最終的にアナキンとオビワンは対決。アナキンは自身の嫉妬によって、妻を殺してしまうのです。
この構図はまさに『オセロ』の悲劇と同じ。まさに、アナキン・スカイウォーカーの悲劇に終わってしまいます。
悲劇はいつの時代も繰り返す
失いたくない大切なものを、自分の嫉妬によって自ら失ってしまう。
多分、この構図にはやはり普遍性があって、それは過去の時代でも今の時代でも同じなのだと思います。
例えば、妻に嫉妬して浮気を疑った挙げ句妻からの信頼を失い、家庭を壊してしまう夫。彼女の浮気を疑い恋を終わらせた青年。
その背景には、嫉妬というダークサイドがあります。
早い話、嫉妬がいかに人の正常な心をぶち壊してしまうか。それによって、いかに間違った判断をして、結果自分が大切なものを台無しにしてしまうか。
その怖さについて、考えさせられた話でした。