NHK「クローズアップ現代」の若者の地方移住特集を見て

NHKをつけて夕飯を食べていると、「クローズアップ現代」で若者のち方移住の特集番組が。

東京への一極集中傾向がある現代、そのトレンドにあがらうかのように、年々「地方移住」を考える人達が増加。

2014年は1年間で1万に以上が都市部から地方へ移住、その多くが、結婚や仕事による地方移住ではなく、定住目的の人々による移住がほとんどだそう。

年代で言うと20代~40代の働き盛りの若い世代が中心で、移住先としては移住先としては、長野や岐阜、岡山、鳥取などが多いそうです。

収入は問題にならない?

都会のギスギスした暮らしからゆったりのんびりした地方へ移住、そこでまず心配になるのがお金のこと。

地方への移住相談を引き受けているNPOによると、地方移住を希望する人がまず心配するのが、東京や都会圏と比べると収入が減ることを心配しているそうです。

実際、地方へ移住した人の6割が年収300万未満で生活しているデータがあるとおり、地方へ移住した場合、東京などと比べ、収入が下がってしまう可能性は高そう。

ただ、年収が下がっても移住を希望する人が増えているのも確かで、地方での暮らしは、収入ダウンしても東京よりも「豊か」に暮らせることもできるようです。

テレビでは、鳥取へ移住した30代の若い夫婦の例が登場。

夫は東京でシステムエンジニア、妻はアパレル、それぞれ正社員で働くものの、退職して鳥取へ移住。鳥取へ移ることで、月収50万→30万にダウンしたそうですが、生活はむしろ豊かになっているそうです。

家賃が東京より安いのに部屋は広い。

地元のお店で食費も減る。家をローンで買っても、東京よりかなり安い。長い目で見ると、地方で暮らすことは、場合によっては東京で暮らすよりも豊かに暮らせそうです。

理想の生き方を求めて

とはいえ、実際に都会から地方への移住は勇気がいるもの。どんな人が移住を希望しているのか、テレビに出ていた移住に詳しい明治大の小田切徳美教授は、次のように話しています。

「東京一極集中のトレンドの反対に、地方への移住者も増えている。2014年は1万人くらいだったのが、今後は4万人に増加」

「最近の傾向としては、単身ではなく、家族、女性の地方方移住が増えている。理由は子育て環境、地域貢献、東京での非正規雇用の暮らしに疲れたなど様々。」

地方移住の理由はそれぞれながら、従来の働き方や生き方に疑問を感じて理想的な暮らし方を求める人が増えている、そのことは確かなよう。

東京や大阪、都市部の生活は魅力的には違いないですが、ある日ふと、満員電車やどこまでも続く人の波、果てしない競争に疲れ果てしまうときがあります。

そして、本当に自分が求めているものがそこにあるのか、満員電車に乗って仕事へ行って働いて年を取っていく、その生き方でいいのか、疑問に感じてしまうときがあります。

選択はいろいろある

「今の生活、どこかおかしい・・。」

「このまま働き続けて、私の人生はそれでいいのだろうか・・・?」

そんなふうに疑問を感じたとき、少し視野を広げてみると気がつくことはたくさんあります。

別に都会でなくても生きていく場所はいろいろあって、収入は下がるかもしれないけど、安い家賃に豊かでのびのびした環境、日本には東京でなくても豊かに生きていける場所がたくさんあることに気がつきます。

そのとき、自分が人生で大切にしたいこととそうでないことを天秤にかけて、心が「イエス!」と判断したとき、地方移住という選択は、人生を変える一つの選択になるのも確かだと思います。

地方ならではの良さ、暮らしやすさは確かあります。この意味で、地方移住は、価値観、ライフスタイルの選択。どこに住むのかという、人生観の問題になります。

「地方回帰というトレンドはお金ではない、違い豊かさが求められている。」

そんなことを感じた番組でした。