札幌は仕事がない?移住を決める前に知っておきたい札幌の仕事事情

札幌移住を決めるために前提条件となるのが仕事(収入)の問題。お金なくして生活なし、移住暮らしを続けるのは難しい現実があります。

そこで、札幌の仕事事情を調べるべく、ハローワークへGo。

「札幌に移住したら仕事があるのか?どんな仕事の求人が多くて、どのくらいの収入が期待できるのか?」

など、気になる札幌の仕事事情について、ハローワークの方に聞いてきました。

札幌のハローワーク

2015年、取材当時のものです。

全般的な傾向など

まずはじめに、札幌の雇用情勢です。

仕事探しは、その人の経験や志望等の事情でケース・バイ・ケースになりますが、一般的な傾向としては、札幌の景気は全国的に見ても良いとはいえず求人倍率は低い傾向にあるそうです。

全国と比較すると、有効求人倍率は全国平均よりも低く、「期待通り、思った通り」の仕事を札幌で見つけるのは、とても難しいことかもしれません。

求人倍率

ちなみに、札幌の最低賃金は764円。

最低時給

東京907円、大阪838円、名古屋820円など、大都市圏と比べると低いですが、何かと比べられることの多い福岡は743円。福岡よりはやや最低賃金は高くなっています。

2015年10月時点)

タウンワークなどのアルバイトやパートの情報誌を見ると、時給800円~900円程度の仕事はたくさんあって、アルバイト・パート等の仕事は、選択肢がたくさんあります。

正規の仕事は見つけにくい

とはいえ、問題なのは、正規・常勤の仕事。

札幌で正社員の仕事を見つけるのはとても難しくて、求人の正社員率はなんと50%を下回る45%程度とのこと。

求人の多くは、契約社員などの非正規雇用の求人が中心。

仕事の見つけやすさで言えば、介護(ヘルパーなど)や土木の仕事が人手不足で、比較的仕事を得やすいそうです。

【求人の多い、人手不足の仕事】

・介護関連

・土木関連

・警備関連

一方で、いわゆる事務職等のオフィスワークの求人はとても競争が激しいそうで、10社受けて1社採用されるかされないかくらいの確率だそうです。

そのため、希望した職種に転職できるかどうか、期待通りの待遇で働くのは難しいかもしれません。

求人の傾向

また、仕事の給料の問題もあります。

こちらは常勤(パート含む)求人データ。

詳細データ

「求人賃金」の欄を見れば分かりますが、一部の仕事のぞいて、概ね、15万~20万程度の仕事が平均的な賃金水準になっています。

そのため、本州から札幌に移住、仕事が見つかったとしても収入が下がるケースが多く、全体的な生活水準は下がってしまうケースが多いそうです。

札幌で比較的年収の高い仕事は、医師や看護師、薬剤師などの医療系資格職に限られていて、一般の求人では、年収200万~250万、よくて300万くらい。

おまけに、正社員の仕事も見つけにくい現状があるので、移住を考えるのであれば、「札幌は家賃が安い」という点を考慮しても、お金の面で、対策を考えておく必要がありそうです。

逆に言えば、医師や薬剤師、看護師の資格をお持ちの方は、移住しても、仕事探しの面では有利かもしれません。)

やっぱり、お金の問題がネックか

また、ハローワークの方が言うには、札幌出身でUターンで札幌に戻ってくる人もいて、若い人の多くは、給料が安いために実家で親と同居しながら働く人が多いそうです。

札幌に親や親戚がいて、家賃や生活費にあまりお金がかからない場合は、札幌でも暮らしやすくなるそうですが、外から札幌に移住して一から自力で暮らす場合は話は別。

家を借りて生活費を払って生きていく場合、やっぱり仕事の問題がネックになるのは間違いなさそうです。

いくら札幌の家賃が安いとは言え、冬には光熱費がかさみますし、物価も「絶対的に安い!」と言えるほど安くはありません。

移住して安心して暮らすためには、やっぱりある程度の収入は必要。

なので、札幌移住を考える場合は、

1・まずは今住むところでネットを通じでいくつか札幌の仕事をチェックする(ハローワーク、民間の転職サイトなど)。

2・納得の行く仕事が見つかった段階で移住を考える(採用がほぼ決まった段階)。

この2ステップで移住を考えるのが確実だそうです。

現実問題、札幌へ引っ越してしまってから仕事を探すとなるとかなり大変で、業界、年収、待遇、自分が100%納得できる仕事はなかなか見つかりにくいそうです。

札幌移住を堅実に考えるなら、仕事を見つけて移住を考える、そんなスタンスが安全かもしれません。

最後に

以上が、札幌での仕事事情の一般的な傾向、情報となります。

私が札幌移住を決めて賃貸を探したとき、担当の不動産の営業マンの方が、「札幌は不景気ですよ、給料安いですよ」と言っていたのが印象的でした。

実際にハローワークで求人の話を聞き、資料を確認すると、状況は良いとは言えません。

介護や土木、警備関係等、人手不足の業界では仕事を見つけやすいそうですが、働くなら自分のキャリア、目標等も考慮して決めたいもの。

何より、どんな仕事を選ぶのかは、どんな生き方をするのかという問題に関わってきます。

だからこそ、移住を決める前に、いかに納得して働ける仕事を見つけることができるのかが、移住成功の大きなポイントの一つになるのは間違いありません。

「札幌で暮らしたい!」と思ったらまず第一に仕事探し。その問題を解決できれば、きっと、「移住して良かった!」という暮らしが待っていることでしょう。

ポイント

・札幌移住を決める前にハローワークや民間の転職サイトで仕事を見つけておく。移住してからの仕事探しはきついかも。

・札幌では正社員の仕事が少なく、正社員の求人は50%を下回る45%ほど。ハローワークの求人も、契約社員等、非正規の求人が多い。

・仕事を選ばなければあるにはある。介護、土木等の仕事が比較的多く、採用されやすい。

・基本的に、札幌で仕事に就けば本州の都市部に比べて年収が下がる。ただし家賃は安いので、生活水準を落とせば、十分暮らしていける。

その他

・帯広など北海道の農業地帯では農業系の求人が多い。田舎暮らしや農業に興味がある場合は、札幌ではなく、北海道の農業地帯を選択するのもあり。

・小樽、北広島、岩見沢ならギリギリ札幌通勤圏内。冬で時々出勤に支障が出るものの、基本的には札幌まで通うことは可能。

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