2013年に購入した2012年製のJ-45との付き合いも長くなりました。
音色に惹かれて衝動買いしてしまいましたが、あれからヴィンテージギターの音色を知り、一時期は「現行を買って良かったのかな?」と迷った時期もありました。
しかしその誘惑を断ち切り、今に至るまでJ-45を弾き続けてきた結果、一つの結論に達しました。
それは、
「現行のJー45でも付き合いが長くなれば愛着がわき、素晴らしい音を奏でてくれる!」
ということです。
D-28にはないJ-45の強み
なんというか、J-45は、マーティンのD-28に比べてすごく気軽に弾けるんですよね。
ソファに背を持たれて何気なくポロンとコードを弾いてもしっくりくる。爪でテキトーにアルペジオを弾いてもしっくりくる。なんとなく決まる。
ほどよい「ゆるさ」がJ-45の魅力だと個人的には思っていますが、それを特に思うのはギターを伴奏に使うとき。
フォーク・クルセダーズの「悲してくてやりきれない」を弾き語るときなんかは、やはりマーティンD-28ではなくJ-45がいい。
マーティンだと音がスマートすぎて、ボリュームやニュアンスに注意しないと声をギターが食ってしまいます。
その点、J-45はテキトー(といえば語弊がありますが)に弾いてもしっくり来る。ギターが歌を邪魔しない。そんな絶妙な何かがあります。
アコギは育つ!
それで、何だかんだと気合を入れて弾くことがないJ-45ですが、最近ではサウンドホールからの響きも深くなってきて、ますます愛着がわいています。
さすがに所持している1950年製のギブソンのヴィンテージの深さや響きにはかないませんが、現行モノも言われているほど悪くない。
弾き込めば弾き込むほどギターに愛着と味わいが出てきます。だから新品は新品で良さがあります。一言でいえば、「自分で育てる」良さでしょうか。
今すぐいい音を手に入れたかったらヴィンテージ。それは保証された結果のようなものです。
しかしこれから先どう成長するか分からない新品はある意味リスクです。それに、木材の質の面でも、昔とはかなわないところがあるのも確かかもしれません。
特に、アタリハズレが激しいギブソンならなおさら。そこは確かに、注意を要するところです。
自分にとっての「運命の一本」と出会うために
ただ、現行でも試奏して「これはいい!」とビンビン来るギターがあれば、それがきっと自分にとっての正解。
私も初めてマイJ-45を弾いたときは、他のギターにはない強烈な何かを感じたもの。そういう直感こそが、ギター選びで大切ではないか。そんなことを思います。
そういうわけで、自分も年々歳々年をとりつつも愛器と成長していけるのはとても嬉しいもの。
さすがに現行ものを買うことはもうないかもしれませんが、今手元にあるJ-45は一生使い続けたい。
そして、これから先10年20年、どんな音に変わるのか。それを楽しみにしているこの頃です。