フリーランスとして独立することは、個人事業主として独立すること。そこで生じてくるのが「税金」の問題。
独立したとき税務署に事業開業届を提出、白色申告か青色申告(承認手続きを3月15日までに行う必要があります)、どちらかを選択することになります。
そして、取引記録や経費など、帳簿を作ってそれらを記録していく作業が必要になるのですが、申告方法によって日々の税務上の仕事内容の難易度が大きく変わります。
そこでこの記事ではフリーランスなどの個人事業者の方に向け、日々の帳簿付けや毎年の確定申告手続きのために知っておきたい記帳のサービスについて情報をシェアしています。
税金関係は放置厳禁。人によってベストな選択は異なりますので、こちらの話を頭に入れておくことで、あなたにとって最善の方法を見つけるきっかけになるかもしれません。
白色か青色か
一般的に白色申告は税制上の優遇措置が少ないかわりに記帳はとてもかんたんです。一方青色申告は、税務上の優遇措置が多いため、稼ぎが多く税金が高くなりそうな場合は青色にした方がお得です。
というのは、青色申告をすることで最大65万円の控除が可能。青色申告とあわせ、小規模企業共済、iDeCoなどを組み合わせることで、確定申告における控除額が大きく増えます。あえて法人化しない場合、自営を長く続ければ続けるほど、控除額はかなり重要です。
ただし青色の場合は記帳義務が複式簿記という記帳法が義務付けられています。経費の整理、帳簿等を正しく記帳しておかないと、確定申告の時期に、大変な思いをします。そのため自分のビジネスに集中しつつ正確な帳簿を作成する場合、税理士に仕事をお願いするのが吉です。
このように白色、青色、それぞれ人によってどちらがベストかは変わります。
「納税額が増えても記帳や確定申告で面倒な思いをしたくない」
→白色。
「コンスタントに売上が期待でき、税金は控除を活用して適正範囲で納めたい。税務署の方が調査に来られたさいは堂々と帳簿や資料を提出したい」
→青色。
という具合、何を優先するかで、申告方法を選択すればいいと思います。
申告は会計ソフトで楽チン
白色申告にしても青色申告にしても、フリーランスとして仕事をやる以上、お金の管理、帳簿の記帳は必要事項です。いくらお金が入っていくら出ていくのか、正確に記帳することはとても大切です。
税理士に税金系の事を依頼することもできますが、節税対策が必要な大きい年収でない限り、お金のことは自分で把握できるほうが心地良い方もいるでしょう。
とはいえ当たり前の話ですが、私たちの仕事は帳簿を作成することそれ自体ではありません。正確な記帳のために作業に時間を取られると、一番力を注ぐべき仕事に影響が出てしまいます。
白色にしても青色にしても、記帳はする必要がある作業。それは本来力を注ぐべき仕事ではありません。できる限り効率的に、時間をかけず、適切に処理したいものです。
そこで注目したいのが、フリーランス(個人事業主)のための会計ソフト。多くのフリーランス、個人事業主に使われている弥生のソフトが知られています。
弥生の会計ソフトのポイントは、何より使いやすさ。会計の知識がなくても、取引を入力するだけで、簡単に確定申告書類を作成することができます。会計の知識がない初心者でもわかりやすく使えるので、とても便利です。
白色用、青色用、2つの商品が用意されているので、目的に応じた会計ソフトを選ぶことができます。「記帳であれこれ時間を取られるのはイヤ。最低限の時間と労力で、簡単に済ませたい」という方は、導入することで帳簿作業を楽に処理できます。
申告ソフト
白色
必要な事項だけを入力、面倒な記帳を簡単に作成。「白色申告でOK。記帳などのめんどくさいことはできる限り簡易化したい」という方に。
青色
帳簿作成や取引記録取り込み機能など、青色申告のための便利な機能が満載。面倒な帳簿管理もこのソフトで楽に。
「記帳代行」というチョイスもあります
「自分で記帳するのが面倒!」という場合、税理士に記帳代行してもらうこともできます。仕訳数にもよりますが、記帳代行+確定申告セットで月平均2万円~支払うことで、毎月の帳簿付けや確定申告をプロに任せることができます。
ここで重要なのは「税理士さんを通して」帳簿を作成し、確定申告を行うこと。事業主が「自分で」行うよりも、第三者的に信頼性が高まります。
また、税理士さんに帳簿作成をお願いすれば青色申告65万円控除も容易となり、控除が大きく増えます。自分で白色申告、もしくは青色申告10万円控除に取り組むよりも税金が安くなる場合があります。
自分に合った税理士を効率的に探す
私自身、既に開業10年以上ですが、税理士事務所の税理士さんに毎月の帳簿作成及び確定申告をお願いしています。
税理士の役割として、節税アドバイスなどいろいろあるとは思いますが、個人事業主なら「自分の場合はこの程度のサービスが必要である」という範疇を理解していると思います。
人によっては、記帳代行と確定申告だけで十分という場合もあると思います。その場合、毎月の顧問料を抑えて仕事を引き受けてくれる税理士さんもいます。
では自分のニーズを踏まえ効率的に税理士さんを探すにはどうすればいいか?そこで注目したいのが税理士の紹介サービスです。
こちらのニーズ、希望顧問料等に応じて、税理士さんを紹介してもらい、面談を実施。「この方にお任せできる」と納得した場合は顧問契約を結ぶことができるサービスです。
私自身、2020年より契約している税理士事務所の税理士さんも紹介サービス経由でご紹介いただき、今に至ります。
サービスを利用すると、2~3人紹介されるのですが、実際に気になった税理士さんと対面(今ならオンライン面談も)して、依頼内容や料金等を話し合い、納得できれば契約するイメージです。
税理士紹介サービスを使えば自分からネットで様々な税理士事務所にアプローチせずとも、ニーズを満たしてくれる税理士さんと出会える可能性があります。私が実際に利用した税理士紹介サービスは最後にご紹介します。
自分に合う税理士さんを紹介してもらうには?
せっかくなので一つ、税理士紹介サービスを通じて自分に合う税理士さんを選ぶポイントをシェアしたいと思います。
まず最初に税理士紹介サービスに登録すると、後日サービス運営会社のスタッフさんより連絡を受けます。そこでどのような税理士を希望しているか?してほしいことや報酬料金などを伝えます。
すると具体的に税理士さんの紹介を受けることができるので、会って(もしくはZoomなどのオンラインで)話をする機会が設けられます。そこでポイントとなるのが、仕事内容や報酬面だけでなく、税理士さんとの相性です。
一度税理士さんに仕事をお願いするとなると、基本的に長期の契約となります。そのため、「この人は少し合わないかも・・・」という場合は再度税理士さんを探す必要に迫られます。
ただ、自分のニーズをすべて満たす完璧な人との出会いを求めるのは(こちらが相応の顧問料を提示できない限り)非現実的です。そこで、「ここだけは絶対に譲れない」という点を決めた上で、折り合いをつけていくことになります。
たとえば私の場合、事業の相談は不要で
1.メールで連絡が取れること
2.作成した資料を毎月必ず郵送+メール(PDF)で送付してもらえること
3.確定申告を代行してくれること
といった絶対条件を決めた上で、税理士さんを検討しました。そこでご紹介いただいた税理さんに、今も仕事をお願いしています。
基本的に、税理士紹介サービスを利用すればこちらの希望を聞いてもらった上で税理士さんを紹介してもらうことになるのですが、こちらの希望をきちんと伝えることで、条件にマッチする税理士さんを紹介してもらいやすくなります。
特に絶対条件はきちんと、税理士紹介サービスのスタッフさんからコンタクトを受けた段階で伝えることをおすすめします。
税理士紹介サービスをご紹介します
最後に、私自身が利用したサービスを含め、いくつかご紹介します。
両方のサービスを利用しましたが、個人的な感想としてどちらが良い悪いということはわかりません。結局のところ、それぞれのサービスのスタッフさんが税理士さんを紹介してくれるので、その中で一番条件にマッチする税理士さんを選ぶことがベストです。
そのため、一つのサービスではなく両方のサービスを使い、かつ何人もの税理士さんと面談した上で決めることが大切だと感じています。
税理士さんを探す目的は人それぞれですが、特に帳簿代行や確定申告といった業務を代行してくれる方をお探しの方や、帳簿付けをプロに依頼して事業に集中したい方は、ぜひ参考にしてみてください。