大切なのは戦うよりも逃げる勇気。『逃げ出す勇気』を読む

逃げ出す勇気 自分で自分を傷つけてしまう前に (角川新書)

そもそも勝てない戦いに挑んで討ち死にする必要なんてない。

ゆうきゆう著『逃げ出す勇気 自分で自分を傷つけてしまう前に』(角川新書)の読書感想です。

この本について

人生は逃げるが勝ち。いかに、ムダな戦いで消耗しないために戦略的撤退が大切なのかが語られている本。

人生には戦うべきときがあります。しかし、逃げていいときはいつでも逃げていい。それが実感できる一冊です。

以下、本書の読書メモです。

はじめに(P6)

まず人生で知っておくべきことは、逃げることが恥ではない、ということ。

むしろ、逃げることは勇気がいる。勝てない戦い、不毛な戦い、必要なときに逃げの手を打つことは、必要なことであり、合理的な選択。

自分が逃げるべきときを知り、逃げるときはともかく逃げる。それは恥でも何でもないし、長い人生を生き抜く上で最も重要な戦略の一つ。

人間の傾向(P29)

人は、自分にストレスがかかって辛くなってきたとき、自分より弱いものを探し、攻撃するという習性を持つ。

日常的に暴言を吐く人物。ちょっかいを出す人間は、ストレスを抱えており、実は本人が、誰かから虐げられている。

逃げるときの心得(P38)

「ここでこれ以上頑張っても、得られるものは何ひとつない。我慢する意味がない」と思った時こそ戦略的撤退。

仕事ならやめる。人間関係なら縁切りする。堂々と逃げていい。

そのさいは、

1・その経験から何を学んだのか。

2・次はどうするか。

それを考えて、逃げの手を打つこと。

自分を信じる(P55)

長い人生大切なのは、どんなときも自分の心の声を信じる、ということ。

世間がどうとか、周りがどう言っているとか、そんなことは関係ない。自分の心の声に従い、行動する。

これが、自分の人生において一番大切なこと。

人生は負けて当然(P105)

どんな人も、人生において連戦連勝することはできない。生きていれば、必ず敗北を喫する。

大切なのは、敗北したときの対応。負けたときにいかに傷を最小限に抑えることができるか。そこから見事立ち上がることができるか。

それが大切で、だからこそ、傷が浅いうちに撤退する選択肢を持つことが大切。

人間関係のコツ(P121)

人間関係でうんざりさせられないために大切なのは、浅く広い人間関係を複数持っておくこと。

所属集団が一つだけだと、そこが人間関係のすべてとなり、そこでの出来事がQOLに多大な影響を及ぼす。

そこで、普段から複数の人間関係を作っておくことで、人間関係が面倒になったときも、特定の人たちに依存せずにすむ。

別に、人と深い関係になる必要はない。いろんな場所で、いろんな人達と、気軽に話ができる関係さえできればそれでいい。

ポイントは、浅く広く。決して、一つの人間関係だけにとらわれないこと。

もしいじめのターゲットにあったら(P145)

いじめとはいわば異質の排除。組織が、特定の人を排除しようとする構造になっている。

万が一いじめのターゲットにあって、力ある人の助けを得られないなら、そこで戦っても多勢に無勢。討ち死にあるのみ。

そんなことで討ち死にするのはアホらしい。勝てない戦いからはさっさと逃げるのがよい。

学校なら転校。部活やサークルなら体部。仕事なら転職。さっさと新しい環境に移動するほうが建設的。

暴言への対処法(P153)

非人道的な暴言を吐かれたときのおすすめ対処法。ポイントは、相手の暴言を、そのまま復唱すること。

暴言無神経上司「子どもはいつごろできるの?」

対応「『子どもはいつごろできるの?』と言われましたが、それは家庭の問題ですので、そういうお話はしたくありません。」

相手が発する暴言を一字一句丁寧に反芻し、相手に自分が発した言葉の暴力を認識させることが大切。

マウンティングの心理(P155)

いちいち「俺はお前より上だぞ」と誇示しようとするマウンティングマン。なぜ彼らがそのような暴挙に走るのかというと、彼らが劣等感の塊だから。

自分に自信がない。だから、いつも自分はすごいと威張りたい。というわけで、他人をディスって自分がすごいと実感する。

これがマウンティングマンの心理。

感想など

人生必要なときには積極的に逃げていい。そんな「逃げる勇気」の大切さが納得できる本。

人生大切なのは損切り。

つまり、もうどうしようもない。自分の期待とは正反対の状況が続いている。これ以上は無理ゲー。

そんな現実的な判断ができたとき、そこからさっさと手を引いて、ダメージを最小限に抑えること。

生きているかぎり、私たちは失敗を避けることができません。理不尽な経験をすることもあるでしょう。

そういうとき、いかにダメージを最小限に抑えるか。

それこそがまさに、大切なポイントで、常に撤退のカードを用意しておくことは、恥でも何でもありません。

むしろ、恥じるべきは、不毛な戦いに首をツッコミ、自分をボロボロにしてしまうこと。

人生の時間は限られています。勝ち目のない戦い。戦う意味がない消耗戦は時間のムダ。一刻も早く、手を引くのが吉です。

ということで、長い人生、「こういう考え方がある」ということはとても有益です。逃げるのは決して、恥でも何でもありません。

「逃げるのは恥だ!」と考えてしまうあなたに、おすすめしたい本です。

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