脳の疲れはこんなにも怖い!『「脳疲労」社会』の読書感想

「脳疲労」社会 ストレスケア病棟からみえる現代日本 (講談社現代新書)

こんな症状が出たら要注意!?

徳永雄一郎著『「脳疲労」社会 ストレスケア病棟からみえる現代日本』(講談社現代新書)の読書感想です。

この本について

昔と今は仕事の疲れの質が違う、そのことを「脳疲労」というキーワードで説明した本。

脳が疲れることによって様々な症状が発生、最悪うつ病で仕事をやめなくてはならなくなることも。

脳の疲れによってどんな影響があるのか、脳疲労を防ぐためにはどうすればいいのか、現代社会で生き抜くためのヒントが学べる内容になっています。

以下、本書の読書メモです。

現代の疲れ=脳の疲れ(P3)

現代人のストレスの特徴は脳の疲労。

昔の疲れといえば、主に体の疲れだったが、近年はITの発達によって労働環境が変化。パソコン作業など、目や脳に負担がかかる仕事が増えた。

それによって情報刺激が脳に集中。結果、肉体の疲れより、脳の疲労の方が深刻な状態になっている。

脳疲労と脳不調(P7)

脳が疲れを解消できないと、うつ病などの病気に疾患してしまう。

脳がクタクタになってうつ病になってしまう、その前の段階に脳疲労と脳不調の段階がある。

脳疲労は初期の段階で、頭の働きが悪くなってしまった段階。この疲れが更に悪化すると、脳不調の段階へ入る。脳不調はうつ病になる寸前の段階であり、とても危険。

うつ病にならないためには、脳疲労の段階で気がつき、職場や家庭で早めの対策が必要。

現代は脳が疲れやすい時代(P21)

産業構造が時代とともに変化、体の疲労から脳の疲労へ、疲れの質が変わってしまった

それだけでなく、スマホや車の運転、テレビゲームなど、今の時代は脳が疲れやすい時代。普通に生活するだけでも、脳が疲れやすい環境になっている。

クレーマーの深層心理(P31)

世の中にはとんでもないクレーマーがいるが、そのクレーマー対応でストレスをため、心を病む人が多い。

運悪くクレーマーの対応をしなければならないとき、そのダメージを最小限に抑えるために知っておきたいのは、クレーマーの心理。

彼らの相手をする前提として、「クレーマーは人生が上手くいっておらず、孤独で寂しい人間が多い」ということを押さえておく。

自分のことを分かってもらえない、寂しい、そんな感情が歪んだクレームという歪んだカタチになっている。

クレームをつけることは、クレーマーにとってコミュニケーションの一つ。「この人はかまってほしいんだな」と考えて、対応する。

仕事のストレスの影響(P40)

仕事のストレスは働く本人だけでなく、その家族や子ども、数珠つなぎに連環して影響を広げる

職場のストレスが高い夫は、仕事でストレスを抱えた夫は妻に向け、妻はそのストレスを子どもへ向ける。

例)

1・父親はストレスがたまる仕事をしているが、家に帰ったら妻の愚痴を聞かされイライラ、妻にストレスをぶつけてしまう

2・夫に話を聞いてもらえない妻はそのことにストレスをため、そのイライラを子どもに向ける。

3・母親からイライラをぶつけられた子どもは親に反発、イライラを抱え、学校で問題を起こす。

ストレスの連鎖性の問題は、かなり深刻な社会問題。

仕事をしていてストレスを自覚したら、その負の影響をほかへ連鎖させないよう注意する。

脳不調のサイン(P68)

脳の疲れが悪化し、状態が悪くなっていくと、集中力が低下し、仕事をすること自体、難しくなってしまう。

同時に、肩こりや頭痛、食欲不振、胃痛など体にも身体症状が現れ始め、ますます不調に悩まされることになる。

自覚症状があれば、休養をとるなり、病院へ行くなり、早めの対応が必要。

なぜ職場で脳疲労が起こるのか(P83)

仕事で脳疲労が起こりやすい要因の一つが長時間労働。

日本の社会の特性上、定時でも自分だけお疲れ様をするのが難しく、上司や周囲の空気を読んで残業をしてしまう。そんな長時間労働が常態化しているため、必然的に疲れやすい生活を余儀なくされる。

また、欧州のように長期休暇をとるのも難しく、会社中心の生活をしなくてはならない。日本は非効率的な労働環境なので、働いて生活するにも、どうにも疲れやすい社会になっている。

仕事は70%頑張る(P170)

仕事に全力投球することも一つの生き方だが、仕事だけ生きがいにした場合、退職後にその虚しさを実感することになる。

何事もバランスが大切。仕事は70%、家庭やプライベートは30%というように、生活にバランスを取る。

エネルギーの分配を適切にし、仕事だけにエネルギーを注がない。

感想など

昔と今、疲れの質が変わって、現代が疲れやすい時代なんだなぁと実感してしまう本。

私もパソコン作業を中心に仕事をしているため、体の疲れより、首や肩のコリが深刻。それが頭痛やだるさにつながることも少なくないので、本書の内容は結構切実でした。

まぁ、私の場合長時間労働がないというか、自分で労働時間を裁量調整できるのでいいですが、働き過ぎは本当に死ねます。

20代の終わり頃、朝早くから夜遅くまで働いて日曜は疲れで何もできない時期を経験したので、長時間労働のきつさは本当に大変だと思います。

朝から晩までずっと働く、そんな生活をしていたら、やっぱりどこかでその歪みが出てきます。毎日長時間労働すること、もしかしたらそれは、自分の寿命を削ってのことかもしれません。

働くことは大切ですが、自分の体、健康のことも考えたいものです。

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