そもそも、長生きすることが本当に良いことなのか?『医者には絶対書けない幸せな死に方』を読む

医者には絶対書けない幸せな死に方 (講談社+α新書)

安心に、安らかに逝くために知っておきたいこと。

たくきよしみつ著『医者には絶対書けない幸せな死に方』(講談社+α新書)の読書感想です。

この本について

「終末医療の現実を知って、人生の締め方について真剣に考えましょう」という本。

この本を読めば、必ずしも長生きは良いこととは限らない。医者のいいなりになって、延命治療をすることがいかに人生の質を損ねるか、ため息が出る内容になっています。

以下、本書の読書メモです。

はじめに(P3)

日本人の8割は病院で死ぬ。

しかし、その多くが、安らかに死ぬことができない。その理由は金儲けのための延命治療など、本人の人生にとって最善の最期になっていないから。

自分の意志とは関係なく、チューブにつながれ半強制で生かされる。それが本当にいいことなのか。元気なうちから、しっかり考えておく必要がある。

病院の90日ルール(P34)

病院には90日ルールというものがあって、患者を90日以上入させることを嫌がる。その理由は、一言で言うと、儲からないから。

90日以上患者を受け入れ続けていると病院的には損。だから、さっさと退院してもらったほうが、病院の経営的には美味しい。

これは大人の事情の仕組みでそうなっている、構造的な問題。

大切なのはQOL(P45)

終末医療を考えるなら、ぜひQOL重視の医師を選ぶ。

多少死が早まったとしても、生きている時間の苦痛を和らげ、残された時間を豊かに過ごす。それがQOLの考え方。

ただ長く生きること。それを目的にしては、人生の質は確保されない。

結局病気の原因とは(P54)

最大の健康法はストレスをためないこと。これに勝る健康法はない。

どれだけ健康的な食事に気をかけようと、運動しようと、毎日がストレス満載なら、病気になる。ストレスをためない、無理のない暮らしが、結局は一番健康。

家は買っておけ(P129)

高齢になったときに最も困るのが住宅。住む家さえあれば、最悪何があっても、なんとか生きていける。

だからこそお金を稼げるうちに自分の家を買うこと。これこそが将来に対する意味ある投資となる。

介護業界とヘルパー(P178)

ニュースではヘルパーが入居者を虐待したとか、いろんなニュースがあるが、きちんとそれらの出来事の本当の事情を知れば、必ずしもヘルパーが悪いとは限らない。

介護業界は構造的に問題を抱えており、どれだけ意志があるヘルパーでも、その間違った構造に抗うのは難しい。

もし本当に介護業界を良くするなら、働く人にとって、働きやすい環境を作っていくことが大切。

結局最後は人(P198)

介護を受けてどんな施設に入居しようと、幸せな最期の時間を過ごせるかどうかは、周囲の人で決まる。

この意味で、介護は施設の豪華さとか便利さとか、そういうことは大した問題ではない。そこにどんな人がいるのか。

そこを一番、重視する。

感想など

衝撃的なほど吸引力のあるタイトルが気になって購入。

結局大切なのは、どれだけ長く生きたかというよりも、どれだけ与えられた人生のなかで、充実した時間を過ごすことができたか、ということ。

自分も、寿命100年の苦痛に満ちた人生を選ぶくらいなら、寿命50年の喜び溢れる人生を選びたいタイプ。

本書が説くQOL重視の生き方については、納得できるものがあります。

長生きは良いことだと思われていますが、長く生きれば生きたで、いろいろ悩ましいことがたくさんあるのは想像に難くありません。

私達の世代は年金がきちんともらえるかどうかは疑問だし、自分が長く生きれば生きるほど、周りの友達が先に逝ってしまう悲しみを味わいます。

とはいえ思うことはただ一つ。

自分の人生は自分で決めたい。ただ生かされるためだけに延命治療を受けさせられて、病院の金儲けの材料にされるのはごめんだ、という話です。

ということで1日1日。大切な人生をしっかり後悔しないように生きたい。改めて、そのことを強く実感した本でした。

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