人生の逆風に負けない方法を学ぶ本。『逆境を乗り越える技術』の読書感想

東京地検特捜部に逮捕されて有罪判決を受けた元外交官と衆議院議員。2人はどうやって逆境を乗り越えたか?

佐藤優&石川知裕著『逆境を乗り越える技術』(ワニブックス)の読書感想です。

この本について

東京地検特捜部に逮捕され、人生の逆境を味わった元外交官と元政治家の対談本。

人生順風満帆と思いきや、ある日突然落とし穴にハマり、苦しい時期を迎えます。そんな理不尽で苦しい時期をどう乗り越えていくのかが本書のメインテーマ。

精神論ではない、苦境脱出に必要な実践的なアドバイスが満載です。

以下、本書の読書メモです。

自殺してしまう人の特徴(P16)

自殺が起こる原因は、貧困ではなく、価値観が大きく変動するときに起こる。

自分を取り巻く周囲の環境が大きく変化していくなか、その不安に耐えられない人、環境適応性が低い人が、一線を越えてしまう。

うつ病になったら(P20)

会社で働いていて、万が一うつ病になったら、会社のマニュアルに則って行動してはいけない。基本、日本の会社は、うつ病患者を追い出しにかかるので、会社には言わないほうがいい。

調子が悪く、うつ病の影がよぎったら、まずはこっそりと病院に行く。そして、自分と相性の良い医者を見つけるまで、いろんな病院で診察を受ける。

すぐに薬を出す医者はダメ。患者の話をしっかり聞く医者、信頼関係を築けそうな医者を選ぶこと。

自分の限界を超えそうならすぐに身を引く(P25)

人間にはそれぞれキャパシティがある。

何事も、「自分のキャパシティを超えそうだな」というものは、サッと身を引くことが大切。限界を越えてしまうと、うつ病になったり、結果的に必要以上のダメージを受けることになる。

「これは無理そうだ」という限界を感じたら、身を引いて良い。プライドなど関係なく、キャパシティを超えそうなこと、面倒で無理なことは手を引くことが重要

資本主義について(P36)

資本主義は、労働者をどんどん競争させ、利益をたくさん出させるシステムだが、労働者は体を壊したら見捨てられるだけ。頑張りすぎるのは、自分の首を締めることにつながる。

一度うつ病になったら(P40)

うつ病になったら知っておきたいこと。一度でもうつになると、もう以前の状態に戻ることはできない。

うつになってしまったら、もう「前と同じ状態に戻る」ということを諦め、うつを年齢による体の衰えと同じように仕方のないものと受け入れること。調子が悪いなりに、ほどほど動ければいい。

リアル半沢にはなるな(P46)

会社員は、組織や上司と戦っても勝ち目はない。リアル半沢直樹になって、上司や組織に楯突いても、実際は勝ち目はない。

個人は上や組織には絶対勝てないので、それを前提に、自分の立場を認識しておく。

組織と戦うなら局地戦を選ぶ(P50)

組織と戦うときは、総合力では絶対勝てない。相手は目の前の敵を一人潰しても、続々と応援が来る。

もし戦うのであれば、戦う場所を絞り、局地戦での勝利を目指すこと。局地戦であれば、個人でもチャンスはある。

組織は上の味方(P53)

組織は、上の人間の空気を読む。

何かあって上司に相談しても、その上司が考えることは、我が身の保身。頼りにならないことが多い。組織で誰かに頼るなら、利害関係のない、斜め上の人間関係の人に頼る。

ダメな時期は耐えるしかない(P68)

人生、運気の良くない時期があって、そのような時期は、流れが変わるまで、じっと耐えることが肝心。動いてもダメなときは、じっとしていること。

逆境のときは環境を変える(P75)

逆境に追い込まれたら、環境を変えて、それまでの流れを変えていくことが大切。

今までのことを見なおし、変えるところは変えていき、人生を見直してみる。必要であれば、プライドも捨ててしまうこと。

プライドを持っていると、さらに状況が悪くなることもある。

好きなことを仕事にすること(P118)

下手の横好きのように、中途半端に好きなことは仕事にできないが、絶対に好きなこと、24時間打ち込めるくらい好きを追求できることは仕事にできる

日本でプライドを捨てるなら住居費から(P142)

日本では、異常に住宅費がかかる。「いい家に住むんだ!」というプライドを捨ててしまえば、案外楽に生活できる。

マルクス経済学について(P188)

資本家は、モノを生産するにあたり、労働者から労働力という商品を購入する。

労働者が提供する労働力は、労働者が1ヶ月のうちに生活するためのお金(住居費、食費など)になり、次の1ヶ月を頑張るためのエネルギーや息抜きになる。

また、次の世代の労働者(子ども)を作るためのお金や、労働者自身の能力を高める教育費になる。

感想など

「病気になったら会社は首を切ろうとするから、会社には黙って病院に通え。」

「個人は組織には勝てない。上には安易に逆らうな。」

など、建前なしの実践的なアドバイスが勉強になる本。

私はフリーランスで不安定な身分で、何度も逆境を経験しているので、個人的に、ピンチの時期、上手くいかない時期をどう乗り越えるかというテーマには、強い関心を持っています。

上手くいかないときは、本当に何をしても上手くいきませんが、流れが変わると今までの苦労がウソのように消えてしまいます

これが人生の不思議なところですが、辛い時を少しでも楽に乗り越えることができれば、不必要な苦しみを味わうことはなくなります。

本書を読んでも、人生の逆境自体は避けることはできないかもしれませんが、逆境のときの苦しみを減らしてくれる実践知を学ぶことができるでしょう。

人生につまづいたとき、先が見えない苦しい時期にいる方は、参考になる本だと思います。

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