なぜ病院に行くと大量の薬を処方されるのか?長時間待たされるのに診察はすぐ終わってしまうのか?
その疑問に答えるのがこちら、中山祐次郎著『医者の本音』(SB新書)です。
この本について
本書は現役医師である著者が、一般人が気になっている医者の「生態」について率直に語っている本。
本書を読めば医者も一人の人間。医療の気になる本当の話が分かります。
以下、本書の読書メモです。
医者とのコミュニケーション法(P36)
医者と正しくコミュニケーションを取るためのおすすめの方法。ポイントは、最初から医者に聞きたいことを整理しておくこと。
具体的には、
1・どんな症状があるか?
2・いつからその症状が出ているか?
3・その症状が一番つらかったときは?
4・どんなときに症状が悪化するか?
5・いま一番困っていることは?
6・医者に聞きたいことは?
これらを整理し、メモしておく。できれば診察前にそれを渡しておく。これがおすすめ。
新しい医者にかかるときの注意点(P43)
前の医者に問題があり、新しく医者を変えてもらった場合の注意点。
このときに絶対にしてはいけないのが、新しい医者の前で、前の医者の悪口を言うこと。「あの先生はここがダメだった」と批判をすること。
この場合、新しい医者に「この患者はクレーマー体質の可能性あり」「自分もやがて批判されるのでは?」という疑心暗鬼をもたらすだけ。
何の得もないで、やめておくこと。
名医本詐欺(P49)
巷ではいわゆる「この先生が名医!」的な本が販売されているが、それらはお金を払って作られた信用性ならぬ本。
ネットも同じで、名医ランキングなど、その手の情報はあてにならないので、注意すること。
本当に良い医者はそう簡単に判断できないが、
1・医療技術+知識が十分にある
2・コミュニケーション力がある
この2つが揃っている医者は名医と言える。
技術や知識があっても、患者とうまくコミュニケーションがとれないような医師は、決して名医ではない。
とくに、患者が質問すると不機嫌になったり怒るような医者は論外でコミュニケーションが低い医者は技術力や知識も低いヤブの可能性が高い。
すぐに変えてもらうこと。
こんな患者になってはいけない(P53)
医師が扱いに困る患者の5つの特徴。
1・治療と関係がない話を延々とする
2・医者の個人情報を聞こうとする
3・平日の日中に検査や外来に来ない
4・医療機関を転々とする
5・医者に袖の下を通そうとする
「こんな医者はやめとけ」4つのNG(P58)
医者を間違えれば命に関わる。そこでやめておいたほうがいいNGな4つの医者。
1・患者の話を聞かないor話をさえぎる医者
2・白衣がよれよれな医者
3・看護師や若手の医師にやたらと高圧的に振る舞う医者
4・「わからない」と言えない医者
これらの特徴がある医者は、命を預けるに値しない医者。
担当医にこのような特徴が感じられた場合、即座に担当医を変えてもらうこと。
がんを告知されたとき(P87)
「あなたはがんです」と告知されたとき、なんとか確認しておきたいつのこと。
1・その医者はがん治療の経験があるか?慣れているか?
2・どんな予定で検査や治療を進めていくか?
3・患者自身と家族ができることはなにか?
病院で待たされる理由(P119)
時間を予約して通っているにも関わらず病院で待たされる。その主な理由がこちら。
1・検査結果に時間がかかっている
2・病院時間が待ち時間を減らす努力をしていない
受診におすすめの時間(P124)
病院は平日の昼に受診するのがおすすめ。その理由がこちら。
1・医者が寝ぼけていない
2・昼のほうが値段が安い
3・検査がしっかり受けられる
稼げる医者になる勝ちパターン(P167)
医者=金持ちのイメージが強いが、実際は人それぞれ。ただ、稼ぐ医者には典型的なパターンがある。
それがこちら。
1・海外へ出て実績を作る→日本に凱旋
2・日本で突き抜けた結果を作る
このどちらかが経済的な「勝ち組」医師の特徴。
感想など
「こんなことまで話していいの?」という話が満載の本。
命を預けるに相応しい医者がどんな人なのか、そういった話はもちろんのこと、病院の仕組み。医者のモテ力。
白衣を着ている先生方も本当に一人の人間で、だからこそそこには相性があったり、良い人も悪い人もいる。
それがわかって、医師への印象が変わるかもしれません。
あなたの担当医はどんな先生なのか。安心できるのか変えたほうがいいのか。そういうことも含め、勉強と好奇心を満たせる本です。