『モンスターペアレント!?』の読書感想 – モンペ問題は日本人の品性を問う?

モンスターペアレント!?―親バカとバカ親は紙一重

モンペの登場は日本人の品性の問題か。

諸富祥彦著『モンスターペアレント!? – 親バカとバカ親は紙一重』(アスペクト)の読書感想です。

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この本について

公立学校におけるモンスターペアレントの実態を紹介している本。

理不尽&非常識なクレームをつけてくる親のタイプ分類、彼らが登場した時代的背景、教育現場への悪影響など、現代公教育の複雑な事情を察せられる内容になっています。

以下、本書の読書メモです。

モンペ=自己中のオレオレ族(P9)

学校の9割の保護者はまともで常識的。しかし、残り1割、あまりに常識とはかけ離れた非常識な親がいる。それがモンペ。

彼らはバブル時代に代表されるような「オレだけよければいい」人間の代表で我慢や忍耐といった、日本人が美徳としてきた価値観を身につけてこなかった人々。

彼らは自分の欲望のまま、好き勝手振る舞い、教師をストレスのはけ口としている。そのため、彼らの行動は、非常識で自己中心的。

公教育の崩壊が始まったのはバブル崩壊から(P62)

親の変化がはっきりと見えてきたのが、バブル崩壊が決定的となり、社会に影響を与え出した1993年頃。

その後、学級崩壊のニュースが取り上げられるようになり、学校がおかしくなっていることが知られ始めた。

この頃から、親の学校への態度が変わり、教師へ「遠慮」せず、言いたいこと、欲求をストレートにぶつけてくる保護者が増えてきた。

困った保護者4つのタイプ(P67)

モンペになる困った保護者4つのタイプ。

1・子どもを放置する放任型

→子ども=めんどくさいと考えている親。子どもは放ったらかし、親としての責任を放棄して、好き勝手にしている親。

2・子どもを支配しないと気がすまない支配型

→子どもを自分の思い通りにして管理しないと気がすまない親。子どもは親の期待水準以上に育てようと、子どもを必要以上にコントロールする。

3・子どもの家来になる従者型

→子どもの言いなりになる親。子どもをかわいがるあまり、何でもハイハイと子どもの言うことを聞いてしまう。

4・ストレスためまくりの不平タイプ型

→職場や家でのうっぷんを教師にクレームをつけて解消しようとするタイプの親。外部で良い扱いを受けていないためか、反撃してこない相手を選び、ストレスを発散しようとする。

これら4つのタイプに共通しているのは、利己的で個人主義的な考え方。モンペが増殖している背景には、個人主義、利己的な親が増えているから。

上流家庭と下流家庭のクレームの違い(P80)

教育熱心、高学歴&高収入の上流家庭の学校へのクレームは、主に教師の授業レベルや子どもの成績に関するクレームが中心。

子どもの教育に関心を持たない下流家庭の学校へのクレームは、単なるストレス解消のための意味のない「言うだけ言っとけ」的なクレームが多い。

教師の質は下がっていない(P92)

「教師の質が下がっている」など、批判を受ける教師だが、実際には、昔と比べ質は高くなっている。(ダメ教師の割合は1%。)

昭和の時代に比べ、今の教師の質は間違いなく上がっている。学級崩壊は、優秀な教師でもどうしようもならないケースが多い。

悪質な保護者が多いまともな授業経営が難しいクラスは、教師の力量関係なく、誰が担任をして崩壊する。

家庭内では喜怒哀楽の表現を(P111)

歪んだ家庭は、子どもが「良い子」だけを求められ、そのためにうっぷんをためて、外で悪さをしているケースが多い。

家庭では、喜怒哀楽、良いことも悲しいことも、きちんと表現できる場を作る。そうすることで、子どもが自然に感情を表現できるようになる。

コミュニケーションを良くする3つの言葉(P123)

子どもと良い関係を保つため、使いたい3つの言葉。

1・間違いをして、子どもに対して非があれば「ごめんなさいね」。

2・何かして欲しいことがあれば「お願いね」。

3・子どもが何かしてくれたら「ありがとう」。

感想など

読後心地よくない、モヤっとする本。

世の中にはいろんな人がいて、それを学ぶのが公立学校だと思うのですが、モンペが身近で跋扈している場合、話は別。

学校の場合は、ある程度の期間、人間関係が固定されてしまうため、問題が難しくなってしまいます。

授業崩壊が起こっているような荒れている学校へ子どもを通わせるのは、勉強だけでなく、子どもの心理的に、大きな不安を持ってしまうのが正直なところ。

アメリカのように、日本の小中学校がゼロ・トレランスを導入したら状況が変わるかもしれませんが、モンペの問題を解決するのは、日本の教育制度上難しいのが現状ではないかと思います。

モンペの登場は、日本の教育制度がもう時代にそぐわなくなっているサインなのかもしれません。

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