『孤独であるためのレッスン』の読書感想 – 孤独は本当の自分と出会うチャンス

孤独であるためのレッスン (NHKブックス)

独りになる力は自分の人生を見つける第一歩。

諸富祥彦著『孤独であるためのレッスン 』(NHKブックス)の読書感想です。

この本について

「孤独」をテーマにした本。

孤独というと、「ぼっち」という言葉に代表されるように、ネガティブなイメージがつきまとうもの。独りであること、孤独であることを寂しく感じる場合もあるかもしれません。

本書では、孤独であることを、ネガティブな体験ではなく、ポジティブな体験としてとらえ、「孤独」の意味や価値を再考していきます。

人生には、周りにどんなに人がいても、自分の人生と向き合うため、あえて独りで過ごす必要があるときがあるもの。

独りでいる時間が長く、そのことに戸惑い悩んだら、この本を読むと、独りであること、孤独についての新しい見方ができるかも。

以下、本書の読書メモです。

必要とされる孤独力(P10)

これからの社会では、効率や量といった水平的な価値観ではなく、深さという、垂直的な価値観を持つことが大切になってくる。

そんななか、必要となるのが、孤独力。独りになって、自分の心と対話する能力。

独りでいることが人生を変える(P19)

孤独なくして成長なし。ひと目を気にして、自分のことを疎かにする生活から、独りの時間を持ち、独りで内省的な時間を持つ。

それによって、自分らしい生き方を見つけることができる。

ひきこもりの若者について(P44)

ひきこもりの若者は自分に自信がなく、世間の価値基準を気にしすぎて、自分を責め、窒息させている。

彼らは社会的な活動が撤退し、自室にひきこもっているものの、社会に対して無関心なのではなく、人一倍社会の目を気にしている。

人付き合いが多すぎる=浅い人生(P88)

必要以上、多くの人と広くつながろうとする人生は表面的な浅い生き方。

どれだけの人とつながっているかというような、浅い価値観ではなく、深さが大切にされる時代がやってくる。

孤独であるための8つの条件(P89)

孤独が「肯定的」なものになるための8つの条件。

1・「分かり合えない人は分かり合えない」と認める勇気を持つこと。

2・人間関係での歪んだ思い込みに気がつくこと。

3・自分の人生において本当に大切なことを見つけること。

4・人生の有限性に気づき、「人生はいつ終わってもおかしくない」ということを知ること。

5・1度きりの人生をどう生きるのか、常に考えて行動すること。

6・ソーシャルスキルを身につけ、人の話を聴き、人の価値観を認めること。

7・「この人だけは絶対に裏切らない、自分のことを大切にしてくれる」という人を見つけること。

8・自分だけは常に自分の見方。「自分を見守る眼差し」を持つこと。

幸せになるための近道(P104)

自分にとって本当に大切なことは何なのか、不要なものは何なのかを知り、いらないものはどんどん捨てる。

大切なもの、そうでないもの、物事や価値観の取捨選択をすることが、幸せな人生を送るためのポイント。

理想の生き方を見つけるために(P113)

孤独な生き方、独りの生き方は、誰も敷いていないレールの上を進んでいくようなもの。お手本やモデルのない生き方。

そんなとき、独りで迷わないためには、人生の構成力。「こう生きたい、こう在りたい」という想像力を持つこと。

あるがままを受け入れること(P190)

現実のあるがままの姿をそのまま受け入れたとき、初めて人生で本当に必要な変化が訪れる。

自分の現実の姿を受け入れないかぎりは本当の変化は訪れない

感覚について(P219)

人生で大切なメッセージを伝えてくれるのは自分の内側から出てくる感覚。

それは怒りや悲しみのような感情的なものではなく、もっと漠然としたもの。何となく気になる、理由は分からないがそうしなければならないなど、あいまいで漠然としたもの。

なぜか気になる、意味があるような気がするような内側からの感覚は、大切にした方がいい。

感想など

この本を読んだのは確か私が20代半ばくらいだった頃。

就職で失敗し、上手くいかない日々を過ごしていたときに読んだ本ですが、思えば、この時期の失敗や苦しみが、今の新しい自分の生き方につながっているのかなと思うと、少し感慨深いものがあります。

独りの時間、生き方や働き方、人間関係、様々なことを考えた結果、それまでとは違う考え方、道が見つかる。これは本当にそう思います。

「独りなった時期=人生の新しい側面に気がつけ」というある種のきっかけ。ネガティブにとらえず、独りでいる時間をいかに自分と向き合う時間にできるかが、結局は孤独の価値を決めるものかもしれません。

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