人生は「思い通りにならない」が前提。『人生を半分あきらめて生きる』の読書感想

人生を半分あきらめて生きる (幻冬舎新書)

勝てない戦いに挑むのは、勇気ではなく蛮勇である。

諸富祥彦著『人生を半分あきらめて生きる』(幻冬舎新書)の読書感想です。

この本について

今の時代はどんな時代なのか、そしてその時代のなか、どのように生きていけばいいか、柔軟な考え方が学べる本。

人生、何かを成すためには努力や意志も必要。しかしそれだけではどうしようもないこともあります。

「人生、思ったのとは違う・・・」と悩んだとき、この本の考え方を知っておくと、「こんな道もあるかもしれない!」と、新しい道を見つけるきっかけになるかも。

以下、本書の読書メモです。

今という時代(P28)

人は否が応でも生きている時代、社会の環境の影響を受けている。

今私たちが生きている社会は、

1・得られる豊かさの総量が減っていく「縮小社会」であること

2・大災害や国家の破綻など、個人の努力ではどうしようもならない突然のハプニングによって人生計画が狂ってしまう可能性がある「無力社会」であること

3・人それぞれがどんな人生を選ぶのかを絶えず問われ続け、自分の人生の幸不幸は全て自分の選択の結果であるかのように考えられている「自己責任社会」であること

4・実際は幸せになれる、恵まれた生き方ができるのはごく一部の人でしかないにも関わらず、さも人生の幸せが自己責任であるかのように思われ、結果「今の人生がダメなのは自分が悪いのだ」と人が自分自身を攻めざるを得ない「自己選択不全のうつ社会」であること

という4つの特徴を持っている。

仕事や結婚、生き方、「こんなにも自由に選べるんだよ」と思わされているものの、本当に良いものはごく一部の人しか手にできない。

にも関わらず、「人生ダメなのは自分の努力不足」と思わされるシステムに生きている。そのことを理解しておくことが大切。

先が見えないからこそ(P38)

「○歳までは△して」という長期的な人生計画を立てること、それは安定した時代だからこそ意味があること。

今の時代のように、先がどうなるか分からず、変化の激しい時代、固定的な人生計画を立ててしまうことはとても危険なこと。長期的な計画を立てることで、予想外の変化、想定外の出来事に対応できなくなってしまう。

今は、いつなんどき、突然の不運によって人生が詰んでしまう不確実性の高い社会。今まで当たり前にできたことが、当たり前にできなくなっていく縮小社会。「真面目に頑張っていれば報われる」なんて考えない方がいい

あきらめることの意味(P79)

あきらめることは、本来「物事を明らかに見る、流れを見極める」という意味。

世の中は変化し、永遠に変わらないものなど何一つない。今の状況、変化を明らかに見極め、それに応じて、柔軟に変化していきたい。

「普通」に結婚はできない(P130)

今後、生涯未婚率が増加し、男性の3人に1人が、一生誰とも結婚しない未婚社会がやってくる。結婚しない男性が増えるということは、女性の未婚率も上昇する。

今の時代は昔と違って、「普通に暮らして生きていれば誰かと出会えて結婚できた」という世の中ではなくなった。この現状を踏まえ、将来を考えることが大切。

「誰でもいいから結婚したい」はやめとけ(P134)

不幸感の統計を取ると、実は独身者より、結婚生活が上手くいっていない既婚者の方が不幸を感じている人が多い。

結婚相手を間違えたり、結婚生活が上手くいかないと、独身の頃よりも不幸になる可能性が高い。「結婚=幸せな暮らし」と幻想を持っていると、不幸な結婚生活が待っているかも。

縮小化社会の必然(P215)

人は努力次第で人生を変えられる、成功できる。世の中は人生で大切なことは自助努力が全てのように思われているが、現実は違う。

今の世の中は限られたパイの奪い合いであり、悪いことにパイはどんどん縮小している。そのため、一部の限られた人しか良い思いができない。

努力関係なく、運が悪いと強制的に「負け組」にされてしまい、運が悪くなると、

正社員になれなかった→非正規の仕事しかなく収入が低くなる→結婚できない→友だちと付き合いづらくなる→病気になったり心を病んでしまう

というように、様々な不運につきまとわれてしまう。

これが、今の時代、縮小社会の恐ろしいところ。このような不運は誰にでも起こりうることで、決して人事ではない。

感想など

この本はいつ読んでもいいな、そう思える本。

本書では「縮小社会」というキーワードをもとに、今の時代を考察。なぜ今の時代が物質的に豊かで便利でありながら、閉塞感が漂っているのか、その理由を明らかにします。

そして、これからの時代は今までと同じように考えてはいけない、新しい考え方(人生を半分あきらめる)を持って柔軟に生きることの大切さを教えてくれます。

この本を読めば、今の世の中を生きていくことの難しさが分かって、気持ち的にホッとできるのではないでしょうか。

人は良くも悪くも環境次第。自分の努力や頑張りだけではどうしようもないファクターによって、影響を受けています。

だからこそ、「人生、為せば成る!」と根性論で考えず(もちろん、根性&意志を持つことも大切だと思います)上手くいかないときはなぜ上手くいかないのか、上手くいかない環境で頑張っていないか、冷静かつ合理的に考えたいもの。

人生ときに諦めることが重要。そのことを実感できる本でした。

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