『偶然をチャンスに変える生き方』の読書感想 – その偶然には意味がある?

偶然をチャンスに変える生き方―最新キャリア心理学に学ぶ「幸運」を引き寄せる知恵

人生は偶然で決まる?

諸富祥彦著『偶然をチャンスに変える生き方 – 最新キャリア心理学に学ぶ』(ダイヤモンド社)の読書感想です。

この本について

日常で偶然経験することの意味の大きさを知ることができる本。

「人生が上手くいっている人は、日々のたまたまの経験をチャンスにつなげ、上手く波に乗れている人。日々の何気ない偶然が、人生を左右している」というのがこの本のテーマ。

日々起こる出来事、偶然の経験にはどんな意味があるのか、偶然をチャンスにするためにはどうすればいいか、参考にしたい内容になっています。

以下、本書の読書メモです。

人生は運なくして語れない(P6)

20代だったAとB。能力も学歴も才能も、すべて同じくらいの2人がいたとしても、一人は成功し、一人は冴えない人生に。20年後の運命はまるで違う。

同じような努力をしても、コツコツ生きてきても、最終的には、努力や意志だけで満足した人生を送ることは不可能。幸福と成功を得るためには才能と努力以外の要素がある

真の幸福と成功を得るために、本当の満足を得るためにすべきことは、心が動いたこと、「いいな」と思ったこと、幸せや成功につながりそうと思ったことに対して、すぐに行動を起こすこと。

良さそうなもの、いい感じがすることに挑戦、行動することで、それが良い流れ(フロー)となり、幸福や成功の道へつながる。

成功した人は運が良かった(P25)

成功をおさめた人のキャリアを分析してみると、人生で起きた8割のことが、偶然によって左右されている。偶然もたらされた要素によって、成功へ導かれている。

人生が上手くいく人は、「偶然」経験したことがきっかけで、成功をつかんでいる。

学校で優秀な目標志向タイプの弱点P31)

一般的に、何かを実現したいなら、目標を決め、それを実現するためにコツコツ努力する必要があると考えられている。

この目標を決めて行動するという行為は、学校の試験のように、テストの点数など明確で努力が結果になりやすい目標なら問題ない。

目標を立て努力すれば結果が伴う世界なら問題ない。

しかし、現実の人生は、努力したからといって、必ずしも結果が伴うわけではない。そのため、人生で明確に目標を決めることが、かえって人生が詰まる状況にしてしまうことも。

天職は偶然見つかる(P37)

天職を見つけた人は、「俺は天職を見つけるんだ!」と意図して努力して天職を見つけたわけではなく、たまたまのきっかけで、天職に導かれている。

たまたま与えられたチャンス、たまたま出会った人、偶然の要素によって、自分がすべき運命の仕事と出会っている。特に、成功者ほど、偶然を成功のきっかけにしている。

目標を決めることの弊害(P41)

目標を決めてしまうと、挫折に弱くなる。

目標を達成するために計画を立て、努力しても、どうしても不確実な要素によって、努力がダメになってしまうこともある。

目標にこだわればこだわるほど、この不確定の要素がストレスになり、目標に固執するあまり、人生の可能性をフイにしてしまうことも。

目標は決めてもいいが、こだわりすぎず、柔軟に考える方がいい。こだわらないことで、人生の道が広がることもある。

思い込みを捨てることで本当に大切な人と出会う(P47)

人生で本当に大切な人、運命に影響を与える人は、思ってみない人で、これから偶然に出会う人かもしれない。「この人は○○だ!」と自分で思い込まず、気ままにこだわらず、いろんな人と会うことが大切。

ご縁を大切にする生き方(P51)

運命の分かれ目は、偶然の出会いや体験に心を開き、積極的に関わっていけるかどうかで決まる。

偶然知り合った人、偶然人から頼まれたこと、日常の些細な縁やきっかけを大切にしていくことで、思いもよらない幸運を引き寄せられることも。

「いい感じ」がすることはやるべし(P61)

素敵なこと、普段から何気に気になることはどんどん挑戦、いいことが起こりそうな場所やイベントはどんどん参加する。

心のアンテナを貼って、いい感じがする場所、何かが起きそうな場所にはフットワークを軽くして、気軽に足を向ける。これが偶然を幸運に変えるために大切なこと。

偶然を味方に変えるための5つのポイント(P65)

偶然を味方にするために意識しておきたい5つの心構え。

1・好奇心を持つ。興味があること、してみたいことは、気軽に挑戦してみる。好奇心を広げること=人生の可能性を広げること

2・粘り強さを持つ。「これだ!」と思ったことは、しがみつき、自分が納得いくまでこだわること。

3・柔軟性を意識する。粘り強さを持つことと同時に、状況に応じてこだわりを捨てるのも大切。あまり固くなりすぎてもダメ。

4・楽観性を忘れない。「なんとかなるさ」くらいの気楽さ、楽観性を持つ。上手くいくかいかないかなんて気にせず、気楽にいること。

5・リスクテイクを覚悟する。今の仕事を辞めて新しい仕事に挑戦するなど、必要なときにリスクを犯して行動することも大切。結局は、人生のどこかで、今までのものを捨てる決断をするときが来る。

人生で困ったときはヘルパーに注目(P89)

人生には、迷ったときや苦しい時の道案内をしてくれるヘルパーと呼ばれる存在が現れることがある。

ヘルパーは人だけでなく、本や映画、テレビ番組のなかでも見つけることができる。将来が不安で困ったとき、人生が退屈でどうしようもないときは、ヘルパーからのサインを見逃さない。

例)

「今の仕事が辛くて、転職しようかどうか迷っていたとき、中学の頃の同級生に偶然再会。彼が新しい事業を計画していて、今の仕事を辞めて、彼の会社に参加することになった。」

「恋人との関係が上手くいかず、悩んでいたとき、偶然出かけた本屋で見つけた本に、今の悩みの解決法が書かれていた。」

「今の彼女と結婚しようかどうか迷っていたとき、偶然行った美容院で、ヘアカットしてくれた美容師の人が、自身の結婚体験を聞いてもいないのに語りだす。それが不思議なことに、結婚しようかしまいか、悩んでいた問題と同じだった。」

このような具合、ヘルパーからのサインは日常の何気ないところに現れる。

気になるものに意識を向ける(P147)

普段の生活で何となく気になること、何度となく意識にのぼることは、人生で大切な何かと出会うためのサインかもしれない。

気になること、意識にのぼることは、気のせいにせず、それを追いかけてみる。もしかしたら、それは人生を導く糸かもしれない。

人との縁は大切にする(P152)

偶然を大切にする生き方の大きなポイントは、人との縁を大切にすること。

「袖振り合うも~」ということわざの通り、人の縁というのは、人知では計り知れないものがある。偶然、たまたま知り合った人、普段の生活ですれ違う人との縁を粗末にせず、大切にする。

本屋に行ったとき(P159)

本屋に行ったときは、「なんとなく気になる」コーナーに足を運ぶ。気の向くまま、本屋をぶらついていると、そこで思わぬヒントを見つけることも。

感想など

人生における「たまたま」の出来事の意味の大きさが分かる本。

「生き方、キャリア、人間関係など、人生の多くのものは、偶然によって左右されていて、偶然の出来事を上手く生かしていけば、あるべき生き方ができる」というのが本書の考え方ですが、とても納得。

私も、今の仕事は、本当にたまたま、偶然がきっかけで知ったものですし、偶然ウェブサイトで見たことを追いかけていったら、思いもよらぬ、状況へ発展したことなど、個人的な経験として、たまたまのきっかけを追いかけていくと面白い展開が待っているんだなと実感しています。

ちなみに、この本ではユングが提唱したシンクロニシティ(共時性)について触れられているのですが、偶然を追いかけることと共時性の問題は、人生を考える上で、とても大切なことのように感じました。

個人的に、シンクロニシティにはとても興味を持っていて、「これは普通の確率ではあり得ないことだよな」という個人的な経験をしたので、シンクロニシティはオカルトの類ではないと考えています。

何かの問題に取り組んでいるとき、Aを選ぶかBを選ぶか迷っているとき、そういうとき、本当に不思議な場所で、問題や悩みに対するヒントが与えられることがあります。

なぜそうなるのかは不思議ですが、そういう経験が実際にあったので、まぁ世の中には不思議なことがあるもんだと思っています。

世の中が不思議なものなら、目標や結果を追いかけて鼻息を荒くせず、もう少し気を抜いて、楽に生きていってもいいのかもしれません。

気を抜くこと、目標を決めず適当に過ごすことで、案外、「俺の人生はこれでいいんだな」というような、本当の幸せが見つかるものかもしれません。

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