結局のところ、生きぬくために綺麗事は必要ない。『戦国武将の本当にあった怖い話』の読書感想

戦国武将の本当にあった怖い話 (知的生きかた文庫)

こんな話は歴史の教科書にはのらない?

楠戸義昭著『戦国武将の本当にあった怖い話』(知的生きかた文庫)の読書感想です。

この本について

戦国時代のおどろどろしい、ダークでじっとりしたネタがまとめられた本。

・大量虐殺者としての織田信長(P11~)

・実母を磔にされた明智光秀の話(P85~)

・戦に負けた敗北武将の悲しい末路(P125~)

など、戦国の有名武将のダークサイド話が満載。

戦国時代はやっぱり残酷、弱肉強食の厳しい時代だったことが実感できる内容になっています。

感想など

戦国時代は綺麗事ではすまない血生臭い話に胃が重くなる本。

信長の大量虐殺の話や、徳川家康が長男と妻を殺した話など、比較的有名な話がのっているほか、私が個人的に興味を持っている魚津城の悲運の話ものっています。

魚津城の戦いとは
1582年、柴田勝家を総大将とする織田信長軍と上杉景勝軍との戦い。上杉方の魚津城は織田軍の侵攻を防ごうと魚津城へ籠城。奮戦するが力尽き落城、上杉家の武将13人は切腹。その日は本能寺の変で信長が横死した日だった・・・。魚津城の詳しい話はwikiへ。

初めてこの魚津城の話を知ったときは、本当に「運」というものについて考えさせられたものです。

魚津城が落城した日は本能寺の変によって信長が死亡。もし、魚津城へ籠城している上杉の武将たちがそのことを知っていたら?もう少しだけ粘って籠城できていたら?運命は全く変わったものになったはずです。

結局、上杉景勝は魚津城の武将たちの頑張りによって織田軍の春日山侵攻が遅れ、そして本能寺の変が起きて、滅亡寸前から助かったわけですが、上杉景勝が助かった理由は運としか思えません。それは、武田勝頼と比較すると、そのことをより実感します。

武田勝頼しかり、上杉景勝しかり、生き延びた武将、滅亡した武将、その差は何なのか?

少なくとも、そこには、能力や才能といった要素だけではない何かによって、生きるか死ぬか、運命が決まっていく部分があるように思います。

ちょっとしたタイミング、ちょっとした運、そういうものがどれだけ残酷に運命を決めてしまうのか、魚津城の話を考えると、いつもそのことについて考えさせられてしまいます。

歴史を結果論として見ると、そのことが明らかで、だからこそ、運命には人知を超えた何かがある、そんなことを想像してしまいます。

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