『上京物語』の読書感想 – 「理想の人生」を探したくなったら読む本

上京物語 僕の人生を変えた、父の五つの教え

「人生、こんなはずじゃなかった」と後悔しないために読みたい物語。

喜多川泰著『上京物語 僕の人生を変えた、父の五つの教え』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の読書感想です。

この本について

小説風の自己啓発書。

主人公の祐介は、成功を夢見て上京、「イケてる車に乗るんだ、良い暮らしをするんだ」と、成功した自分、理想の人生を思い描いています。

ところが、祐介は就職して結婚、車を買いマンションを買い、気がつけば他の人と同じような人生を歩んでいることに気がつきます。

一生懸命頑張り、人並みの幸せは手にしたはず。しかし、心のどこかで「俺の人生はこれで良かったのか・・・」とふと考えてしまう中年になった祐介。

祐介は一体どうすれば成功できたのか?理想の人生を歩めたのか?

夢を夢で終わらせないためにはどうすれば良いのか、祐介の父が息子に語る物語がこちら。

以下、本書の読書メモです。

人と同じことをする=こんなはずじゃなかったという人生へ(P130)

結婚したら家を買う、車を買う。

人と同じように、「こうすべき」という考え方で動いていると、結局は「こんなはずじゃなかった」という結果になってしまう

当たり前のように思うことはすべて、他の人やテレビ、メディアから植え付けられた一つの考え方。それが、自分にとって正しいかどうかは別問題。

自分の中の「常識」一つ一つ、それが本当に正しいのか、自分にとって意味があるのかを、しっかり見なおし、不要な常識は捨ててしまうこと。

恵まれていても幸せを感じられない理由(P134)

世界的にみて、日本人はかなり恵まれている。

しかし、幸せを感じている日本人は少ない。その原因は、まわりと自分を比較して、幸せかそうでないかを決めようとしているから。

自分のまわりをみて、自分よりもっている人はいないか、いい暮らしをしている人はいないか、わざわざ見つけようとする。

自分よりもっている人がうらやしましい、いい暮らしをしているに違いない。そんな比較思考が、幸せを遠ざける。

安定なんて言葉を信用するな(P140)

会社に入れば安定する、公務員になれば安定する、安定だと頼れるものは、ほとんどの場合何の根拠もない。

せいぜい、「みんながそうしているから」というだけで、安定と思う根拠は、とても脆い。時代が変わればどんな状況も変わる。その変化から逃れられるものはない。

「○○すれば安定する」と信じていても、変化が起こるとき、安定なんてないことに気がつく。

本当の安定は、自分自身の力で、変えられるものを変えようと努力しているときに手に入る。安定は自らの行動によって生み出せるもの。

受け身では手に入らない。

自分の価値観を手に入れる方法(P169)

人生で大切なのは自分なりの価値観を持つこと。何を大切にしてどう行動するのか、価値観を手に入れる方法がこちら。

1・時間を投資をする

→時間は財産。人生そのもの。時間を何に使うのか、それによって人生が決まる。大切だと思うこと、意味があることに時間を使うべし。

2・頭を鍛える

→人間の強さは頭の良さ。自分の人生をなんとかしようと思うなら、自分の頭、心を鍛えること。

3・心を鍛える

→人生は心構えで決まる。すべきことをし、進むべき場所へ進むため、それについていける心の強さを養うべし。

人生経験全て財産(P208)

人生で経験することは全て意味がある。

失敗したこと絶望したこと、達成したこと、達成できなかったこと、すべての経験に意味がある。それらは人生の財産であり、到達すべき場所へ導いてくれる道標となる。

感想など

前半は正直あまり夢中になれなかったものの、後半、父から息子へ宛てた手紙に、胸が熱くなる本。

前半部に出てくる祐介は、典型的な自己啓発ファンの青年で、彼は、良い車に乗りたい、良い暮らしがしたいと、非常に分かりやすい「成功」を追い求め、上京していきます。

彼は就職して頑張って働くものの、車を買ったり結婚してマンションを買ったりして暮らしていくうちに中年になってしまいます。

そして、「人生、思っていたのとは違う・・・」と夜のベランダでホタルをしながら密かに後悔しています。ここで前半部が終了、後半部からオヤジさんの手紙に入ります。

オヤジさんの手紙は、自己啓発的なメッセージが満載で、世の中の常識、安定を疑うことなど、読んでいてハッとなる言葉が満載。

前半部は祐介がスノッブすぎて(経済的に豊か=成功というのが古い感じがする)面白みがありませんでしたが、後半部は読み応えがあります。

「最近、ふと俺の人生はこれでいいのかなと思う」

とモヤモヤしている方は、オヤジさんの手紙の言葉から、ビビビと来る言葉が見つかるかも。

本はこちら