案外、自分の直感は正しい!?
「編集者が選んだ名著」シリーズ、羽生善治著『直感力』(PHP新書)の読書感想です。
この本について
前人未到の偉業達成を達成したプロ将棋士、羽生善治さんの人生訓、仕事への取り組み方などが書かれている本。
直感、運など、人生のところどころで活用したい知恵が満載の本になっています。
以下、本書の読書メモです。
直感と大局観を養うために(P17)
直感や大局観は、長年の経験、実地経験に基づくもの。
成功した経験や失敗した経験が栄養となって、直感力や大局観を養うための財産になる。
直感の正体(P33)
直感は今まで経験したことや学んだこと、身につけたこと、体験してきたことを瞬時に判断したプロセス。
直感で物事を判断することは、くじのような運的なものではない。
考えない状態を作る(P45)
日常で、あえて物事を考えない時間を作ることが大切。
頭に空白状態を作らないと、創造的な思考、新しい発想が生まれてこない。深い集中もできない。
上手くいかないとき(P54)
調子が良くないとき、物事が思うどおりにいかないとき、やる気のないときは、ダメなときはどうするかを、事前に決めておくことが大切。
こういうダメなときはこうしよう、このように決めておくことで、パフォーマンスが良くないときでも、最低限やるべきことができる。
好きなこと、気になること(P70)
人は当たり前のこと、できることしか続けることができない。
関心が湧き、やってみたいと思うことを追っていく。すると、自分の好きなことが見つかる。
頭で好きなことを見つけようとするのではなく、気になること、興味があることはやってみて、それで「なぜ興味が湧くのか?」を考えてみる。
それをすることで得になるか損になるか、そんなことは気にせず、探究心、関心を持つことが大切。
読書について(P77)
迷ったら、とりあえず本は買う。
本の値段はしれている。本はどんなかたちで役に立つか分からない。気になる本はどしどし買う。
不調のとき(P100)
不調のときは成果や結果が出ていない段階。やっていることは悪くない、でも結果がでていない、そんな段階。
そういうときは髪型を変えたり、気分が変わることをやってみる。方法は何でもいいので、不調の時は気分を変えて、気の持ち方を変えることが大切。
自分のやり方を大切にする(P108)
戦術においては、相手のやり方を研究するよりも、自分のやり方、作戦の幅を広げることが大切。
相手がどうこうではなく、自分はどうするのか、そこが重要。
運はトータルではイーブンになる(P170)
人生、良いことや悪いことは重ねて起こるような気がするが、トータルで考えると運はイーブン。
運は天気のようなもので、たまたまの巡り合わせにすぎないので、運の良し悪しは深く考えず、固執しない。
急激な環境の変化に要注意(P172)
大きな環境の変化が人を狂わす。
変化を目指すなら、大きく変わることを目指すのではなく、段階ごと、少しづつ変化していくことを目指す。
遠い先のことを考えない(P207)
先が不透明な現代、10年先20年先、未来のことをあれこれ考えてしまっても答えは出ない。
未来のことを考えて心を煩わすより、今目の前のこと、自分の中で響くものを追いかけていく。自分の中で気にかかること、「ピン!」と来ることと向き合う。
自分の気持ち、直感を信じることが大切。気負わず、柔軟に。
感想など
直感や運など、「そうなんだ」と勉強になること満載の本。
本書の直感という漠然としたものに対する説明がとても腑に落ちるというか、「直感は根拠のない感覚ではない」という考え方は納得。
人生いろんな経験がムダになってはいなくて、いろんな経験、体験、学んだことが積み重なって、それが自分の直感力に。
だから結果的に直感が物事を測るものさし、感覚的な判断の材料になるというのは、そうなのかもしれません。
日常で判断を下す必要があるとき、ときに頭で考えて判断がつかないときがありますが、そういうときこそ直感の出番。
頭で考えることをやめて、直感を信じて判断することで、案外最良の選択ができるのかもしれません。
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