なぜ日本の男たちは本質的に不幸なのか?『日本の社会を埋め尽くすカエル男の末路』を読む

日本の社会を埋め尽くすカエル男の末路 (講談社+α新書)

「男は結婚したら女を幸せにすべきだ!ローンを組んで家を買うべきだ!」と強く信じる男のあなたにおすすめ。

深尾葉子著『日本の社会を埋め尽くすカエル男の末路』(講談社+α新書)の読書感想です。

この本について

日本で生きる男たちがどのような状況に置かれているのか。

彼らがどのように搾取され、社会の枠組みにガッチリと固められているのか。そして、彼らの末路がどのようなものになるのか。

カエル男というキーワードで現代日本を読み解く、衝撃的な一冊です。

以下、本書の読書メモです。

はじめに(P5)

カエル男とは、早い話、女に吸い取られるために存在する男のこと。

少しづつ自身の肉体に寄生されて、血肉を少しづつ吸われていく。そして、すべて吸い尽くされたあとには捨てられる。

日本の男は基本的にこのカエル男。妻に生き血を吸われて、妻と子どもを生かすために己を犠牲にしている存在。

絆社会の正体(P14)

日本は搾取社会。常に誰かが誰かを搾取して成り立っている社会。

大企業は公共事業に寄生して税金を搾取する。国家を支配する官僚たちは天下り先を作って税金を搾取する。

企業においては中年の既得権益層であるカエル男たちが、力を持っていない若いカエル男たちを利用して搾取する。

このように、みんな互いに搾取し合っているのが日本の美しい「絆」社会の正体。

妻は本当に拠り所なのか?(P26)

日本の男性は自殺率が高いことで知られているが、そのなかでも、特に既婚男性の自殺率が高い。とくに、働き盛りの既婚男性の自殺率が特に高い。

ここから分かることは、妻は男にとって拠り所ではなく、心身を追い詰める大きな負担になっている。

つまり、家庭が男にとって、安らぎの場となっていない可能性の方が高いという現実がある。

結婚を一言で言うと(P30)

女性がなぜ結婚するのか、それを一言で言うとお金のため。

いくら愛だとか何とか綺麗な言葉を口にしていても、女性の本心はお金。結婚して自分が安定して暮らしていきたい。

それがすべての本心。だから、お金がない男は結局人間性がどうであろうと、結婚市場からは問答無用で除外される。

結局女性が「結婚したい」と思う本心は、夫を愛して結婚するのではなく、夫に付随する経済力=安定した収入と結婚するということ。

本性を見抜けない男たち(P32)

女性は結婚するまで、男性にその本性を隠していると考えた方が確実。

結婚後女性が「豹変」したことに悩む男性は多いが、実際は、女性が豹変したのではなくて、本性を表しただけ。

結婚を考える彼女がいる男は特に、冷静に、かつ慎重に彼女の本性を見抜く努力をトコトンすること。

今目の前に居て、可愛らしく女性らしく振る舞う彼女を、本当の彼女の姿だと思わないこと!

こんな妻は要注意(P62)

夫に小遣い制を強制し、そして夫が服や靴を買って、オシャレしようとすることにケチをつける妻は警戒した方がいい。

夫にダサい服を着させても平気な妻は、夫のことをお金としか思っていない。だから、考えることはただ一つ。

夫が稼ぐお金を自分の元に吸い寄せること。

夫がおしゃれになって、他の女性と仲良くなるような要素は排除しておきたいのが妻の本音。だから、夫をダサくしておくのが妻の狙い通り。

結婚してダサくなった男は、着実にタガメ妻に生き血を吸われている証拠。

怒りは連鎖する(P87)

怒りは連鎖する。どんな偉い人でも、妻に搾取されている男は、その怒りを部下にぶつける。社長から怒りをぶつけられた部下は、更にその下の部下に怒りをぶつける。

怒りは高きから低きへ流れ、どんどん連鎖していく。その根本は搾取構造にあり。

日本の既婚男性は誰であれ、妻であるタガメ女に搾取されている。その鬱憤こそが、怒りの連鎖を引き起こす原因となっている。

本当に危険な住宅ローン(P106)

カエル男に致命傷を与えるのが住宅ローン。

住宅ローンは、今の会社でずっと働いていくこと、環境を変えないことを約束するようなもの。

その結果、男は1)退職の自由、2)職業選択の自由という、誰もが本来自由に持っている権利を失う。

そうなると、どんなに今の仕事がイヤで苦痛でも、転職することができない。

それをしようとするならば、妻に反対され、いろんな意味で進退が極まる。だから、既婚でかつローンを組んでいる男は不幸な男が多い。

権利は半減。義務は2倍。そして報われるものは激減する。これが既婚男性の実情。

なぜ自己啓発本が流行るのか(P141)

いくら「成功者」の話を聞いてもそんなものは役に立たない。それより大切なのは今自分が置かれている状況を直視して、何をすべきなのか真剣に考えること。

それをせず、「成功者」の話をありがたがって読んでいるのはただの現実逃避。自己啓発しようが、状況は決して良くならない。

カエル男がタガメ女の搾取から抜け出す方法(P188)

「妻に搾取されない人生を送りたい!」と思ったらまず始めたい2つのこと。

1・いいスーツを買う。年相応、お金を稼ぐ社会人として相応しいスーツを買う。これすら実現できないようなら、先は暗い。

2・妻に外で働いてもらう。妻に外の世界を知ってもらい、視野を広げてもらう。

感想など

日本の男を喰い尽くすタガメ女の正体』の姉妹編。

著者の政治的思想が多少押し付けがましくて、読んでいてアレですが、日本の男たちをカエル男という考え方で分析しているところが面白い本。

早い話、日本の既婚男性の大半は、妻と子どもの養分となるためのだけの存在で、それこそが彼らの存在意義である、というのが本書の考え方。

結婚しろ35年ローンにしろそれらはすべて、男を女の養分になるための枷で、男たちは女性の養分となることで「俺の人生はこれでいいんだ!」と自己正当化。

物質的に搾取されるかわりに、精神的に依存しているというのが本書の考え方。

だからこそ、その幻想が崩れてしまった既婚男性の自殺率が異常なほど高いという指摘は驚愕。

既婚男性の方が「真実」を知ったときのダメージが計り知れないのは想像に難くありません。「既婚男性の自殺率が高い」という不都合な真実も非常に説得力があります。

それと読んでいて面白かったのがカエル男の分類。

現実逃避型とか、攻撃型とか、いろんな分類がされていますが、とくに笑ったのは半沢直樹の話。

「やられたらやり返す。倍返しだ!」

とかで有名なあの半沢直樹は、本書によると典型的な攻撃型カエル男。

なぜ半沢が「倍返し」をするのか、その攻撃的な態度の本当の理由を指摘しているところは正直笑ってしまった。

そういえば、2015年に某勉強会で知り合った銀行員の人に、

「銀行でも出世してるし、結婚して家もあるしお子さんもいるし、○○さんは順風満帆じゃないですかー」

とお世辞を言うと、

「ガッチリ固められてるだけだけど」

と暗そうな顔で言っていたことを思い出します。

まぁこういう話は実はけっこうよくある話。出世して収入が増えて、家を買っても、実際のところは・・・。

年収1500万あるのにお金は妻が握って、持ち家の名義人は妻。そして個人名義の貯金はたった20万。

家族のためにお金を稼いでいるのにすべてを吸い取られ、挙句熟年離婚でもされたら・・・。本書186Pにはこのような話が書かれていますが、ほんと衝撃。

ということで、独身している男性も結婚している男性も、心をニュートラルにしてこの本を読むと、いろいろ納得できるのが正直なところだと思います。

そして、特に独身の男性の方が本書を読めば、将来どうすればカエル男にならずにすむのか、それを見出すためのヒントが見つかるかも。

この意味で本書は、現代を生きる男性にとって、搾取されない人生を歩むための入門書になるかもしれません。

「もしかしたら俺は・・・」

と思ったあなた、一読をおすすめします。

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