お金で人生を台無しにしないために知っておきたいお金の現実。
青木雄二著『ゼニの人間学 社会の裏のカラクリを暴いたるで!』(KKロングセラーズ)の読書感想です。
この本について
『ナニワ金融道』でお馴染みの著者が、お金、世の中の現実についてストレートに語っている本。
お金とは何なのか、人間社会はどのように動いているのか。社会の裏のからくりが垣間見れる内容になっています。
以下、本書の読書メモです。
はじめに(P1)
お金は人にとって必要な道具。お金があれば何でもできるし、どんな欲望も叶えることができる。
人間とはうさくさん生き物であり、お金の力に飲み込まれた人間はどんな恐ろしいこともやってしまう。
お金の力に飲み込まれてしまえば最低の人間になってしまうが、かといってお金がなければないで、人間は惨めになってしまう。
好むと好まざると、人間はお金と付き合い、生きていくしかない。世の中がそのようになっているから。
職業に貴賎あり(P28)
世の中の建前では職業に貴賎なしということになっているが、現実問題、世の中は確固たるヒエラルキーが存在する。
サラリーマンなら上場企業のエリートサラリーマンから中小企業のサラリーマン、そしてブルーカラー。
誰も大声では言わないが、職業間には差別がある。
世の中の仕組み(P29)
社会には人間をふるいにかけていくシステムが出来上がっており、試験に勝ち続けた人間が強く、試験に落ちた人間はどんどん転落していく。
中小零細社員より大会社社員、大会社社員より人を使ってお金を稼げる経営者、世の中はお金を持っている人ほど楽にお金が稼げる仕組みになっている。
見た目はあてにならない(P98)
いい服を着て高級車を乗り回している人がお金を持っているとは限らない。見た目だけで人を判断すると、やがては痛い目に遭う。
信頼できる人かどうかを見分けるポイントはシンプル。それは小さな約束を守るかどうか。
約束の時間を守る。決めたことをきちんと守る。そんな小さな約束をきちんと守る人は信用できる。
逆に、小さな約束さえ守れない人間は信用に値しない。
金融業者がお金を貸す相手(P115)
金融業者は自分より賢い人間にはお金を貸さない。賢い人にお金を貸しても得にならない。だから、お金のIQが低い人を狙ってお金を貸す。
これは詐欺師も同じで、狙い目はお金のIQが低いバカな人を狙う。
生きていくということ(P147)
人生とは手探りで生きていくもの。
障害があっても、障害があることを認めて乗り越えていかなければいけない。障害を克服していく努力をする、それこそが生きていくということ。
人間の本性(P161)
人間とはスケベで貪欲でうさん臭い生き物。美味しいものを食べ、異性をモノにできれば満足できる生き物。
ところが不思議なことに、人間は未来を想像する力を持っている。この想像力によって、人間は自分の人生を思い通りに動かし、世の中を変えていくことができる。
資本主義の原則(P195)
得する人がいるから損する人がいる。搾取して得をする人間がいれば必ず、搾取され損をする人間がいる。
これが資本主義の原則。
感想など
「それを言ったら身もフタもあらへんがな」という直球ストレートな話が満載の本。
この本を読むと、世の中一番儲かる仕事が葬儀屋(人間の死に関係するビジネス)とピ○○○(人間の誕生に関係するビジネス)とか、率直ですが考えさせられる話がたくさん。
なるほど、世の中で言われていることと、実際の現実というのはいろいろ違うんだな、ということを実感します。
この本が出たのはもう20年近く前のようですが、人間の世のなかの本質はそう変わらないもの。
お金がすべてではないですが、お金なくしてまっとうな生き方はできない。そんな現実がある以上、お金に人生を翻弄されない程度は、お金と上手く付き合っていきたいものです。