『20代で隠居 週休5日の快適生活』の読書感想

20代で隠居 週休5日の快適生活

大切にしたいのは「こう生きたい」という気持ち。

大原扁理著『20代で隠居 週休5日の快適生活』(K&Bパブリッシャーズ)の読書感想です。

この本について

20代から生活費7万程度、週休5日で隠居暮らし(?)をしているという著者の本。

「働いても全然余裕がないのは誰のせいなのか。そんなに多くのものを求めているわけでもないのにこんなにつらいのはなぜなのか。職場は、この漠然とした社会は、私たちを守るどころか、時間を、お金を、余裕を奪っていくだけじゃなのか。そんなもんのために一生懸命働く必要がどこにあるのでしょう。」(P161)

こんなふうに働くことに疑問を感じ隠居生活へ。東京郊外の安いアパートで質素、マイペースに暮らしているという著者。

誰もが真似できるものではありませんが、「俺は今の生活、人生にこんな価値観を持っていて、それを大切にしたい。だからこうやって暮らしていく!」というスジの通った生き方は魅力的。

「今の世の中、こんな風に生きている人もいるんだな」

「人生、こうしなきゃと思っていたけど、いろんな生き方があるんだな」

と視野が広がる内容になっています。

以下、本書の読書メモです。

捨てること、選ぶこと(P132)

人生には大選択をする時期がやってくる。

今までためてきたもの、たまってきたものを捨てるか捨てないか決める時期がやってくる。

自分の人生で本当に大切なものは何なのか、それを選ぶ時期がある。

大切なことは周りではなく自分自身が決めて選ぶこと。いらないものを捨てれば、周りには自分の好きなものが残る。

20過ぎたら引き算人生?(P141)

若い人には未来があるというが、そんなことはない。

人生はどこでどうなるか分からない。今日「何ができるか」より、「何をしなくていいか」で考え、本当に必要なこと、したいことをやる。

あれもできる、これもできるの足し算ではなく、しないことを消去法で引き算、したいことを優先する。そうすれば、いつあの世の迎えがきても、人生で後悔はしない。

フツーはフツーじゃない!(P157)

一人暮らしで高い賃料を払い、1日12時間以上働く。

世の中、「当たり前」のように思っていることは実は当たり前ではない。場所を変えて暮らせば高い賃料を払わなくても生きていけるし、1日12時間働かなくても、生きていく方法はある。

「当然」と考えられていることに疑問を持つことが大切。

感想など

ある意味強い衝撃を受けた本。

20代にして半隠居(完全な隠居暮らしではないようです)、お金を稼ぐこと、いい暮らしをすることなど、世俗的な欲を放棄して、必要なお金だけ稼ぎ、自分のしたいように生きていく。

お金は使わない、面倒な人付き合いもしない。テレビも携帯もいらない。欲を持たずこだわらない。

こういう人が増えれば、経済もどんどん縮小していってしまうかもしれませんが、これは時代の反動。著者のような暮らしは極端かもしれませんが、無欲への回帰というのはある意味自然な流れなのかも。

今、社会への違和感というか、選択肢の少ない働き方に疑問を持っている人はたくさんいると思います。

「今の社会はどこかヘンだ、皆忙しそうで、お金を求めて殺伐としている、働くことって何だろう?」

「高い家賃を払って暮らし、どこかに勤めて、毎日仕事で時間を追われていく。それでいいのだろうか?」

このような疑問を持ちつつ、生活のため、働いている。宝くじで3億当たったら今すぐ仕事を辞めたい。でも、現実的にはお金がいるので我慢して仕事をする。そういうものだと思います。

実際問題、著者のように、「人と違う生き方」を選択するには、とても勇気がいることだと思います。

お金がないのは不安、でも会社でガンガン働くのも嫌だし、それに何の意味があるのか、分からない。

では自分はどう生きるのか、どういう暮らしが幸せなのか?

日本では、生き方のモデルが少なくて、働き方の多様性という点では非常に貧しいのが現実だと思います。

大学を出たらどこかへ就職。就職で失敗したら、いろいろ苦労してしまいます。

アルバイトをして暮らしていくにしても、30代40代となってくると、仕事が見つからなくなってしまったり、だから、皆安定を求めて、会社員や公務員になろうと頑張るのだと思います。

この現状が変わって、お金が少なくてもまったりゆっくり働ける仕事が増えたり、働き方の選択肢が増えれば、もう少し日本も生きやすくなるとは思いますが、すぐに現状が変わることはなさそう。

でも、著者のような人、自分のライフスタイルを実現する人が増えていけば、働き方に多様性ができて、人は人、いろんな生き方があって暮らしやすい世の中になるのは間違いないと思います。

いろんな働き方があって、いろんな生き方がある。ガンガン働く人もいれば、のんびりゆっくり暮らす人もいる。

日本が生き方の選択肢の多い国になってほしい、そんなことを思った本でした。

本の購入はこちら