伝説的ミュージシャンの半生を描く。『ウォーク・ザ・ライン』を観る

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音楽が好きだった。そして男はプロになった。

伝説のミュージシャン、ジョニー・キャッシュの人生を描く伝記映画『ウォーク・ザ・ライン』の感想です。

ジョニー・キャッシュとは

アメリカのカントリー&ロック歌手。作曲家としても知られ、140曲以上のヒット曲を作曲している。ニックネームは”Man In Black”。

内容について

小さい頃から音楽が好きで、夜ラジオの音に耳を傾けていたジョニー。成人したジャッシュは、軍隊に徴兵されたときも、コツコツ自分の曲を作曲していた。

軍隊を辞めたあと、結婚してセールスマンになりますが、音楽への想いは捨てきれず。友人の機工士2人とバンドを組み、ほそぼそと音楽を続けています。

しかし、妻からは家計のことで上手くいかず、理解を得られません(セールスマンとして稼ぎが悪いようです)。

そんなある日、ジョニーは音楽事務所のオーディション募集の看板を発見。それに応募、見事プロになるチャンスをつかみますが・・・。

感想など

アメリカのカントリー&ロック界に多大な影響を与えたジョニー・キャッシュ。

伝説的ミュージシャンの自伝ということで、映画全体で音楽が活躍します。カントリーにロック、時代を彩った音楽が、贅沢に楽しめるのもこの映画の魅力。

ギブソンJ45、フェンダーテレキャスター、オールドのf字ホールのアコギ、マーティンD28など、たくさんのギターも登場し、音楽好きにはたまりません。

個人的に印象に残ったのは、ジョニーがオーディションを受けるシーン。

最初はゴスペルのカバーソングを歌うジョニー。しかし、すぐに審査員からダメと言われてしまいます。

「ではどんな歌がいいんだ?」と問うジョニー、審査員はこう言います。

「他の歌手ががイヤというほど歌っている曲はもういらない。聴きたいのはあなたの心の中から湧き出す曲で、そんな曲こそ、多くの人に聴いてもらえる。

そんな曲こそ、多くの人を救うことができる。トラックにはねられて、死ぬ前に1曲だけ歌う時間がある。聴いた人間が、絶対に忘れられない。そんな曲が欲しいんだ。」

聴き手の心に残る音楽は、魂のこもった、特別な音楽。

ポップな大衆音楽は、ファッションと同じで、時代の空気を音という形で楽しませてくれるものですが、魂のこもった特別な曲は、本当に人の人生を変えてしまうパワーがあります。

そういう曲と出会えるのは、僥倖な体験なのかもしれません。音楽の魅力をあらためて実感した映画でした。