一番人生で幸せだったときはどんなときだったか、それを思い出せば、どうすればいいかが分かる。
ジョージ・クルーニ主演『マイレージ、マイライフ』(2009年)の感想です。
あらすじ
イアン・ビンガムは企業のリストラ対象者にクビを告げるリストラ告知人。
飛行機に乗ってあちらこちら、いろんな企業へ出向き、リストラ対象者に「あなたはクビです」と告げることを生業としている。
そんなイアンの夢は、飛行機でコツコツマイルを貯め、1000万枚るを達成することだが、夢だった1000万マイルを達成目前のイアンに、2つの出会いがやってくる。
ドライな人間関係を生きてきたイアンだが、2人との出会いを通じてイアンは、人とのつながることの大切さを学んでいく・・・。
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感想など
人とのつながり、生き方について考えてしまう映画。
主人公のイアン(ジョージ・クルーニ)は典型的な独身主義者で、クビ切りの仕事のため飛行機にのってあちらこちらを飛ぶ気ままな生活を楽しんでいます。
出張の最中も、気楽な出会いを楽しみ、バーで出会った女のアレックス(ヴェラ・ファーミガ)と、刺激的な関係を楽しんでいます。
が、イアンの会社の新人のナタリー(アナ・ケンドリック)が、「我が社の出張費はムダです、オンラインでやりましょう、そうすればムダな経費の85%をカットできます」と出張廃止を提案。
あちこち出張する暮らしを楽しんでいたイアンはそれに猛反対。
ナタリーを「お前の提案は現実を知らない」とやりこめますが、「社長はお前は出張していいからナタリーをしごいてくれ」とイアンに命令。
頭でっかちだけどまっすぐなナタリーと過ごすうち、自由気ままに暮らしてきたイアンの心は変化。ゆきづりの「気楽」な関係だったはずのアレックスに対しても、本気の気持ちを持つように。
ある日情熱が高まってしまったイアンはアレックスの家へ突撃。が、そこにはアレックスの旦那や子どもの姿が。
その夜一人で飲み明かすイアンですが、このイアンの姿は、多分、独身を楽しんでいても心のどこかで寂しさを感じている独身者には、いろいろ来るものがあるシーンだと思います。
自由気まま、誰とも面倒な関係がなく、カジュアルに刹那的な暮らしを楽しむ。それは刺激的であるけど、一歩間違えれば、何も残すことができない浮き草のような生き方に。
誰か関わっていても、結局本質的なところでだれとも繋がることができない。
最後の最後、そのことにアレックスは気づいたところで映画は終了します(人を切るアレックスが人を雇うことを薦める手紙を書くのは印象的ですね)が、自由、暮らし、責任、いろいろ考えてしまいます。
人生、何が本当に大切なのか、観る人によって、いろいろ気づきが得られる映画だと思います。