UK エレクトリック・トラッドの名盤『アンハーフブリッキング+2』を聴く

英国のフォークロックバンド、フェアポート・コンヴェンションの名アルバム、『アンハーフブリッキング+2』の感想です。

アンハーフブリッキング+2

フェアポート・コンヴェンションは1960年代から70年代に活躍したイギリスのフォークバンド。

もともとはフォーク色の強いサウンドのバンドですが、このアルバムでは、エレキサウンドと英国伝承音楽を導入。いわゆる「エレクトリック・トラッド」という概念を生み出した歴史的名作です。

シンプルなフォークソングからメロディックなロック、ケルト音楽を思わせるアレンジなど、新旧の英国音楽をミックスした、独特の音作りになっています。

以下、曲の感想とメモです。

1. ジェネシス・ホール

詩的なボーカルに抑えられ静かにアルペジオを刻むエレキ。伝統的な雰囲気の音楽にエレキの要素を味わえる曲です。

2. 二人のわかれ

ボブ・ディランのカバー曲。ブルースとは違いますが、何とも言えない 土臭さや泥臭さが充満しているカントリー系の曲。馬に乗ったカウボーイにピッタリのための曲です。

3. オートプシー

間奏のエレキギターが何とも味わい深い、しっとりとした一曲。歌をサポートするトレモロの響きが、曲にわびしさを与えています。

4. 船乗りの生涯
バグパイプのケルト音楽のような曲。地味に動き回るベースが躍動感を演出、船乗りたちの船出をイメージさせます。静かな出だしから、やがて大海原に飛び出すようなアレンジは、まるで壮大な叙事詩のようです。

5. ケイジャン・ウーマン
カントリーが混ざったハイテンポのロックソング。スライドギターがカッコイイ曲です。

6. 時の流れを誰が知る
晴れた日の午後、お茶を入れてのんびり聴きたい曲。のんびりとしたテンポ、心地良いボーカルが響き渡ります。

7. パーシーズ・ソング

ボブ・ディランのカバー曲その2です。ギターとコーラスが味わえる、素朴で美しい曲。アコギのストロークが心地よいです。

8. ミリオン・ダラー・バッシュ

ボブ・ディランのカバー曲その3です。ボーカルが入れ替わり立ち替わる、祭りのようなハッピーな雰囲気の曲。お酒が入っているような気分の曲です。

9. ディア・ランドロード (ボーナストラックその1)

ジョニ・ミッチェルの弾き語りをエレキバンドアレンジにしたような、味わい深いメロディーが楽しめる曲ですが、ボブ・ディランの曲なんですね。歌詞が良いのも納得。

10. イージー・ライダーのバラード (ボーナストラックその2)

バンド音楽の良さが詰まった曲。アコギに歌、エレキの伴奏、静かに始まる出だしからドラムとベースがイン。ガンガンと盛り上がっていく曲ではありませんが、音全体がほがらかで、落ち着いてのんびりと音楽を楽しめます。

最後に

伝統的なトラッド音楽にエレキの要素を加え、生音と電気音が心地よいバランスで調和している、心地の良いアルバムです。ボブ・ディランのカバー曲も、オリジナルとは違った味わいで、じっくり音楽を聴くことができます。

エレクトリック・トラッドの名盤として知られる『アンハーフブリッキング』ですが、15回ほどアルバムを通しで聴いて、その独特の味わい深い音楽にしっとり。「名盤」の名を冠するアルバムには、やはりそれなりの理由があるのが分かります。

じっくり、のんびりと味わいたい作品です。個人的には、夕方の陽が射した時間ににピッタリのアルバムだと思います。

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アンハーフブリッキング+2