『成功は一日で捨て去れ』の読書感想 – 成功に法則なし、だからこそ

成功は一日で捨て去れ

転がる石に苔むさず。

柳井正著『成功は一日で捨て去れ』(新潮社)の読書感想です。

この本について

ユニクロの柳井会長兼社長のユニクロ経営の悪戦苦闘、試行錯誤を語った本。

ユニクロが危機を乗り越え会社としてより大きく成長していく、その裏にはどんなことがあったのか、成功を続ける秘訣は何なのか、試行錯誤の日々が熱く語られている内容になっています。

以下、本書の読書メモです。

成功にうぬぼれること(P1)

会社経営で何よりも大切なことは、お客のことを考えて商売をすること。

少しのことで「自分は大成功した」と勘違いして、「成功という名の失敗」をしている人が多い。何事もうぬぼれず、「自分は成功した」などと考えない。

成功は成功と呼ばれた時点で陳腐化して過去のものとなっていく。環境は常に変わるし、同じやり方が上手くいく保証はない。

自他の成功例の復習など意味はない。人の真似などせず、自分で考え試行錯誤する。

会社は放っておくと倒産する(P35)

会社は何も努力せず、何の施策も実行せず、ただ普通に経営していたら、やがて潰れてしまう。

会社経営に順風満帆はなし。常に危機感を持つこと、新しいことに挑戦していくこと。

組織の誇大化と官僚化(P75)

会社が成功して、組織が大きくなればなるほど、社員の官僚化が進む。

上が指示を出して下が実行する。自分の頭で考えず、言われたことだけしかしない、自分の組織、派閥を守ることしか考えない人間が増えてくる。

組織が官僚化することで、個々人の責任が曖昧となり、仕事の責任が曖昧となる。信賞必罰の原理が適応されなくなっていく。

そんな官僚化した組織は、事なかれ主義になり、柔軟性がなくなり、組織が硬直化し、外の環境の変化についていけず、やがては滅亡の運命にある。

価値があるかどうかはお客次第(P84)

商品の値付けについて。

人が商品にお金を払うのは、その商品とお金を交換するということ。自分自身が決める商品価値とその商品の価格が見合っていない限り、お金を出そうとはしない。

お客から値打ちがないと思われるような商品は、値引きしなくてはいけない。

人が商品を買うということ(P121)

人は商品を買うとき、ものを買うと同時に、商品のイメージや、商品に付随する情報も買っている。商品の背後にある物語、イメージを買っている。

「~べき」「~のはずだ」という思い込みが商売をダメにする(P157)

商売をする上で大切なのは、始めから先入観や思い込みを持たないこと。

人はとかく、自分の概念や思い込みを「絶対に正しい」と思って、そこから外れるアイディアを拒絶してしまうが、それではいけない。

「~べき」「~のはずだ」という思い込みをもたず、試行錯誤する。いろんなことを実行してみることが大切。

失敗と成功を学びにするために(P198)

会社が成長していくために、日々の成功と失敗から学びを得て、それを改善につなげていくこと。

どんな理由で上手くいったのか、どんな理由で上手くいかなかったのか。それを考えて分析、生かしていく。

感想など

ユニクロの経営者、柳井会長のビジネス書。

成功を捨て去り新しい発想を続けていく、現状否定して新しいことに挑戦していく。同じことは繰り返さない、前とは違うことに挑戦していく。その自己否定、自己改革精神は本当にすごい!

「上手くいっても成功とは考えず、むしろ「俺は成功したんだ」なんて考えていたら次は谷底へ落ちてしまう。」

この本では、そんな危機感をもとに、自己改革することの大切さが熱く語られています。

結局、常に世の中の最前線で活躍しているという会社は転がる石に苔むさず。常に動きがあって、私たち消費者が見えないところで、様々な努力や工夫を重ね、その地位を築いているのかも。

今や、ユニクロはあまりにも有名、あたり前の存在になってしまいましたが、それだけユニクロという会社が、私たちの生活に溶け込んでいる証拠。

この本を読むと、ユニクロが大きくなる裏には、本当にいろんな試行錯誤と企業努力をしていることが分かります。

常に変わろうとすること、前へ進もうとすること。その姿勢は会社も個人も同じ。肝に命じたいものです。

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