なぜ昔話が人生の役に立つのか?『座右の寓話』の読書感想

ものの見方が変わる 座右の寓話

昔話が21世紀の今でも役に立つ本当の理由。

戸田智弘著『ものの見方が変わる 座右の寓話』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の読書感想です。

この本について

「キツネとブドウ」「人間万事塞翁が馬」など、誰もが知る寓話や古典から人生に役立つ教訓を見出していく本。

この本を読めば、決しておとぎ話がただの子どものための話ではなく、人生のそのものに「効く」教訓になることが分かります。

以下、本書の読書メモです。

泣き婆さん(P21)

雨が降ったら泣いて晴れたら晴れたら泣いている泣き婆さんの寓話から。

人生において禍福はあざなえる縄のごとし。幸せと不幸は必ずセットで存在するもの。

幸せがずっと続くわけではないし、逆に不幸も長くは続かない。

この意味で不幸なことがあったからといって、不幸ばかりに意識をとらわれるのは損。

幸福な面に目を向ければ必ずそれが見つかる。なぜなら、幸せと不幸は、必ずセットなのだから。

このように、物事は常に二面性があり、見る立場によって、幸不幸、良い悪いが変わる。

だからこそ、不幸なことがあったときは、見方を変えて幸福を見つけることが大切。

京の蛙と大阪の蛙(P42)

人間関係をダメにしてしまうのが早合点。

人の話を聞きよく分かってもいないのに分かったつもりになって、勝手に承知してしまう。

それが、勘違い、思い違いになり、仲違いの原因になる。

そうならないために大切なのは、

1・人の話は集中して聞く。

2・人の話は最後まで聞く。

3・「自分はこんなふうに理解した」と相手に確認する。

この3つを意識すること。

目をなくしたカバ(P54)

人生常に走り続けることが良いことではない。

ときに立ち止まり、じっととどまったり、ゆっくりゆっくり、進んだほうがいいときもある。

もちろん走り続けてガンガン進んでもいい。

ただし、ときに立ち止まり、自分が進もうとしている道は正しいのか、今の自分の立ち位置は間違っていないか。

自分で冷静に確認する時間を持つこと。

2ズウォティのモイシュ(P82)

気が利く使える社員を雇うコツは、その人が子どもの頃に親の手伝いをしたかどうかを聞けばいい。

親の手伝いをしてきた子どもは、手伝いを通じて、コミュニケーション力はもちろんのこと、段取り、計画、問題解決、様々な力を養っている。

だから社会に出ても気が利く社員となり、しっかり働いてくれる。

しかし逆に、親の手伝いすらせずに甘やかされて育った人は、権利意識だけは強い癖に仕事ができない地雷新人になりやすい。

良い新人を雇いたいなら、必ず親の手伝いをしてきたか、家庭の手伝いをしてきたかどうか、確認することが大切。

子どもをしかる父親(P126)

なぜ仕事をするのか、その根本的な理由。

1・仕事をすることで悪から逃れられる。

→仕事をせず暇になれば、「小人閉居して不善を為す」状態になる。暇な人はろくなことを考えないししない。

2・他者と交流できる。

→単純に仕事を通じて他者と交流でき、社会性を保つことができる。

3・自分の力を発揮できる。

→仕事をすることで自分の能力を発揮する。それによって、生きる喜びを実感できる。

4・成長、進化できる。

→いろんな人と出会い、価値観を学び、仕事力を高め、人として成長できる。

5・承認欲求が満たされる。

→上司や同僚から認められ、顧客から「ありがとう」と感謝される。それによって他者、社会から自分が認められている喜びを得ることができる。

西瓜泥棒(P139)

小事は常に大事になる危険がある。悪の道はほんの些細な悪事から始まる。

この意味で悪との戦いはまず小さな誘惑に打ち克つこと。どんな小さい悪行も、強い決意で拒むことが大切。

スープの石(P154)

安定とはまったく変化しない状態ではない。

大事なところはそのままにしつつも、よりよくできるところを上手に更新していく。これが本当の安定した状態。

倒れるまで(P196)

「もっと」という欲望との付き合い方について。

欲望は基本的に限度がない。自分で制限しようと努力しない限り、欲望は無尽蔵に増大していく。

だからこそ、欲望が小さいうちからそれを節制していくための心構えが必要。

節度を持って、ほどほどにしておく。これが、欲に人生をダメにされないために大切なこと。

感想など

「北風と太陽」や「3年寝太郎」、「塞翁が馬」など、昔のお話はいつの時代でも役に立つ普遍的な教訓が含まれていることに気づける本。

結局、時代が変わろうが人は人。

文明が進歩して表面的な部分が変わろうとも、その本質的な部分は決して変わらず。同じようなことに悩み、苦しむのが人。

だからこそ、つまづくこと。失敗することはいつの時代も同じ。その意味で昔話は宝の山。

本書を読めば、不易と流行を実感しつつも、決して変わらない、本質的な部分に意識を向けることができるでしょう。

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