『僕は君たちに武器を配りたい』を再読 。「自分」という武器を最大限生かすための考え方とは

僕は君たちに武器を配りたい

世の中、頼りにしていくのは「自分」という武器。

瀧本哲史著『僕は君たちに武器を配りたい』(講談社)の読書感想です。

この本について

京大の教師による若者のための自己啓発書。

どこかの会社に勤めれば安心という時代は終わり、常に「自分の価値」を意識せざるをえない時代に。

使い捨てされない人材になるためにどうすればいいか、どんな風に考えて世の中を渡っていけばいいか、勉強できる内容になっています。

以下、本書の読書メモです。

人生は投資だ(P7)

これからの生き方は、投資家的な視点が必要となる。

自分を投資商品と考えて、「何に時間と労力を費やせば自分の能力や才能が磨かれるか?」ということを見極めることが大切。自分を磨いて能力アップできれば、結果的に収益(お金)を回収できる。

自分磨きも良いが、費やすものに対するリターンをしっかり考えて行動する。

高学歴は武器にならない(P18)

一昔前は、勉強して良い大学に入り、学歴を得ることが、勝利の方程式だった。

しかし、今は人あまりの時代。高学歴がゴロゴロいる時代に、どれだけ勉強して良い大学に入っても、それが成功への保証にはつながらなくなった。

今の日本の現実として、勉強する努力が収入には結びつかないことは知っておいた方がいい。

『学問のすゝめ』が流行した裏側(P20)

明治期、大ベストセラーとなった福沢諭吉の『学問のすゝめ』。

福沢諭吉が『学問のすゝめ』を出版したのは、慶應義塾の宣伝のため。勉強することによって人間に差ができると主張するが、実際は「慶応義塾に入りなさい」という、ビジネス的な目的のために書かれた側面がある。

現代の勉強ブームと同じく、何かが流行するのはそれを仕掛けている人がいるから。何か流行が起これば、ブームの裏側、ビジネス的な側面を意識し、ブームに踊らされないこと。

コモディティとスペシャリティ(P31)

これからの時代を読み解くキーワードは、コモディティとスペシャリティ。

コモディティは、どこにでもある、特に付加価値のない、無個性なもの。

コモディティはすぐにほかの商品に代用され、使い捨てされてしまう。一般企業においても、無個性な人、誰にでもできる仕事をする人は、コモディティ的な人材として、使い捨てられてしまう。

資本主義の社会においては、買い叩かれて使い捨てされてしまうのがコモディティな人の特徴であり、運命。

一方、スペシャリティは、特別な価値のある、個性的なもの。他のものとは代用がきかず、それ独自の価値がある。

これからの世の中で、高報酬、成功できるのは、スペシャリティな人材。その人しかできない何かがある人、独特の価値を提供できる人は、格差社会に関係なく、高報酬を得ることができる。

これからの時代、したいことをして、自分らしい生き方を目指すなら、スペシャリティな人を目指すこと。自分しかできないことをして、その価値を世の中に認知されることを目指す。

専業主婦というリスク(P77)

専業主婦という生き方の本質は、他人(夫)に自分の人生を委ねること。他人に自分の人生を託す生き方は非常に危険。

ブームが起こったら潮時(P86)

ブームが起こったときに投資を始めることはイコール失敗すること。投資をするなら、ブーム前に始めるのが鉄則。

誰も投資を考えない時期に始め、実りが出てきて、他の人が参加し出したときに撤退する。

大量にCMを打つ会社(P96)

大量のCMを打っている会社は、新規の顧客を獲得するのが大変だが、一人当たりの利益率が高い商品を扱う会社。

商品の魅力で集客できない弱点をCMで補っているため、CMにつられてしまうと、ネギを背負ったカモになる。

一般的に、大量にCMを打っている会社は注意した方がいい。

出遅れ組はニッチを狙う(P103)

転職を考えたとき狙うのは、ニッチなところ。

皆が知っているところ、有名なところ、誰でも知っている場所には先行者利益を得た人たちが既にいる。後から入っていっても、先行者の養分になるだけ。

そこで、就職や転職を狙う場合、

・これから伸びる可能性が期待できる会社

・多くの人が気づいていない会社

・客と従業員を大切にしている会社(従業員を大切にしない会社に未来はない)

この3点を中心に、働らける会社を探す。

会社が伸びたとき、先行者利益を得ることができる。

資本主義の宿命(P127)

資本主義社会においては、どんなものでも、コモディティ化していく。

革新的な商品が出ても、すぐに他社が参入、コスト競争が行われ、個性的な商品が、普通の商品になっていく。

生き残っていくためには、革新と変化を起こすことが必要。「これで安泰だ」ということは決してない。上手くいったら次へ。自分から変化を起こすべし。

信者ビジネスは安定する、しかし(P154)

熱狂的なファンがいる信者ビジネスは儲かる。

一度ひいきにしてもらえば、長らく商品を愛用してもらえ、おまけに勝手に宣伝もしてもらえる。宗教に近いほど、熱狂的なファンを作ることが、安定したビジネスを築くためのポイント。

ただし、信者ビジネスは、続ければ続けるほど、信者の質が下がってくる。

続けていれば「自分の頭で考えられない人」が集まってくるので、自分に依存させるビジネスをせざるをえなくなってくる。そこがマイナスポイント。

金融マンにとって一番の顧客とは(P158)

投資商品などの金融商品を扱う金融マンにとって一番のカモは、お金を持っており、かつ自分の頭で考えない人。

自分で考えようとしない人はお金を狙う人々からカモにされ利用されるリスクを負う。人の話を鵜呑みにせず、自分で考え、判断すること。

上手くいっていないやり方は変える(P185)

行動して上手くいっていないということは、そのやり方がマズイということ。ダメならダメ、やり方をどんどん変えて、変化を起こしていく。

マネジメントの秘訣(P187)

マネジメントの秘訣は、優秀な人を管理する方法を学ぶのではなく、普通の人を上手く管理する方法を学ぶこと。

世の中には、優秀な人よりも普通な人の方がはるかに多い。人を採用するときも、優秀な人を見分けるのではなく、まずダメな人を見分けること。

滅多に存在しない優秀な人を見つけようとするより、「この人を雇ってはいけない」というダメな人を見分ける方が現実的。

人生の重要な選択はリスクを考えて決断する(P231)

人生で大切なことはリスクを分散させること。

一つの失敗が致命傷とならないよう、リスクを分散させておくことが大切。そして、行動する場合、リスクとリターンのバランスを考えて、行動する。

リスクがあっても、行動によって得られるリターンが大きければ行動するのはOK。しかし、リスクが高いのに得られるものが少ないもの(ハイリスク・ローリターン)は、絶対手を出してはいけない。

自分でリスクが見えて、管理できるものに行動を起こす。

新聞やメディアはそのまま信じない(P240)

新聞やメディアで報道されること=それが流れることで得する「誰か」がアナウンスしてほしいこと。基本的に、新聞やテレビなどのメディアで報道されることは、世論操作の一つだと考えた方がいい。

時にはリスク覚悟で勝負する(P287)

人生には決断が必要なときがある

リスクがあるが、したいこと、やってみたいことは、失敗を覚悟してでもやる。そうすれば、結果がどうであれ、しなかった後悔をする苦しみは避けられる。

リスクや変化を恐れてできないことがあるときは、したいことをしなかった人生、やりたいことを我慢する人生、誰かのいいなりの人生に意味があるのか、そこを考えてみる。

感想など

本棚整理の一環で再読。

この本を初めて読んだのは確か2011年頃。当時はまだ20代、人生の行き先に不安を感じ、仕事と生き方関連の本をたくさん読んでいました。

30代になって、あらためてこの本を再読。もともとは就職をひかえた若者向けの本ですが、とても勉強になる本だと思います。

この本では、コモディティとスペシャリティというキーワードが登場するのですが、これを意識するしないでは、だいぶ未来が変わってくるのではないかと思います。

結局、仕事をしていく上で大切なのは、自分しかないセールスポイント持つこと。それがあれば、人生の選択肢が広がっていきます。

誰でもできることをすることは、いつでも切り捨てられる立場に自分を置くこと。

自分を差別化して、「ここが人とは違います」というところがないと、人と同じことをするしかなくなって、常に自分が人と比較される対象になってしまいます

そうなれば、「時給○○○円」の世界に入らざるをえなくなり、そこから抜けだそうとしない限り、抜けだせなくなってしまいます。

自分の素材を判断、人とは違う魅力、特徴、そういったものを磨き上げていくこと。人とは違うことをしていくこと。

この本を読んで、あらためてそのことの大切さに気づかされました。

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