『大人のケンカ術』の読書感想 – 法律は知った者・使った者勝ち

『特上カバチ!!』公式副読本 大人のケンカ術

大人のケンカは法律のケンカ。

田島隆著『大人のケンカ術「ホーリツ的に正しい」逆襲の作法』(講談社)の読書感想です。

この本について

漫画『カバチタレ!』で有名な漫画家兼司法書士の著者による法律必要論。

「大人のケンカ」というタイトルですが、「問題に巻き込まれないためにはどうすればいいか、いざというときは法律を知っておきましょう、法律家を利用しましょう」というのが主な内容です。

この本を読むことで、法律を知らないこと、知識がないことの損失を、痛いほど理解できます。

以下、本書の読書メモです。

今の世の中は強者が弱者を食う世界(P20)

派遣切りにしろ失業問題にしろ、問題の本質は、力を持つ強者が法律を盾に弱者を使い捨てにしていること。

悲しいのは、使い捨てられた弱者が、さらに自分より弱いものを探し、「オレオレ詐欺」や「振り込め詐欺」などの犯罪に走ること。

社会の底辺をさまよい、そこから抜け出すために弱者ができるのは、法律を知ること。法律を知り、仕組みを理解することで、理不尽な対応に対して、反撃することができる。

無知は高くつく(P42)

給料未払いや理由なき解雇など、「これはおかしい」という理不尽な対応を受けたら、泣き寝入りしてはいけない。法律を盾に、反撃をすることで、失われたものを取り返すことができることもある。

トラブルに巻き込まれやすい人(P72)

世の中にはトラブルに遭いやすい人がいる。彼らの特徴は次の通り。

1・体裁にこだわる見栄っ張りの人。

2・アグレッシブな人。

3・優柔不断な人。

4・論理的に考えられない人。

5・ルーズな人。

6・義理や人情にとらわれ過ぎる人。

7・多情な女性。

8・物事にこだわりすぎる人。

9・人当たりの良すぎる人。

民事裁判はせこい奴が勝つ(P93)

裁判に正義を期待してはいけない。民事裁判など人同士の争いは、ずる賢いせこい奴が勝つ。

お人好しほど損をしてしまう現実があるので、裁判では正義を信じず確実に勝つための証拠を積み上げるべし

悪徳業者に騙されないためには知識を持つことが一番(P104)

世の中、無知は高くつく。悪いやつに騙されないためには、知識を持つことが一番。

・うまい契約話は保留する。

・契約書は熟読、特に3枚目、裏側をよく読む。

・ローン契約の解除法

など、実用的な知識を知っておく。

暴力にはどう対応するか(P113)

暴力を背景に一般市民を脅す相手には、権力で対応する。

彼らは暴力や脅しといった、非合法な力をもとに一般市民を脅迫するが、彼らの力の背景となっている脅しや暴力は、彼らの弱点でもある。

脅しや暴力が行われるとき=警察が介入できるときなので、暴力系の人々とトラブったら、公権力に任せるべし。警察は知能犯には弱いが、暴力犯には強いということを知っておく。

暴力系の人と関わるときの注意点としては、

1・密室で1対1で会ってはいけない。

2・心理戦に負けず、ビジネストークに徹する。録音機器を用意し、感情的にならないことがポイント。

3・相手のメンツを潰す発言はしない。

4・弱みを握られてはいけない。握られてしまったら、いっそのこと弱みを認めた方がいい。そうでないと一生脅されゆすられる。

5・恐怖心を受け入れる。今の恐怖を受け入れ、未来の恐怖と決別する。

この5つを意識すること。

交通事故の交渉について(P176)

万が一交通事故を起こしてしまったときに知っておきたいこと。

1・動揺しても、相手のいいなりに一筆「いくらでも払います」と書いてはいけない。

2・交渉するならファミレスで。録音もする。

3・保険会社との交渉は、うかつにハンコを押してはいけない。サインも簡単にしてはいけない。

4・誠意を持ちつつ、常識的な金額での合意を目指す。

信頼できる法律家の選び方(P195)

法律家を探すときのヒント。

1・口コミをチェックする。

2・行政書士会、司法書士会、役所に聞く。

3・相談を受けて合うかどうか、様子を見る。このとき、自分の話をきちんと聞いているか、高圧的な態度ではないか、報酬が高すぎないかを確認しておく。

感想など

法律の重要性を勉強できた本。

前半は著者の壮絶な人生、後半は法律を知っておくことの必要性という構成になっており、優しい文体ながら、著者の濃い実体験が、胸に染みる内容になっています。

私もフリーランスという職業上、無知が高くつくということは常々実感していて、知らないことがどんなにマイナスになるのかは、大人になって初めて分かることかもしれません。

労働者問題において、「派遣やパート=単純に弱者」と定義するのは難しいところですが、世の中は上にいる人が得をして下にいる人が損をするのは事実だと思います。

だからこそ、自分の現実的な立場を認識して、必要以上の損をしないよう、自衛的な知識は持っておいた方がいいのかもしれません。

法律に情と正義はないが、法律を知る者には優しい。そこを忘れないでいれば、万が一のさいも、自分の身を守れるかも。

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