『夫婦格差社会』の読書感想 – 平成格差を乗り越えるカギは妻の○○?

夫婦格差社会 - 二極化する結婚のかたち (中公新書)

二極化する日本の夫婦、生き抜くカギは妻にあり?

橘木俊詔、迫田さやか著『夫婦格差社会 – 二極化する結婚のかたち』の読書感想です。

この本について

結婚した夫婦の経済的な格差について考察する本。

夫婦格差社会でカギを握るのは女性。男性にとって、いかにパートナーの女性の役割(仕事・家庭)がこれからの時代重要なのか、認識せざるを得ない内容になっています。

以下、本書の読書メモです。

世帯所得の変化(P19)

一昔前は、夫の収入が高ければ妻が専業主婦になり、夫の所得が世帯所得になっていた。

ところが、現在はそれが変わり、世帯所得の大小が夫の所得だけでなく、妻の所得に左右される時代になった。

夫と妻、両方が仕事を持ち、お金を稼ぐ夫婦の世帯所得が増加、それによって、妻が働くか働かないかが世帯所得の格差につながっている

結婚における「相補説」と「類似説」(P42)

結婚相手に求める基準としては、「相補説」と「類似説」、2つの説がある。

相補説とは、夫婦が互いに違いを持ち、それによってお互いの足りないところを補完し合うから上手くいくという説。

類似説とは、資質や性質が似ているもの同士の夫婦が上手くいくという説。似たもの同士の方が相手の欠点が気にならないので、長く続くという考え方。

日本の夫婦の出会い場所(P57)

日本人の夫婦の多くが、学校関係(約12%)及び職場や仕事(約29%)でパートナーを見つけている。

学校や仕事で出会い結婚する夫婦が多いということは、類似説の通り、似た者同士がくっつきやすいのかもしれない。

結婚と学歴(P72)

夫の視点では、妻の学歴、出身校にこだわらない傾向にあるが、妻視点の場合は別。

女性の場合、自分と同じ大学出身の男性と結婚するケースが多い傾向になる。特に、高学歴の女性ほどその傾向が多く、有名大卒の女性は、有名大卒の男性と結婚していく。

年収300万の壁(P127)

男性が結婚するかしないかは、年収300万が壁となる。

年収300万未満の男性の結婚率は、20代30代の男性で10%と低く、年収が低いほど、交際相手がおらず、独身率が高い傾向にある。

男性は、収入に自信が持てないと結婚をためらう傾向が強い。結局、男性が結婚まで至るには、お金の問題が大きい。

離婚の原因とメカニズム(P150)

今の結婚生活を維持することで得られる効果と、独身に戻ったときに得られる効果を比較したとき、後者が前者を上まったとき、人は離婚を決断する。

その他、離婚の考えられる原因は次の3つ。

1・今のパートナーよりも良い人と出会う

結婚とは、今まで出会った異性の中から、その時点で一番良い相手をパートナーに選ぶという選択。そのため結婚後、今のパートナーよりも良いパートナーを見つけた場合、離婚を考え始めてしまう。

2・今のパートナーとの暮らしが耐えられなくなる

結婚する前にパートナーの全てを知ることは難しい。結婚してみて初めて気がつくことがたくさんある。そのため、「こんなはずでは・・・」と悩み、離婚を考え始めることも。

3・一緒に暮らしていくための条件が変わってしまった

高収入の男性に惹かれ結婚した女性が、男性の失業によって年収が低くなってしまった場合など、相手を取り巻く環境が変わってしまった場合、離婚を考え始める。

特に、男性の経済力の低下(金の切れ目が縁の切れ目に)、女性の家事能力の低下は、離婚リスクを高める。

感想など

日本の夫婦の変化を丁寧に分析した本。

「日本の夫婦は二極化しており、世帯年収が高い夫婦、低い夫婦の二極化傾向へ。生活が豊かになるかどうかは妻の職業、収入次第で、今の時代、共働きでかつ妻が高学歴高収入であるほど世帯年収が高くなる。」

主な部分を要約するとこんな感じですが、もはや現在は、男性一人働いて家族を養う時代は終わったのかもしれません。

特に印象的だったのは、現代の勝ち組夫婦の実情。

現代では「安定した仕事を持つ共働きの二馬力夫婦が一番強い」という話で、今の時代、豊かに暮らしていくためには、妻の労働力が必要なのかもしれません。

確かに、今の不確かな時代、男の収入だけで世帯を維持しようとするのは、難しいものがあるかも。

夫一人が頑張っていても、夫がリストラされれば家庭の収入ゼロに。でも、夫も妻も両方働いていれば、どちらかが仕事を失っても、家庭を維持し、夫が再就職して再起するまで時間を稼げます。

将来への保証という面でも、私たちの世代は、働き方、家族の在り方を見つめ直す必要があるのかもしれません。

本はこちら