格差の根本はやっぱりココ。『遺伝か、能力か、環境か、努力か、運なのか』を読む

世の中は最初から不平等。

橘木俊詔著『遺伝か、能力か、環境か、努力か、運なのか:人生は何で決まるのか 』(平凡社新書)の読書感想です。

スポンサーリンク

この本について

生まれによる格差は一体どこまで人生に影響するのか、遺伝、能力、環境、そして努力や運など、様々な視点をもとに論じている本。

現実的な話として学力の遺伝率は55%。容姿の良し悪しによる収入格差は男性18%、女性12%という話があって、生まれによる有利不利は否定できない現実。

そこで、どうすれば生まれながらの不利を克服すればいいのか、その打開策を探るのが本書のテーマ。

生まれは確かに様々なところに影響しているもの。しかしそれはすべてではない。本書を読めばそのことを実感できる内容になっています。

以下、本書の読書メモです。

はじめに(P12)

人は遺伝により、容姿や体力、知力、芸術センス、性格など、様々なものを親から引き継ぐ。

遺伝の力は大きいが、実際には環境や運など、人生には様々な要素が影響している。

大切なのは、遺伝で引き継いだもの、能力、環境、自助努力、今の自分の状態を冷静に認識して、自分に相応しい生き方を模索していくこと。

そうすれば新しい道が見つかる。

遺伝の役割(P16)

知能や容姿、身体能力、顔貌など、世代間で継承される現象を遺伝と言う。

シンガポールの政策(P61)

国家のなかには、「優れた人に子どもを産んでもらい国家の力を高めていく」という考え方のもと、優遇政策を実施している国もある。

例えばシンガポールでは、優秀な人を公務員に採用したり、優秀な労働力を確保するため、優れた移民を導入したり、積極的な政策を実施している。

また、優れた人には国が積極的に結婚を推奨し、子どもを産むように、国として政策を実施している。

生まれや育ちよりも重要なもの(P167)

物事を成し遂げるために能力や才能も大事だが、それ以上に大事なのが、忍耐力。

失敗にこりず、繰り返し何度も挑戦する。心が折れそうになっても前へ進んでいく忍耐力。それこそが、不可能を可能にする根源的な力となる。

この世で大きなことを成し遂げた一流の人は、忍耐力がとてつもなく高い。

かりに能力が人より劣っていても、強い忍耐力を持って努力をする。新しいことへ挑戦していく。だから彼らは、この世で大きなことを成し遂げることができた。

運もやっぱり実力のうち(P207)

俳優やスポーツ選手など、容姿や運動能力など、生まれつきの才能が必要とされる世界があるが、いくら生まれつき才能に恵まれていても、努力できなければ仕方がない。

努力しなければ運がつかめないので、いくら遺伝で素晴らしいものを持っていても、宝の持ち腐れになる可能性もある。

逆に、遺伝で恵まれなかったとしても、努力して運をつかめれば、逆転のチャンスだってある。

大切なのは行動すること。努力すること。もし失敗したとしても、決してくじけないこと。何が上手くいかなかったのかを冷静に分析し、失敗を繰り返さないこと。

そうすれば、運が巡ってくることだってある。

感想など

人生は生まれで決まるのか努力で決まるのか。もしスタート地点が最悪に不利だったら、将来はもうダメなのか。

そんな疑問に様々な視点から応えてくれる読み応えたっぷりの本。

この世に生まれ、誰もが早い段階で、「世界は平等ではない」ということに気がつきますが、本書を読めば、必ずしも生まれですべてが決まるわけではないことに気がつきます。

もし人よりも不利なスタートラインに立っていたとしても、人生は遺伝だけでなく、努力や運など、いろんな要素がかならんできます。

なので、本書を読んで素直に感じたのはこれ。

「今自分がいる環境で、自分ができることを、一生懸命頑張ること。今自分ができる努力をすること」

そんなことを実感した本でした。

本の購入はこちら

コメント