児童精神科医が説く子育ての秘訣。『子育てで一番大切なこと』を読む

なぜ子どもが3歳になるまでは絶対に子育て優先なのか。子育ての労をケチればどうなるのか。

そんな子育ての大切な話が分かるのがこちら。

杉山登志郎著『子育てで一番大切なこと 愛着形成と発達障害』(講談社現代新書)です。

この本について

本書は、子どもの精神ケアを専門とする精神科医である著者が、極めて冷静的+現実的な視点で子育てを語っている本。

様々な問題を抱えた子どもたちを見てきた著者だからこそ、分かる子育ての問題点。そして本当に大切なことは。

以下、本書の読書メモです。

エピジェネティクス(P16)

環境からの刺激によって、遺伝子のスイッチがオンになったりオフになったりする。これをエピジェネティクスという。

例)

母親が無理なダイエットをしてガリガリ、飢餓状態→子どもは飢餓に対応するために肥満になる

子育ての原則(P18)

子育ては完全ケース・バイ・ケース。一般的に良いと言われる教育法が自分の子どもに良いとは限らない。

なぜなら一番影響力が大きいのは子ども本人の気質。子どもの気質によって、教育法もその効果が変わってくる。

だから子育てはともかく手がかかる。

大切なポイント(P24)

子育てで大事なのは、子どもの発達段階に応じて適切な刺激を与えていくこと。

それによって、子どもの遺伝子がオンに入り、次の成長段階へと進むことができる。

子育てで大切な「安心」感(P33)

子どもの成長において最も重要なのが保護者との愛着形成。

子どもが3歳になるまでは、子どもに振り回される大人の存在が絶対必要。そして、子どもだけでなく、母親自体が安心して子育てできる環境が必要。

生物論から(P38)

生物は生き残っていくために目の前の環境に適応しようと変化を繰り返す。その結果、世の中では様々な生物が、それぞれの役目を果たして共生している。

世の中は多様性があるからこそ、生物は共存して、生きていくことができる。

親の因果が子に報う理由(P122)

親から子へ、一族のマイナスは子孫に受け継がれていく。

親から虐待を受けて育った子どもは、自分の子どもを虐待する。それは連鎖であり、誰かが断ち切らない限り、延々とその負が子孫にマイナスを与え続けていく。

大切な10か条(P237)

子育てで意識したい10のこと。

1・子どもの自然な生活を守る。しっかり睡眠をとらせる。

2・子どもの好奇心を大切にする。

3・子どもの脳を興奮させすぎないようにする。

4・子どもが安心して育てるように親がしっかり子どもを見守る。

5・子どもが3歳になるまでは子どもの成長が最優先。

6・子どもの多様性、個性を大切にする。

7・子どもにあった教育を選ぶ。

8・子どもに無理をさせない。

9・子どもがいじめられたりしないように守る。

10・社会全体で子どもを育てていく。

感想など

「医者と編集者の対話」という形式の本で、難しい話も分かりやすくそのポイントが理解できた本。

結局大切な本質とは愛着であって、きちんと愛着という基本があってこそ、子どもはのびのびと成長することができる。

その話が、特に印象に残っています。

医者のキャラがひねくれマンで斜に構え過ぎている印象はありますが、言っていることは非常に納得。

子育て云々関係なく、人がこの世の中で成長して生きていくことはどんなことなのか。じっくり考えることができます。

子育て、社会、教育。これらに関心をお持ちの方は、本書の話が「ピン!」と来るかも。

本の購入はこちら

コメント