低年齢化する介護の実態。『ヤングケアラー』の読書感想

ヤングケアラー―介護を担う子ども・若者の現実 (中公新書)

介護問題は大人だけの問題ではない!

澁谷智子著『ヤングケアラー 介護を担う子ども・若者の現実』(中公新書)の読書感想です。

この本について

家族の介護等をしているヤングケアラーの実像について書かれている本。

本書におけるヤングケアラーとは、

家族にケアを要する人がいるために、家事や家族の世話を行っている、18歳未満の子ども

P1

のことを指します。

彼らの家族が慢性的な病気、もしくは精神的な問題があるがために、18歳未満という、本来はサポートされる側である彼らが、逆にサポートする側になっている。

それによって一体どのような問題が生じているのか。そして、日本にはヤングケアラーがどれくらいいるのか。

この本を読むことで、ヤングケアラーの実態を理解しつつ、社会制度の問題について、理解を深めることができます。

感想など

高齢化社会の進行にともない、家族による介護の問題がクローズアップされている現代。

介護=高齢の親を現役世代が面倒を見る、というイメージがありますが、本書では、さらにエグい現実を真正面から提起。

これから未来がある若い人が、家族の介護によって潰されていくという、厳しい現実があることを、読者に提示しています。

本来は学齢期で、勉強や友だちづくりなど、学校での生活が基本であるにもかかわらず、親が病気であったり、精神的な問題によって子どもの世話ができない。

それによって、子どもは親を逆介護し、彼らがその後どうなるのか。

周囲から孤立し、その結果、進路そのものが極めて限定されてしまうという、実に不合理な現実がそこにあります。

本書は外国の状況など、様々なデータを参考にしつつ、日本のヤングケアラーの状況はどうなのか。客観的に理解できる内容になっています。

しかし、こういう本を読むと、本当に世の中は不平等である。その現実に決して目を背けてはいけない。

そのことを強く、実感させられます。

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