『ユニクロ対ZARA』の読書感想 – 二大ファストファッションブランドの比較

ユニクロ対ZARA

戦略は千差万別。

齊藤孝浩著『ユニクロ対ZARA』(日本経済新聞出版社)の読書感想です。

この本について

ユニクロ&ZARA、二大有名ファストファッションブランドを比較している本。

この本では、出店の考え方、服の製造から販売、人材の育成など、ユニクロとZARAの違いを比較。それぞれの会社の強さの秘密が分かる内容になっています。

以下、本書の読書メモです。

セルフ販売式の服屋という発想(P17)

ユニクロ出店以前のファッション販売は、年に数回来店する顧客に対して対面接客、接客員の力量が販売に影響していた。

それに対して、柳井社長は、誰もが気軽に入店でき、自由に商品を選び、気に入った服を購入できるセルフ販売式の洋服店を目指した。

それがユニクロの店作りの原点になった。

ユニクロ成功の3つのキーワード(P22)

ユニクロの功績は、ベーシックなカジュアル洋服の価格と品質の常識を変えたこと。ユニクロは、低価格のまま商品の品質を高め、顧客が得る価値を高めた

その成功の秘訣となったのが、次のキーワード。

1・絞り込みによる自社管理の徹底

→毎シーズン着るベーシックカジュアルに品揃えを特化。効率の良い価格にプライスポイントを絞り込んだ。

2・原材料準備を1年がかり、製販調整を週単位に

→商品企画は1年前から、製造販売調整と原価管理を週単位できめ細かく実施。

3・店長を商売人に育成

→店の店長を自分で考え商売ができるように教育、店長の裁量権を増やした。

ユニクロの逆算志向(P28)

ユニクロ流の目標実現のポイントは、目標達成のために未来から逆算して行動を決めること。

「こういう結果が欲しい、それを実現しているためには今これをしていく必要があるので、それをやる」という発想。

中長期の目標をかかげ、それを実現するために、今年来年、再来年、何をすべきかを具体的に提示し、現場に実行させている。

売れるものを作るZARA(P39)

ZARAの商品開発の基本は、顧客が着たいと思うものを作る顧客優先の発想。

従来、ヨーロッパのモードファッションは、デザイナーが作りたいものを作り、それを顧客が購入するというものだったが、ZARAは顧客のニーズを再優先にした。

サイズの違い(P61)

同じMサイズでも、ユニクロとZARAの服の大きさは違う。

ユニクロの服はJIS規格のサイズをもとに、多くの人が着られるよう、多少大きめに作ってある。奇をてらわず、シンプルなデザイン。それがユニクロの服。

一方、ZARAの服は、着る人を美しく見せるため、服が体にフィットするように作られている。シェイプにこだわり、流行、トレンドを上手く取り入れているのがZARAの服の特徴。

ZARAのライバルは百貨店?(P95)

ZARAのブランドコンセプトは、富裕層のものだったヨーロピアンモードのトレンドファッションを、低価格で多くの消費者に届けること。

百貨店で売られているような、おしゃれなデザイン性のある服を、安く早く多くの人に届けることを目標としている。

そのため、顧客に百貨店との使い分け先として百貨店の近くに出店している。

小売のユニクロと製造のZARA(P128)

小売出身のユニクロは、売れるときに売るという需要優先の考え方をする。一方、ZARAは、目先の売上を大事にしつつ、操業の安定など、最終的な利益を最重要視する。

それが、販売計画、商品開発管理などの違いとなっている。

ユニクロの店長育成方針(P139)

「名ばかり店長」からの脱却が、ユニクロの店長育成の特徴。

店長に裁量権を与え、店舗の棚割り、在庫の持ち方、集客のためのチラシ作りなど、店舗経営に店長に裁量が与えられるようになった。

店長が一人の商売人となり、売れる方法を追求していく。それがユニクロの利益につながっている。

商売人を育てるユニクロ、マーケッターを育てるZARA(P145)

ユニクロとZARA、人育成の考え方の違い。

ユニクロは店舗で売り逃しをしない商売人を育てる。ZARAは顧客が何を望んでいるのか、その商品情報をつかむマーケッターを育てる

感想など

ベーシックで無難な服のユニクロ、ちょっとおしゃれなZARA。

「同じファストファッションブランドでも考え方がぜんぜん違うんだなぁ」と勉強になった本。

ユニクロはキング・オブ・無難で、ニットとか、オーソドックスな定番品が多い印象があります。注意しないと人と被るのがネックですが、お得な価格で服が買える、その点ユニクロはすごいと思います。

ZARAは名前は知っているものの、行ったことがなくて、どんな服が売られていて、どれくらい長持ちするのか、品質はどうなのか、全く想像がつきませんが、この本を読んで、ちょっとZARAで服を見たくなりました。

定番のユニクロか流行のZARA、一つのブランドにこだわらず、ファストファッションブランドを使い分けると、そこそこお得に、ファッションを楽しめるかもしれませんね。

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