人生で訪れる転機をどのように乗り越え、ピンチをチャンスに変えていくか?変化に適応していくための考え方を学べる本『トランジション』の読書感想です。
『トランジション』について
本書はキャリア開発の分野で有名だという著者がいかに変化のときを乗り越えていくか?「人生の転機」との向き合い方を学べる本です。
結論から言ってどれだけ安定した人生を希望しようとも人生には必ず転機や節目がやって来る。運命を分けるのはそのときの行動次第。変化を恐れず、変化に適応していくことの大切さを理解することができます。
以下、本書の読書メモです。
人生には変化するタイミングがある(P18)
生物には成長する時期や停滞して動かない時期など、様々なトランジションがある。それらが起こるタイミングには周期性がある。
その波を理解し自分をあわせていくことが過渡期の乗り越え方というのが本書の考え方。例えば頑張れないときに無理しない事も変化に適応するための方法。
「始まり」と「終わり」はセット(P33)
物事には必ず「始まり」と「終わり」がある。それらはセット。つまり何かの始まりはそれまでの終わりであり、何かの終わりは新しい何かの始まり。
人生で起こるパターン(P67)
人生には一定のパターンがある。
・危機的な状況に何度か陥るとき
・勢いがあるときと勢いが衰えるとき
・変化していくときと安定しているとき
人の一生には「この時期はこうなります」というパターンがある。大切なのは今訪れているパターンに気づきそれに適した行動をすること。
人間関係にも転機あり(P102)
夫婦関係といった人間関係は、当時者にとってそれぞれ必要な役割を提示する。役割に基づき2人はパターンを演じ、役割を変え変化の中でそれぞれが必要なことを学んでいる。
自分にとって本当に価値があることを追いかける(P118)
社会的・経済的な成功など「目に見える」分かりやすい成功の追求が本当に大切な人生を送るのをさまたげることがある。
富や名声を追いかけることによって、自分が何者なのか?本当にしたいことは何なのか?自分の心の声を置き去りにしてしまう傾向があるのは一つのパターン。
必要なくなったものを捨てる意味(P130)
人生のトランジション(転機)が訪れたときに大切なのはもはや不要となったものをいさぎよく手放していく積極性。
転機が訪れた=今までの在り方が終わりを迎えたこと。今までと同じことを続けるのではなく新しい在り方を探し始めなさい、というのが人生で転機がやって来た本質。
人生の転機でしたいこと(P211)
人生の転機が訪れたらしたいこの一つ。それはそれまでの人生を振り返り整理すること。
・それまでの人生でしてきたこと
・自分の人生でどのような意味を持った出来事
等を内省。それまでの生き方を整理することによって「これからどう生きるか?」が見えてくる。
人生を後悔しない質問(P216)
人生を後悔しないための重要な質問が「今自分の人生が終わったら心残りになることは何か?」。日々この質問を自分にすることで、やり残すことがないように生きる。
過程を楽しむ(P247)
大切なのは何か目標を達成するのではなく、人生の過程そのもの。何を得たのではなく、何を経験し、どのように生きたか?本当に大切にすべきなのは生きていく過程そのもの。
目標が達成されたor失敗したで物事の価値を決めてはいけない。行動したことは間違いではないから。
最後に
人生で訪れる転機をテーマに「一つの終わりは新しい始まり」という考え方が印象深かった本。
結局のところ人生は栄枯盛衰・諸行無常。常に何かが変わり続けるこの世界で変わらないことを求めることそれ自体が意味を成さないことが分かります。
となれば答えは一つですが本書を読めば大丈夫。人生はいつでも新しく始めることができることが分かります。