「自分の道は自分で切り拓く!」というあなたへ送る一冊。
岡崎太郎著『夢は、無計画のほうが実現する』(梧桐書院)の読書感想です。
この本について
裸一貫、実力主義でのし上がってきた著者による自己啓発書。
学歴がなくてもコネがなくても人生は自分次第。意志と努力で道が拓けることが実感できる一冊となっています。
以下、本書の読書メモです。
貯金について(P79)
若いうちに貯金をすることは、長い目で見ると損をする。
20代の頃など若いときは、将来のことなど心配せず、自分がしたいこと、学びたいこと、体験したいことにお金を使う。
20代で使ったお金が、30代40代で生きてくる。だから可能性に溢れている若いときこそ、まずは自分自身に投資して、お金を使うことが大切。
貯金など、もっと稼げるようになってからすれば十分。
人生で迷ったときは(P98)
人生で迷ったときは、一番難しい、面倒な道へ進む。無難な道へ進んでも人生面白くないし、たいして得られるものがない。
困難を避けず、むしろ自分から困難な道へ行く。それによって一皮向けることができるし、得られるものもたくさんある。
六邪について(P120)
「人生でこんな人間には注意せよ」という教え。
1・見臣(けんじん)
仕事を頑張るわけでもなく、ひたすら周囲の空気を読み組織で生き残ろうとする人間。
2・諛臣(ゆじん)
おべっかばかり使ってごまをするイエスマン。
3・姦臣(かんじん)
本心は邪悪なのにそれを隠し、口上手で陰険に周囲を操作しようとする人間。
4・讒臣(ざんじん)
ペラペラの弁舌で自分の非を誤魔化す人間。
5・賊臣(ぞくじん)
権勢をほしいままにして自分の都合の良いように何もかも決めようとする自己中人間。
6・亡国の臣(ぼうこくのじん)
主人にへつらいつつ、主人の悪を広め、主人の敵を作る人間。
人生で忘れてはいけないこと(P140)
そもそも人生は一度きり。
楽して生きたいのは人情だけれど、安易に楽を選ぶより、ちょっとの苦を選び、自分の成長を楽しむ。
安全安心な人生は楽だけど退屈。山あり谷ありの方が絶対に楽しい。
こんな人とは距離を置く(P169)
なんでもかんでも口をはさみアドバイスをしてくる。そんな人間とは距離を置く。他人の下手なアドバイスは聞くだけムダ。
あれこれ干渉せず他人の自主性を尊重できる、そんな人と付き合うべし。
会社の選び方(P177)
もし就職先を探そうとするなら、社長を見て会社を選ぶのが良い。
そしてできるなら社長に、次の3つについて質問する。これによって、社長が社員についてどう考えているか、就職して良い会社かどうかを見分けることができる。
1・社長の給料はいくらか?
→ストレートに答えてくれる社長は大物。
2・社長の志は?
→すぐに答えられる社長は明確なビジョンがある。
3・実力給や成果報酬の考え方は?
→すぐに答えられない社長はダメ。「社員は(社長のために)だまって安い給料で働けばいい」と考えている可能性あり。「経営者視点を持て!」と社員にハッパをかける社長は論外。
出会いについて(P195)
出会いには、
1・キーマンからの紹介で知り合う出会い
2・全く偶然の出会い
この2種類がある。
基本的に、出会いは自分から動かないとやってこない。待っているだけで誰かと出会えるのは稀なので、出会いを求めるなら、自分から行動していく。
憧れの人物像とは(P219)
人はそれぞれ、「○○さんのようになりたい」という憧れの人物がいる。その憧れの人物とはずばり、自分に欠落しているものを持っている人。
自分が憧れる人をよくよく観察すれば、そこに自分が持っていない何かを持っている人であることが分かる。
感想など
「若いときに貯金はするな!」「こんな会社はやめとけ!」など直球ストレートなメッセージが印象的な自己啓発書。
本屋巡りをしているとき偶然見かけ、タイトルが気になって読んでみましたが、完全実力主義的というか、「自分の道は自分で切り拓け」的なメッセージが熱いです。
個人的に特に印象深かったのは貯金についての話。
「20代に貯金することが長い目でみるといかに人生損をしているか」という話がありましたが、個人的にこの考え方は本当にそうだと思います。
若いときに身銭を切っていろんなことを経験しておく。そこから得られるものは本当に無尽蔵でプライスレス。それが30代40代、自分の人生で形を変えて戻ってきます。
もちろん最低限の貯金は必要ですが、結局、お金なんていくら貯めていても、「これだけあれば安心できる」ということはありません。
それなら貯金に走る代わりに、未来、いつまでも稼げる自分のためにお金を使う。この考え方はとても納得できます。
考え方はいろいろありますが、問題は何のためにお金を稼ぐか。それを考えることは働くこと、生きることにもつながっていきます。
こんな感じで、仕事、お金、そして人生、いろいろ考える材料になりました。自分の暮らしを振り替えつつ、より良い未来を見つけていく。
20代の方なら、この本を読めば、いろいろ響くものがあると思います。