『これ、いったいどうやったら売れるんですか?』の読書感想 – 売れるものと売れないもの、違いは一体どこにある?

これ、いったいどうやったら売れるんですか? 身近な疑問からはじめるマーケティング (SB新書)

8つの話から学ぶマーケティング超入門。

永井孝尚著『これ、いったいどうやったら売れるんですか?身近な疑問からはじめるマーケティング』(SB新書)の読書感想です。

この本について

「腕時計をする人は少ないのになぜ腕時計のCMは増えているのか?」など、身近な事例をもとに、マーケティング知識を分かりやすく学べる本。

マーケティングとはどんなものなのか、その知識を具体的にどう生かせばいいのか、面白くてためになる話が満載です。

以下、本書の読書メモです。

コモディティ化とは(P14)

かつては人々が欲しがっていたものの価値がいつの間にか当たり前になって、その価値が失われてしまうことをコモディティ化と言う。

コモディティ化はいわば、オワコンの状態であり、商売の世界では、このコモディティ化があらゆるところで起こっている。

コモディティ化が起これば、それまでお金を払って買ってくれていた人がお金を払らわなくなり、商売はどんどん先細っていく。

お金を払う価値を生み出す(P21)

コモディティ化に対抗するためには、独自の価値、すなわちお金を払ってもいい理由を作ること。

他の商品と一体どこが違うのか、わざわざお金を払う理由はあるのか。

これらの疑問を解決し、他との違いを明確にし、その商品にしかない独自の価値を生み出すことによって、コモディティ化に対抗することができる。

レッドオーシャンとブルーオーシャン(P27)

コモディティ化によってライバル同士の競争が激化している市場をレッドオーシャンと言う。

レッドオーシャンではライバルが身を削って争いを続けているが、過当競争になっているため、労力と利益が割りに合っていない。

一方、ライバルがいない独占的な市場のことをブルーオーシャンと言う。

ブルーオーシャンはライバルのいない未開拓の市場であり、ブルーオシャンを発見することができれば、一人勝ちできる。

認知的不協和音を解消する(P36)

高いものを買った人ほど、「本当に買ってよかったのか?」という不安を抱えている。

大金を払ったあと、ほかにも良い商品があったのかもしれないと不安になってしまう。この現象を認知的不協和音の解消と言う。

人は自分の行為を正当化したがる生き物で、「自分のしたことは間違っていなかった」と納得したがる。

売る側に立つときは、このような消費者の心理を理解して、商売に生かすことが大切。

お客さんの種類(P46)

お客さんと一口にいっても、色々種類がある。大まかな分類はこちら。

1・潜在客

→顧客になってくれる可能性があるお客さん。

2・見込み客

→商品に興味を持ち、購入を検討しているお客さん。

3・新規顧客

→初めて商品を買ってくれたお客さん。

4・リピーター

→商品を気に入ってリピート購入してくれたお客さん。何度も自社から買ってくれるお客さんがひいき客となり、ブランド信者客となる。

顧客満足度とブランド(P52)

ブランドを生み出しているのが顧客満足度。

商品を気に入って、そこに大きな価値を意味出してくれるお客さんが、商品にブランド価値を見出し、信奉してくれる。

お客さんのいいなりにはならない(P77)

お客さんの意見を鵜呑みにするのはダメ。

何のための商品か、対象ユーザーは誰なのか、ぜったいのこだわりは何なのか、商品コンセプトの根幹だけは、お客さんから何を言われようと絶対にブレてはダメ。

セブンイレブンの戦略(P114)

セブンイレブンの店舗経営戦略について。

セブンイレブンは、広域に分散出店せず、地域を絞って、集中的に店舗を展開している(ドミナント方式)。

広域をカバーしようと分散して店舗を出店すると、商品配送の手間がかかり、おまけに配送中の商品の鮮度が下がってしまう。

しかし、店舗を一定の地域に集中させれば、配送が楽だし、その地域はセブンイレブンだらけになるので、お客さんの認知度、利用度も高くなる。

少ない労力でできる限り大きな効果を得ようとする。これぞビジネス成功の考え方。

弱者の戦略(P120)

世の中には、強大な力を持った強者と、吹けば飛ぶような弱者がいる。

弱者が強者の戦い方を真似ても、絶対に勝つことはできない。しかし弱者には弱者の戦い方がある。弱者でも上手く戦えば、生き残ることができる。

弱者の戦略の大原則はこの通り。

・局地戦で戦う(=一大決戦を挑んではいけない)

・得意技で戦う(=強みを生かす)

・接近戦で戦う(=お客さんと密着する)

気になる人の気を惹くには(P144)

人と仲良くなる。そのためにはまず、相手が気になっていること、興味を持っていることを理解すること。そして、何をすれば相手と話すきっかけをつくれるかを考える。

必ずしも成功するとは限らないが、何回もチャレンジすることで、どれかは当たる。

プロモーションも同じで、お客さんが興味を持つきっかけを作り、お客さんと商品の関わりを深めていくことが大切。

感想など

時計の話とかベンツの話とかを例に、「マーケティングとはこういうものなのか」と勉強になった本。

モノの売り方にはいろいろな方法があって、人がモノを買う、その裏には確固たる戦略というか、仕掛けがあるんだなと納得。

個人的に印象的だったのは、コモディティ化とブルーオシャン、弱者の戦略の話。

これらはマーケティングの知識ですが、

・コモディティ化

→代替可能な人財にならない。代替可能な仕事をしない。自分しかできない仕事をする。

・ブルーオーシャン

→皆が争っている場所には参入しない。競争は少ない、しかしニーズがある場所を探す。

・弱者の戦略

→強い者と同じ戦い方はしない。自分が弱者なら、絶対に勝てる場所(ブルーオーシャン)を見つけ、そこで優位性を築く。

という具合、人生のあらゆる場面で応用できる汎用性が高い知識だと思います。

特に今の時代、弱者の戦略はとても大切だと思います。

自分がどの場所で戦ったら、どうやって戦ったら勝てるか。そこを冷静に見極め、そしてタイミングとチャンスを見計らって乾坤一擲の一手を放つ。

自分のスペックを見極め、それを最大限生かせる方法を探す。こんなふうに考えていくと、マーケティングの話って実用的。面白いですね。

ものを売るだけでなく仕事や人生にも役立つ、そんなマーケティングの奥深さが学べた本でした。

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