「やりがい」のある働き方をするために知っておきたいこと。
田尾雅夫著『モチベーション・アップ法 』(PHP研究所)の読書感想です。
この本について
仕事とモチベーションアップの方法を分かりやすく学べる本。
「やる気を高めて仕事を頑張っていくにはどうすればいいか?」
「モチベーション・ダウンで心折れないためにはどうすればいいか?」
など、心理学を根拠にしたアドバイスが満載の内容になっています。
以下、本書の読書メモです。
はじめに、モチベーションとは(P14)
モチベーションは動機付けのこと。
何か欲しいもの、成し遂げたいことがあって、それを達成するための意欲をモチベーションと言う。
働かないということ(P21)
働かない、無職であるということは、お金(収入)などの生きていく糧を得られないだけでなく、自分を生かす場所をが得られないということ。
働かないことは生きがいの喪失。寂しい人生の原因になる。
生きていくためのモチベーションの考え方(P23)
やる気に支えられて生きていくためには、
1・太く短く生きる。
2・細く長く生きる。
この2通りの考え方がある。
青い鳥を探してやる気を燃焼させて生きるか、それともつまらないこともほどほどに、必要なだけやる気を出してまったり頑張るか。
やる気を出して生きていくにもいろんな方法がある。
ダメ社員の役割(P40)
どの組織でも2対6対2の法則が発動する。
社員10人のうち2人が一生懸命働き、6人が普通に頑張る。そして残りの2人が全然働かない。
どんな組織にも、箸にも棒にもかからないダメ社員が生まれる。
彼らを働かせようという考え方もあるが、一定の割合でダメ社員がいるのは、組織が健全性を保つ上で、意味があることなのかもしれない。
モチベーションを高めるために(P53)
モチベーションを上げるための3つのルール。
1・目標が明確であること。
2・納得できる目標であること。
3・達成可能な目標であること。
内発性と外発性(P65)
モチベーションには内発性と外発性、二種類ある。
内発性は「自分から頑張ろう!」と思うもの。外発性は外部からの刺激(お金、人など)によるもの。
内発性と外発性、モチベーションの内容によって、やる気、意欲等の動き方、発揮の仕方が変わってくる。
無視できない人の気質(P98)
人にはその人を内部から支えている気質がある。
気質は変えようのない人の本質的なもの。気質を無視した選択は人生を不幸にする原因になる。
内向的な人はやっぱり内向的だし、外交的な人は外交的。気質に合う仕事を選ぶことが一番。気質に合う仕事の方が、モチベーションを発揮しやすい。
人相手の仕事は疲れる(P133)
誰でも、人相手の仕事は疲れる。
人を相手にするときは、自分という人格の外に、相手に迎合するための人格を作る。それによって、合わない人でも、上手く合わすことができる。
しかし、それはとても疲れること。自分とは違う人格を演じ続けることは負担が大きい。たくさんのエネルギーが必要。
対人サービスの難しさ(P142)
人相手の仕事は完全なマニュアル対応ができない。
人には感情があり、感情によって、同じ対応でも上手くいくときいかないときがあるので、一筋縄にはいかない。
良かれと思ってしたことが悪くとられたり、気持ちをこめて対応したのに怒られたり、人相手のサービスは難しい。
だから、人相手の仕事の職業の人は病んだり、バーンアウトになりやすい。
人からどう見られているかを意識すること(P156)
人と仕事をするときに意識しておきたいのは、「自分が相手にどう見られているか」ということ。
人は印象によって態度や対応が変わってくる。悪い印象を持たれると、のちのち苦労する。
嫌いなやつとは上手くいかない(P162)
結局、人には相性がある。
嫌いな人、好きになれない人は、ある程度の努力で何とかなる部分もあるかもしれないが、やはり難しいものがある。
最初の印象は案外正しくて、「こいつは嫌なやつだ」と思った人と無理に付き合うのは難しいし、良いことも少ない。
人間関係、無理なことは無理と、ある程度割りきった方がいい。
「オレオレオレ」の人は遠ざける(P165)
人間関係は互恵関係が基本。
一方だけがメリットを受け、一方が損をする関係は長く続かない。お互いイコール、与え合う関係が長続きする。
与えっぱなしorもらいぱっなしではダメ。自分だけもらうとする人には手抜きして、適当に対応する。
バーンアウトについて(P181)
燃え尽き症候群について。
理想を持ち、真面目にコツコツ進んでいく人ほど、バーンアウトの罠に陥りやすい。理想が高いがゆえ、理不尽な現実を目の当たりにすると、心が折れてしまいやすい。
理想を持つのはいいが、世の中は灰色、白黒はっきり区別をつけず、多少の柔軟性が必要。理想主義者は要注意。
細く長くが続く(P224)
世の中、何事も自分の思い通りにいくとは限らない。
ガンガン努力して頑張ったことが全然ダメなこともあるし、ほどほど続けていたことが、大きな収穫をもたらすこともある。
大切なのは心折れず、続けること。気張りすぎず頑張りすぎず、細く長く続けていくことが大切。
人の器について(P227)
人にはそれぞれ相応しい器がある。
自分のことを過大評価して、必要以上の地位を目指すと、それが周囲だけでなく、自分自身を不幸にする。
果てしない名誉欲にとらわれ晩節を汚す人がいるが、それは自分の器を超えたものを手に入れようとするから。
どんなときも、「自分はこれくらいだ」という謙虚さ、冷静な判断力を失わないこと。
得意なこと、苦手なことを区別して、勝てる場所、できることだけ勝負をする。挑戦するなら、勝てる見込みがあることを選ぶ。
若いうちは若気の至りで負け戦をしてもいい。それが学びになる。しかし、ある程度の年齢に達したら、勝てない戦いはしない。
若いときは再起のチャンスがあるが、年を取ったら負け戦が致命傷になる。戦うときは老練さと慎重さを持つこと。
諦めるということ(P235)
何が何でも頑張る、そんな高度経済成長の価値観も大切。
しかし、世の中複雑になり、頑張れば報われる時代が終わりつつある。
今や、頑張っても報われないこともある時代になった。そこで、「これ以上頑張っても報われないな」と判断したら、すぐにやめてしまうという判断も必要。
早めに撤退すれば、労力を保存でき、可能性のあることに力を注げる。今の時代、ムダな努力はしない方がいい。
何かに挑戦するなら、努力が報われるかどうかを判断、ダメなら早めの損切りが必要。
感想など
「仕事頑張ろう、これから○○を達成しよう!」
前向きな行動を起すために必要なのがモチベーション。
自分がどんなときやる気になって、どんなときにやる気を失うか、それを理解しておくことは、仕事だけでなく、人生の豊かさに影響する重要なもの。
やる気が高まれば、仕事でも人間関係でも、前向きに頑張ることができますが、やる気がないときは頑張ってもなかなか上手くいかず、結果も残念なものに。
だからこそ、自分で自分のやる気を高めるノウハウが必要なのかも。
「こういうとき自分はやる気になる!」というポイントを押さえ、自分で自分を叱咤激励したいものです。
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