モンスター化する人々の心の奥底にあるものとは?『自己愛モンスター』の読書感想

(085)自己愛モンスター: 「認められたい」という病 (ポプラ新書)

I・Me・Mineの人の心をほんの少しだけのぞいてみると。

片田珠美著『自己愛モンスター「認められたい」という病』(ポプラ新書)の読書感想です。

この本について

世の中にいる「私・私」とモンスター化してしまう人々の心理を読み解く本。

この本を読めば、どこにでもいる自己中・自己愛過度な人の気持ちと心理が分かるかも。

以下、本書の読書メモです。

欲望が生まれる原因(P16)

欲しくなるもの=自分に欠けているもの、欠如しているもの。自分に欠けている、「足りていない」という感覚が欲望を生み出す。

過去の自分と今の自分を比較する(P19)

欠乏感を補う方法の一つは、欠乏感を他のもので代理したり、昔と今の自分を比較することで解消できることもある。昔より今が良くなっていれば、多くの場合満足できる。

欲望を分散させる(P24)

人間関係が狭い、興味の幅が狭い、好きなことが少ない。そういう場合、自分の欲望が満たされないと、それが歪んでしまい、モンスター化してしまう危険がある。

いろんなことに興味を持ち、人間関係も幅広い人は、「あれがダメでもこれがある」というように、気持ちに余裕がある。

欲望の虜になり、モンスター化しないために、興味関心人間関係は幅広く持つ。一つの世界だけに依存しない。

防衛機制について(P36)

人には、自分の心が傷つかないようにするための仕組みが備わっている。それが防衛機制と呼ばれるもの。

防衛機制には次の3つのパターンがある。

・実現できない欲望を他で埋め合わすことで満たす代償機制

・もっともらしい理由をつける逃避機制

・何かを攻撃して欲求不満を解消する攻撃機制

怒りの連鎖(P87)

怒りは上から下、立場の強いものから立場の弱いものへ連鎖する。ストレスのかかる職場では、この怒りの連鎖が起きやすい。

感想など

人の心は難しいな、と思う本。

寂しい、認めてほしい、そういう気持ちが人を暴力的にさせたり、異常クレーマーにさせたり。「足りない」という欠乏感が人生をダメにしてしまうものなのかもしれません。

まぁ、世の中思い通りにならないことがたくさんあります。

したいと思ってもできないこと、欲しいと思っても手に入らないもの。そういうモヤモヤを抱えて、きっと誰もが暮らしているのかもしれませんが、だからこそ、自分の欲望、欠乏感とどこかで折り合いをつける必要があるのかも。

でも、欲が人を成長させることがあるのも事実。「俺にはこれが足りない、だから頑張ろう」というような、ポジティブな側面もあるはず。

「足るを知る」ことも大切なのかもしれませんが、出家僧のように、欲を否定するのも極端。

できることできないことを経験し、得られたもので満足していく、そういうバランスの良い在り方を目指したいものです。

本の購入はこちら