相手の本音を見抜くのに超能力は不要。必要なのは観察力。
トルステン・ハーフェナー著『とっさのしぐさで本音を見抜く』(サンマーク出版)の読書感想です。
この本について
ドイツ出身のメンタリスト(?)による、動作やしぐさで人の感情&思考判断する方法が学べる本。顔の表情、言動、クセ。人の本心を見抜くにはここに着目!
以下、本書の読書メモです。
動きを見れば家庭の力関係が分かる(P5)
人は、強いもののしぐさを真似る習慣がある。動き、しぐさを見ることで、グループ内、誰が力を持っているかを判断することができる。
例えば家族の力関係。家族内で誰が最初に動くのかに着目、それによって家族のヒエラルキーが分かる。
人は嘘をつける、しかし(P25)
人は嘘をつくことができるが、体にそれを出さないようにするのはかなり難しい。
言葉で嘘をつけても、体の動きは嘘をつかない。人の本心を判断するには、言葉だけでなく、体の動きにも注目する。
本音を見抜くために(P27)
人は言葉だけでなく、体全体を使ってコミュニケーションをしている。感情→動作→言葉という順番で動きが現れる。
言葉には嘘が現れるが、動作には本音が出る。相手の本音を見抜きたい場合、言葉の前の動作に注目する。
自分はどう思われているか(P29)
人から自分がどう思われているのかを見抜く5つの方法。
1・表情から感情を見抜く
→目、鼻、口などにその時の感情が表れやすい。
2・手の動きを見る
→手の動きと脳内の言葉を話す部分はつながっている。つまり、手の動きは話すことと手の動きには密接な関係がある。
3・歩き方で心の状態を察知する
→歩く姿勢、椅子に座るときの状態で、人の心理が分かる。
4・距離で好悪を判断する
→人は好感を持つ人には近づき、そうでない人からは遠ざかる。
5・服装で自我を見抜く
→服、アクセサリー=どんな人間に見られたいかの選択。服装によって人は「私はこんな人間です」という情報を伝えている。
気弱になったら姿勢・動きを変える(P72)
弱気、内気な気持ちは体を縮めてしまう。弱気なとき、気持ちが弱くなっているときは、まず姿勢を変える。肩、体を大きく広げ、意図的にスペースを広げる。
嘘つきを見抜くポイント(P98)
嘘をつく人はいろんな行動が「増える」。手の動き、目の動き、顔を触る回数の動きが「増える」。行動の変化で嘘つきを見抜く。
ミラーリングのコツ(P147)
相手のしぐさを意図的に真似て一体感を作るミラーリングの技法。上手くいけば効果的だが、下手をすると相手にバレて、逆効果になってしまう。
ミラーリングのコツとしては、全て相手の真似をするのではなく、相手の動作をワンテンポずらして真似たり、微妙に動作を変えること。
相手が体のどこかを触ったら、同じ場所ではなく、違う場所を触ったり、一工夫すること。
長く続く夫婦(P155)
一生を付き添い合うような相性の良い夫婦は、互いの動き、テンポが合っている。動くスピード、呼吸するテンポ、動きがツーカーで見事に合っている。
逆に言うと、テンポの合わない人や一体感がない人は相性が悪い人なのかもしれない。
離婚する夫婦5つのサイン(P172)
離婚する可能性が高い夫婦の5つのサイン。
1・相手を繰り返し批判をする
→相手の人格否定、人格攻撃的な言動が出ればかなりの危険サイン。
2・相手のせいにする
けんかをしたとき、相手に責任をなすりつけようとする言動は要注意のサイン。
3・壁を作り会話を拒絶する
→相手が黙りこみ、会話自体ができなくなる。これは「あなたとはもう対話したくない」という意思表示。
4・軽蔑のしぐさを示す
→皮肉気に笑う、相手をバカにする、これは最も危険なサイン。
5・自分の立場だけ守ろうとする
→互いが張り合って、「俺は俺、お前は好きにしろ」的な言動をする。
新しい職場で早く馴染むテクニック(P211)
人は自分と同じような人に好感を持つ。この特性を利用すると、新しい環境も、比較的スムーズに溶け込むことができる。
新しい人間関係の場に参加するときは、そこの人たちがどんな服装をしているのかに着目、それに合わせた服装をする。周りと同じような服装をすれば、比較的好感を得やすい。
感想など
心理学(?)の知見に基づく人間の本心判断法が勉強になる本。
人の本心を見抜くのはなかなか難しくて、人間関係で「空気」を読み間違えると、とんでもない難しい状況に陥ってしまうことも。
でも、多少なりとも人のこと、人の本心を見抜くことができれば、人との余計なトラブルも避けることができます。
また、お近づきになりたい人がこちらに好感を持っているかいないのかも、言葉不要で判断できるはず。
いずれにせよ、大切なのは人のことを良く見ること。人の本心を見抜くためには観察眼を磨く必要がありそうです。