人生で成功したければお金の使い方を変える?
午堂登紀雄著『お金の流れを呼び寄せる 頭のいいお金の使い方』(日本実業出版社)の読書感想です。
この本について
『33歳で資産3億円をつくった私の方法』で有名な著者による、お金の使い方論。
一般的に、お金はムダ遣いせず、コツコツ貯めていくことが大切だと考えられていますが、この本では、お金をいかに効果的に使うかに焦点を当てて、お金との付き合い方を考えさせられる内容になっています。
以下、本書の読書メモです。
お金のと品性(はじめに)
差が出るのは、稼いだお金の金額ではなく、使い方。
お金の使い方には全人格が出る。器の大きさ、人間性が、お金の使い方に現れる。
→その人を見極めるならお金の使い方を観察する。
生活が不安?それなら(P26)
リストラや生活苦、お金の不安が強い現代だからこそ、節約志向に走らず、お金を使い、稼げる自分を作ることに意識を向ける。
お金を使って自己投資、収入を増やす方向で頑張る。
お金を使うときの原則(P29)
お金を使う=投資活動。
お金を使うことで、どんなリターンが期待できるのか、相手や自分にとってどんなメリットがあるのかを考えてお金を使う。
興味があることにはどんどんお金を使う(P48)
お金を生き金にするためには、興味があることにお金を使って、それを周囲の人に情報発信すること。
サービス、旅行、したいことを経験し、その体験を人に伝える。お金を使って周囲に貢献すれば、それが巡り巡って自分のところへ返ってくる。
自分のことだけでなく相手のメリットも(P57)
投資にしろ人間関係にしろ、自分のことだけ考えている人は上手くいかない。
原則はギブ&ギブ。何かを欲するならまず自分から与えること。こちらから与えないと、リターンは期待できない。
自己投資は収入の半分でOK(P60)
投資のなかでも一番確実にリターンが期待できるのが、自己投資。
自分磨きへの投資は、課税されず、モノのように、古くなったり減ることはない。しかも、自分を使えば使うほど良くなる。
収入を増やしたいなら、何より自分磨きのための投資が必要。
一般的に、自己投資は収入の10%と言われるが、収入の半分くらい、しっかり自己投資にお金を使った方がいい。
20代の貯金は堅実、しかし(P65)
20代からコツコツお金を貯めることで、確実にお金は増えていく。しかし、その代償として失うものがあることも知っておく。
お金をコツコツ貯めることは、自分の将来を信じ切れず不安だから。
20代からお金を貯めることで、小金はたまるが、様々な人生経験、お金を使って経験できるいろんなチャンスを失っているということは知っておいた方がいい。
大切なのは、不安から貯金に走るのではなく、30代になっても、40代になっても、稼げる自分のためにお金を使う。
20代の頃経験したこと、自己投資したお金は、いつか、その使い道の意味が分かる。
※備考
角田光代さんの『しあわせのねだん』でも同じようなことが書いてありました。お金の使い道が将来の自分を作るというのは、確かにそうなのかもしれません。
自己投資の際はモノよりも体験を重視する(P67)
自己投資で大切なのは、高いものを買うことではなく、経験や体験にお金を使うこと。
行ったことのない場所、一流のレストランや高級ホテル、今まで経験したことがないことにお金を使い、経験したことから何を感じるのかを意識する。
新しい経験が蓄積されていくことで、自分にしかできない発想が生まれる。だから、経験に投資をすることに価値がある。
こだわるものには一流品を買う(P140)
趣味で本気になれることは、道具に一流品を購入する。
一流品を買うことで、こだわりが生まれ、本気度も高まる。安物を使っていては、意識はそこまで。一流のものには必ず理由がある。
本気で取り組む趣味の道具は、一流品を選んで、大切に使う。
子どもの教育で大切なこと(P175)
子どもへの教育で大切なのは、子どもに知識を与えることではない。
いろいろな経験を与え、自分の体で感じさせ、考え判断させるという体験を与えること。モノで甘やかすよりも、いろんな体験をさせるのが子どもの将来に役に立つ。
子どもの格差は親の格差(P182)
現代の子どもの格差の本質は、親の意識格差。親の考えや口癖、価値観は子どもに伝染する。
親が貧乏な言動をしていると、それが子どもに影響する。親が子どもにかける言葉で、子どもの価値観や考え方が決まっていく。
感想など
お金は貯めるだけでなく使い方を考えること。
そのことの大切さが理解できる本。お金は貯めているだけではただの数字。それは確かに、一種の安心感をもたらしてくれるものかもしれません。
しかし、お金は使ってこそ、その意味を実感できるもの。良いお金の使い方ができれば、一度切りの人生を豊かにするための、良い使い方ができます。
お金を貯めて、堅実にやっていくことも大切かもしれませんが、必要なこと、したいことにはケチらずお金を使う。そんな、自分なりのお金哲学を持つことが大切なのかも。
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