人生にはうまくいく考え方と、うまくいかない考え方がある。
『渡部昇一の思考の方法』(海竜社)の読書感想です。
この本について
人生で幸運をつかみ成功をつかむ人は一体どんな考え方をしているのか。この本で分かりやすく理解することができます。
以下、本書の読書メモです。
不満が教えてくれること(P22)
今の人生が気に食わなくなったときは、今どんな不満を自分が持っているのかを具体的にする。
そして、過去の自分が持っていた不満を思い出し、今と過去の不満を比較する。
それによって、自分が前進しているのか。もしくは後退しているのか。自分の現状を正確に把握できる。
先送りは最大の悪手(P30)
重大な問題を先送りして、今すぐ解決しようとしない。それは結局高くつく。
問題はいくら先送りしても何とかなるものではない。むしろ、先に伸ばそうとすればするほど、状況はますます悪くなっていく。
つまり、決断の先送りはろくな結果にならない。
プライドを持つ(P53)
人生卑屈に生きるよりも高慢な方がまだまし。
謙虚さは美徳だが、謙虚が行き過ぎると卑屈になる。それならむしろ、生意気だろうが何だろうが、プライドを持っている方がいい。
30代40代で一つの区切りをつける(P73)
人生で成功を目指すのであれば、30代。遅くとも40代のうち、1つ大きな自分の実績を作る。
実績を作ることで、「専門分野で結果を出している」という自信を持つことができる。その自信をもとに、専門外の分野にも興味を持ち、次の一手を模索していく。
こうすることで、どんどん自分の業績を広げていくことができる。
運が悪いときの考え方(P90)
運が悪いときに考えたいのは、どうすればこの状況を防げたか、ということ。つまり自分に何らかの原因がなかったか。その点について、誠実に反省すること。
運は必ずしも自分のせいではないが、「自分にも悪いところがあったかもしれない」と考えることで、不運を成長のチャンスに変えることができる。
洗脳されないための心得(P101)
世の中にはいろんな思想があるが、どの思想も必ず、良いところと悪いところがある。
この意味で、一つの思想にのめり込むことは、「私を洗脳してください」と言っているようなもので、とても危険なこと。
大切なのは、どんな思想も一長一短なのだから、絶対に無批判にならないこと。主張を客観的に見つめ、良い面、悪い面を認識すること。
何かの思想に夢中になるときは必ずそのことを思い出し、その主張の良いところだけでなく、矛盾や間違ったところに目を背けない。
これがすなわち、バランスを保つということ。
ウソつきにだまされない思考法(P104)
世の中には平気でウソを撒き散らす人々がいる。ウソを作るだけでなく、ときに事実を歪めて捏造する。
彼らにだまされないために大切なのは、つねに「なぜだろう?」という疑問を持つこと。
疑問を持つことで、物事の不自然さに気づき、真実を見る目を養うことができる。
そうすれば、巷で撒き散らされる意図を持ったウソに騙されず、思考の中立性を保つことができる。
欲を持つ(P194)
人生で何も求めないなら、何も手に入れることはできない。
結局人は人生において、自ら手に入れることを望んだものだけを手に入れることができる。
この意味で、無欲な人生は謙虚かもしれないが、人生の可能性を制限するという意味で、とてももったいないこと。
偶然を生かす(P206)
人生にはそのときの偶然の出来事によって、それが人生が変わるチャンスとなることがある。
成功者は例外なく偶然を味方にできた人々で、偶然を偶然として捉えていたら、彼らの成功はなかった。
この意味で大切なのは、普段からアンテナを研ぎ澄まし、偶然のチャンスを逃さないこと。
アンテナの感度を鋭く保つことによって、チャンスをつかみ、運をつかむことができる。
不運なときの考え方(P211)
運に恵まれない。頑張っていても結果が出ない。そんなときに大切なのは、決して今の自分の境遇に腐らずに、自分を磨き続けること。
チャンスはいつかやって来る。それを信じて、自分を磨き続けること。
人生待つべきときはあるが、ただ何かが起こるのを待っていてはいけない。待つ間、自分がすべきことを怠りなくする。
それによって、チャンスがやってきたときにガッチリつかむことができる。
感想など
身近な事例をもとに、何が人生うまくいくために効果的で、何をしていは人生がダメになってしまうのか。
そのことがとても分かりやすく理解できた本。
結局人生がうまくいく人は、ただ能力があるとか才能があるとか、それだけではなくて、人生がうまくいく考え方をしていること。
つまるところ行動とは思考の結果なので、うまくいく考え方をしていれば、自然と行動もうまくいくようになります。
この意味で、何がうまくいく考え方なのか。逆に、何がうまくいかない考え方なのか。
それを知り、実践することは、目に見えないことながら、とても大きなポイントになってきます。
本書では、それがとても平易かつ明瞭に理解できます。考え方を変えて人生を改善したい方は、きっと参考になると思います。