教養として知っておきたい日本人概論。『決定版 日本人論』の読書感想

決定版 日本人論~日本人だけがもつ「強み」とは何か?~ (扶桑社新書)

日本人として生まれ育った。だからこそ知っておきたい日本人の歴史と矜持。

渡部昇一著『決定版 日本人論~日本人だけがもつ「強み」とは何か?~』(扶桑社新書)の読書感想です。

この本について

日本の歴史を振り返りつつ、日本人とは何なのかを解き明かしていく本。

一体、日本人が日本人たる所以は何なのか?強みは何なのか?日本人として生まれたからには知っておきたい話が満載の一冊となっています。

以下、本書の読書メモです。

はじめに(P3)

グローバル化=世界のアメリカ化。

近年続いている日本企業の不祥事、弱体化は、日本企業が世界に歩調を合わせすぎてきたグローバル化の弊害。

日本史を読み解く大前提(P6)

日本について知るならまず、日本の皇室について知る必要がある。

世界各国では、時代によって王朝があり王様がいた。そして、王様が倒されれば、次の王朝が誕生した。

ところが、日本では古代の時代より皇室が万世一系の流れで現代まで続いている。これは奇跡的なことであり、海外では考えられない。

この意味で日本の歴史は皇室と不可分のものであり、日本人の血肉となり、日本人の矜持を作っている。

日本人の強み(P52)

日本人の強みは受容性。

自分と異なる文化、意見でも対立せず、拒否せず、排除し、受け入れて、自分の中で融合させてしまう。これが日本人の体質であり、強みである。

日本人は宗教に寛容な理由(P87)

日本の歴史は融合の歴史。異国の宗教でさえ、自国の文化に吸収してしまうほどの柔軟性を持っている。

そのため、日本人は宗教に関して寛容であり、それゆえに、日本では世界では類を見ないほど、様々な宗教が社会に混在している。

なぜ混在しているかといえば、日本は融合の社会だから。日本は宗教であれ文化であれ、どんどん自国の文化と融合させていく。

七福神と日本人の宗教観(P134)

七福神は日本古来の神々ではなく、恵比寿様以外は皆海外の神々。

つまり七福神は日本、唐、天竺の混合チームで、日本人がいかに他の国の宗教に寛容かを示している。

海外では、敵対する勢力が乗り込んでくると、白か黒か、勝つか負けるかでハッキリさせようとするが、日本では対立するのではなく融合。

世界で宗教問題が続く現在、日本人のこの特性は、間違いなく日本人の強みとなる。

どんなときも奇跡は起こる(P168)

頑張っていれば、「起こり得ない」ことすら起こる可能性がある。

誰もが無理だと思うことに挑戦するとき、一人でも決して崩れない者がいれば、最後は無理が可能になる。

状況がどうであれ、まずはとことんやってみる。それでダメなら潔く諦めればいい。

日本人と模倣(P244)

海外からの発明品を徹底的に分解し、研究し、そして改良し、最終的には外国のものを超えてしまう素晴らしいものを作る。

日本人は真似から本物を作る天才であり、海外は日本人の本物を真似できない。

感想など

「日本人なら、決して失ってはいけないものがある。」

という帯に興味を惹かれ読んでみた本。

日本人と皇室の関係を始め、日本人の強みなど、「ここが日本と海外の決定的な違いなのか」といろんな驚きと発見がある本でした。

特に読んでいて面白かったのは日本人の宗教観。

日本人は初詣から盆、ハロウィン、クリスマス、いろんな宗教の行事がごちゃまぜになって、それが日常行事になっています。

あまり宗教がどうだとか厳密にこだわらずに、実家が仏教徒でもICU(キリスト教系の大学)に通ったり、宗教に垣根というか、壁がありません。

実際私もキリスト教徒ではないですが、普通に大学はプロテスタント系の大学でしたし、周りにそれを気にする人はいなかった記憶です。

むしろ偏差値とか就職とか、実利的なことしか気にしてない人が多い。)

海外のガチで宗教にうるさい人とかは、他宗派の教えとか習慣は絶対NG(例えば某キリスト系の宗派はハロウィンやクリスマスはNGらしい)で、ルールにうるさいみたい。

そういうことを考えると、日本人は宗教に寛容で、なぜ寛容なのかというと、日本社会は融合の社会だから。

日本を融合の社会という視点で見てみると、なるほど、世の中を見るときの見方が変わってきます。もちろん、日本はパラダイスではないので、いろいろ問題もあるかもしれません。

でも個人的には、やっぱり日本はいいなと思います。海外で暮らすよりずっと日本で暮らしていきたい。

ということで、日本人としてもっと日本について知ってみたい。そんな気持ちになった本でした。

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