日本はもはや階級社会。『「階級格差」時代の資産防衛術』を読む

「階級格差」時代の資産防衛術 (イースト新書)

「今○○が儲かりますよ」その甘い言葉を信じると。

須田慎一郎著『「階級格差」時代の資産防衛術』(イースト新書)の読書感想です。

この本について

不動産や外貨、仮想通貨など、様々な投資が流行する風潮に警鐘を鳴らしている本。

儲けようと欲を出したらそれが地獄の始まり。詐欺師にだまされないために知って損がない話が満載の一冊です。

以下、本書の読書メモです。

はじめに(P5)

日本が格差社会になって久しいが、世界どこを見ても、格差、階級が発生するのは自然なこと。

そして、世の中には特権を享受する内側の人と、外側の人がいる。

我々庶民の多くは、外側の人であり、内側に入るルールを知らない限り、だまされて損をこく。

この意味で大切なのは、まず自分が外側の人であることを自覚すること。その上で、だまされないための知恵をつけることが大切。

格差の本質(P23)

日本における格差の本質とは、ずばり親の意識の差であり、具体的には教育の格差。

社会で活躍し、高収入を得ている上ランクの親は教育の価値を強く理解している。だから、自分の子どもに対する教育への投資を惜しまない。

一方、下ランクの親は、教育の価値を理解せず、刹那的に子どもを野放しに育てる。その結果、将来において、子どもたちの運命を分かつ、大きな差となる。

また、上ランクの親は、特に子どもの教育環境に留意する。

つまり孟母三遷。私立を検討するのはもちろんのこと、公立に通わす場合でも、子どもにとって悪い環境ならさっさと引っ越すなど、環境の重要性を理解している。

給料は上がらない(P62)

1991年以降、統計をチェックすると、一般サラリーマンの給料水準はずっと横ばいになっている。

この意味で、給料は固定化されており、過去の世界のように、勤続年数上昇とともに給料アップを安易に期待できる世の中ではなくなっている。

おまけに、雇用は不安定化しているので、将来を期待してライフサイクルを決めることは非常に危険。

終身雇用も退職金も、期待するよりは期待しないほうが、ある意味安定して人生設計ができる。

住宅ローンがヤバい理由(P171)

一昔前は、社会に出たら家をローンで買うのが当たり前のことだったが、これからの時代は、それをする人は減っていく。

これは正しい選択で、これからのローンで家を買うのは、いろんな意味でリスクが高い。

かつてはローンを組んだとしても、給料アップや退職金等によって確実にローンを返済できる見込みがあった。

しかし今や、雇用は不安定化し、たとえエリートコースを歩む一流の会社員ですら、将来絶対にクビにならないとは言えない状況になった。

そして、今や国が推進しているように、今後は非正規雇用が増えて、社会の労働市場が変化していく可能性が高い。

非正規は待遇面で正社員よりも非常に不利だが、政策的に国は「働き方改革」という名のもと、非正規雇用を増やす方向で動いている。

非正規になればライフサイクルプランも変えざるを得ない。そのとき、大きなローンを抱えていれば、柔軟に対応するのが難しくなる。

感想など

資産防衛というよりは、これから社会がどのように変化していくのかを知りつつ、今まで当然と思われてきたお金のことについて、改めて自分の頭で考えるきっかけを与えてくれる本。

投資ブームだとか、そういうお金のブームが起こるときはやはりそれなりに理由があるもの。

ブームに乗って虎の子を投資。それでうまくいけばいいかもしれませんが、大半の人は結局、誰かの養分になるだけ。

つまり人から乗せられて利用されるだけの状態で、そうならないために大切なのが本書が説く資産防衛。そのための思考法です。

大切なのは物事を俯瞰的に見つつ、流れを見極めること。この流れは本当に得になるのか。どんなリスクがあるのか。

そこのところを、誰かの言いなりではなく、自分で見極められる知力を持つこと。本書を読めばまさに、そのことを実感させられます。

本の購入はこちら