自分の人生に、自分で種を蒔く。
サミュエル・スマイルズ著『向上心:自分の人生に種を蒔け!』(三笠書房)の読書感想です。
この本について
『自助論』でお馴染み、サミュエル・スマイルズの名著その2。
人生はいかに自分次第であるか、延々と綴られている本で、この本を読むと、「よぉし、自分を磨いて頑張っていこう」という気持ちになることができます。
以下、本書の読書メモです。
不満について(P35)
不平不満、グチばかり言っていると、それがやがては病的になってしまう。
どんな小さな 悩みや不満でも、それをさも大きなもののように誇張して、どんどん被害妄想的になってしまう。
この習慣が人生を歪ませ、ダメにする。
人格とは(P52)
人格=行動、思考、感情、気質や習慣、判断力。人格は良い方向にも悪い方向にも変化し、成長していく。向上する面もあれば、堕落していく面もある。
仕事に取り組む(P81)
人は仕事を通じて己の才能を開花させていく。働くことをやめてしまえば、待っているのは堕落の生活。怠惰が人をダメにし、社会をダメにしていく。
粘り強さという美徳(P101)
どんな偉大な天才ですら、その偉業は粘り強い努力によって実現された。彼らはどんな骨の折れる仕事でもコツコツ働き、不屈の忍耐力によって、傑作を生み出した。
日々大切なのは粘り強さと忍耐力。骨の折れる仕事を嫌がらず、コツコツ頑張ること。
無二の親友(P146)
どんなときも決して裏切らない人生無二の親友。それが本。良書は最良の友で、人生どんなときも、必要なメッセージを届けてくれる。
欠点について(P163)
欠点があるから人間らしい。どんな人間も欠点がある。欠点をあえて見せることで、人間味が伝わる。
人が礼儀をつくる(P185)
その人の立ち振舞いがその人の人格を示す。
立ち振舞いがその人の心の奥に潜む本質を外に表現している。そのため、立ち振舞いである程度、その人の人格は判断できる。
友人について(P210)
付き合っている友人を見ればその人が分かる。
堕落した人間と付き合っていると趣味が悪くなるし、考え方も不健康になる。当然、その影響力によって人格も低下していく。
付き合う人は選ぶべし。
言葉より行動(P243)
日々大切なのは何を語るのかではなく、何をするか。真に意味を成すのは言葉より行動。したいこと、やりたいことは、行動で示す。
不幸と幸福(P277)
人生万事塞翁が馬。災いは形を変えた幸せになる。
不幸なことが起こっても、それに打ちのめされずに活かした方を考えれば、災い転じて福となす、幸せを手にすることができる。
感想など
1年の始まりということで、気持ちを前向きにしてくれる本をピックアップ。選んだのがこの本。スマイルズの『向上心』。
スマイルズというと『自助論』の方が有名かもしれませんが、『自助論』と同じく『向上心』も、セルフヘルプ、「自分の人生は自分でなんとかしようぜ!」という力強いメッセージに溢れた本になっています。
人生いろいろあって、良いことばかりではないですが、それでも心折れずに前に進んでいく。いろんなことを乗り越えてより良い人生を目指していく。
そのために、叱咤激励、気合を入れてくれる本が必要不可欠。
この本もその一つで、いかに自分の人生を豊かにしていくか、そのことについて、真剣に考えさせられる内容になっています。
昔の本なので、登場する人物の例えとか、古いところはありますが、でもそれだけ人間の本質は変わらないもの。
意志あるところに道がある。
いつの時代も、人生で本当に大切なのは意識のあり方。自分の人生に自分で種を蒔いて、今年1年も素晴らしい1年にしたいですね。