元教員が教える後悔しない大学の選び方。『Fランク化する大学』の読書感想

Fランク化する大学(小学館新書)

「この大学に行く価値はあるか?」と入学前にじっくり検討。

音真司著『Fランク化する大学』(小学館新書)の読書感想です。

この本について

Fランク=エントランスフリーではなく、大学の機能低下という視点で、大学が抱えている問題が述べられている本。

今の時代、大学というと学生の奨学金ローンの問題が注目されていますが、問題はそれだけにあらず。

これからの時代、どんな大学を選べばいいのか。それを知るためにまず大学のこんな現状をチェック!

以下、本書の読書メモです。

Fランクとは(P5)

某塾が提唱した実質無試験で合格できる大学のこと。本書では、Fランク=大学としての機能が低下している大学のことを指す。

私語を防ぐには(P35)

学生の私語を防ぐには、やる気のない学生を出席を取らせるためにだけに講義に参加させないこと

大学側は学生の出席管理について厳しいこの頃だが、やる気のない学生が出席目的で講義に参加してくると、最初はおとなしくても、だんだんうるさくなってくる。

そういう学生に気を取られていると、どんどん教室の雰囲気が乱れてくる。出席確認をきちんとしようとすればするほど、私語で講義が邪魔される。

そのため、私語を防ぐには、白紙の紙に授業の内容を書かせるとか、工夫をする。工夫することで、私語を減らすことができる。

優秀な学生ほど孤立する(P66)

Fランク大学には、「なぜこんな優秀な学生がこんなところにいるんだ?」という学生がいる。

彼らは不運にも受験で実力を発揮できずに辛酸をなめ、大学で頑張って勉強している。しかし、やる気のない学生がいるFランク大学の環境に馴染めず、孤立している。

手抜き講義(P74)

大学のFランク化は、何も学生だけの責任ではない。専任の先生による手抜き講義もその原因の一つ。

毎年、同じテキスト、同じテストをテープのように延々と繰り返したり、講義を休校にしまくってさぼったり、やる気がない先生がいる。

(単位が欲しい学生にとっては最高かも)

大学の先生は、教師としての役割だけでなく、研究者としての役割を持っているので、講義がテキトー=ダメとは一概に言えない。

ただ、良い教師は得てして良い研究者であることが多い。やる気のない先生からは、何も得られるものがない。

Fランク化の原因(P106)

日本の大学進学率は、欧米各国に比べて未だ低い。

しかし、日本の場合、大学の数が多過ぎて、定員割れしている大学も多い。学生を集めきれていない大学が多く、そのために、実質無試験で大学に入学することができる

この状況が大学のFランク化を招く要因になっており、いくら大学進学率を上げたとしても、解決にならない。

良い大学を見分ける方法(P136)

良い大学を見分けるには情報が必要。とくに、自分の目で大学を見て、雰囲気、学生、そういった情報を、自分の足で手に入れることが大切。

大学のキャンパスを歩いて、まずどんな学生がいるのかをチェック。金髪、ピアス、学生の属性をチェックする。

そして、歩いている学生たちのキャラと、自分のキャラが合うか、上手くやっていけそうか、それを参考にする。

また、できれば講義の雰囲気もチェックする。講義を真剣に聞いている学生が多いか、騒がしいか、いろんな教室をまわって確認する。

「この人達と一緒に大学時代を過ごしたい、こんな講義に参加したい」という雰囲気の大学を目指すべし。

感想など

「講義で不可にした学生数人に囲まれて恫喝された」

「講義中に紙飛行機、モップが飛んできて動物園状態」

「夢を目指すためにゼミに来られなくなった学生を気持ちよく送り出したら、保護者からクレームがきた」

など、Fランク大の実態に驚いてしまう本。

大学というと権威というか、そういうものを感じていた時代は過ぎ去って、大半の大学は、もはやアミューズメントパークになってしまったのかもしれません。

ではなぜどんなことになっているのか?

本書ではFランク化の原因として、大学の増加が挙げられていますが、そりゃそうですね。

大学は増えているのに、少子化の影響で学生は減っている。結果、試験で厳しく合否を決められない(経営という大人の事情)ので、本来は不合格になるはずの学生が入ってくる。

おまけに学生は大学にお金を払っているので、「お客様」意識が強い。そんな状況で、事態が良くなる要素を見つけるのは難しいのではないでしょうか。

となると、これからの時代、大学はただ入ればいいものではないのかも。

今の時代、大学に通うのはとてもお金がかかります。受験勉強を頑張って入学したら、「なんだ、この大学は」と失望するのは避けたいところ。

そのために、どんな大学がいいのか、偏差値だけでなく学生の雰囲気、講義の雰囲気など、大学の本当の実態をチェック。

「この大学はいいな、ここに入りたい!」と心から思う大学を見つけることが大切なのかもしれませんね。

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