「人として」本当に大切なものを問う。『空飛ぶタイヤ』を読む

空飛ぶタイヤ (実業之日本社文庫)

正しいと思うことは最後まで貫く。勝つか負けるか。そんなことは関係ない。

池井戸潤著『空飛ぶタイヤ』(実業之日本社文庫)の読書感想です。

この本について

トラックの脱輪事故をもとに、己の正義と信念を貫き通す男たちの生き様を描いた社会小説。

あらすじを簡単に説明すると、赤松運送という中小の運送会社を経営している赤松徳郎の会社のトラックが脱輪事故を起こします。

その結果、脱輪した車輪が歩道を歩いていた女性に当たり、女性は死亡。

赤松は警察からは業務上過失致死傷罪で疑われ、社会的に糾弾されることになりますが、赤松が事故の原因の究明を決意。

調べるうちに、どうやら本当の原因はトラックの販売会社であるホープ自動車にあることが明らかになります。

真実を明らかにしていく上で、不正に負けず人として正しいことをすること。

自分が正しいと信じることを信じることの大切さを実感できる、熱い小説になっています。

感想など

ページ数800以上の超大作ですが、終始集中力が途切れず、物語に引き込まれてしまった本。

この話はもともとドラマで観て知ったのですが、ドラマだけでなく、原作も素晴らしい!

加害者扱いされた本来被害者である赤松徳郎。自らに着せられた汚名を晴らすべく孤軍奮闘。

最終的には正義が果たされるわけですが、赤松の行動を見ていると、本当の誠意とは何なのか。人生に大切にすべきなのは何なのか。

社会正義だけでなく、人として大切なものを思い出させてくれます。

この意味で、重要人物になるのがホープ自動車の沢田。

当初は自身の野望のために正義よりも利益を選ぶわけですが、最終的には沢田の行動によって、すべての真実が証明されることになります。

別の出世を目指してもいいし、野心を抱いて上を目指すのもいい。でもう世の中には、人として最低限、してはいけないことがある。

本書を読んで強く思うのはまさにそこ。ぜひ、この熱い物語を知ってほしいと思います。

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