「大人の人間関係をほんの少しでも楽にしたい」と思ったらこの本がおすすめ。
石原壮一郎著『大人の人間関係』(日本文芸社)の読書感想です。
この本について
「大人の人間関係はこうやって対処していきましょう」という実用的な本。
ビジネス、家族、恋人、友人など、それぞれのケースごとに具体的に対応策を紹介。面倒な人との付き合い方が楽になる情報が満載です。
以下、本書の読書メモです。
はじめに(P12)
基本的に人間関係は面倒で厄介。しかし、だからこそ人間関係を制す者は、そこから大きな恩恵を得ることができる。
苦しみや悲しみをもたらすのも人であるなら、喜びや幸せを運んでくるのもまた人。
人間関係における基本的な距離感を習得して、人間関係をマイナスからプラスのものに変えていくことが大切。
大人である3条件(P23)
大人であるということはどういうことなのか、具体的な3つの条件。
1・怒ってもいい場面で穏やかな態度を取ることができる。感情を感じたまま表に出すのは未熟。精神的に大人になっていない現れ。
2・そこにいる人全員の立場と気持ちを察して行動することができる。
3・起こってしまったことを前向きに捉えることができる。
価値観をすり合わせない(P51)
人にはそれぞれ価値観があって、そこには確固たる壁が存在する。
だから、人に迎合して自分の価値観を無理に相手の価値観にすり合わせようとすることは時間のムダ。
相手に自分の価値観を分からせようとすればするほど、対立の原因になる。
家族に反論するコツ(P108)
「妻が家事の負担に不満を感じている」など、親しい家族へ反論する場合、してはいけないのが理屈で反論すること。
特に女性に対して理屈で反論するのはNG。そのかわりに、「私はあなたのことをいたわっています」という姿勢を見せること。
そして、ねぎらいの言葉をかけた上で、きちんと話を聞くこと。正しいとか間違っているとか、そういうことはとりあえず考えないこと。
口が軽い人への対処法(P129)
「誰にも言わないから」と言われて話をしたら、その話を他の人にばらまいてしまう。プライバシーを守れない口の軽い人に対処する原則。
それは、「この人はそういう人」と考えて付き合うこと。
つまり、口が軽い人には大切な話は何一つしない。人に知られたくないことは絶対に言わない。口が軽い人は絶対にバラすから。
ポイントは、関わってはいけない人のことを「そういう人」と思って、相手に何一つ期待しないこと。
悪口を言う人は悪口を言う人。うわさ話をする人はうわさ話をする人。「そういう人」だから、距離を置く。
それが一番賢い付き合い方。
自分への悪口の9割は無視していい理由(P130)
生きていれば必ず誰かから悪口を言われる。誹謗中傷を受ける。それはもう仕方がないこと。
実際問題、自分の悪口の90%は根も葉もない事実無根の話で、悪口を言う人がスッキリするためだけのもの。
だから誰かから悪口を言われていることに気がついても、完全スルー。聞かなったこと、なかったことにしてスルーするのが一番良い。
知らん顔をしていれば、人のうわさも七十五日。そのうち何もかもおさまる。悪口は所詮その程度のもの。
感想など
「なぜ人間関係はこんなにも難しいのか?」
そんな哲学的な質問はとりあえずおいておいて、家族に恋人。仕事関係。友人知人。
人間関係で必要以上にストレスを感じないための考え方が参考になる本。
本書ではケース・バイ・ケース、職場なら職場、家族なら家族という具合、「このような状況ならこんなふうに対処しましょ」という構成になっています。
そのため、すべてすべて自分の状況に当てはまることはないですが、それぞれの事例を読むことで、人間関係全般における指針を見つけることができます。
つまりこの本を足がかりとして、自分がより周囲と適切な人間関係を築くきっかけにすることができます。
世の中、見に見える実害的な人間関係はそうそうありませんが、むしろ問題なのは、目には見えないけれど、じわじわ毒になっていく人間関係。
対処法をあやまれば、それによって延々、ストレスを味わう羽目になります。
ということで、もっと人間関係でストレスを感じないようにしたいと思ったらこの本の出番。今すぐ試したくなるヒントが見つかるかも。