目の前の壁にひざまずきそうになっているときにこそ読みたい。
西谷昇二著『壁を乗り越える技術』(サンマーク)の読書感想です。
この本について
代々木ゼミナールのカリスマ英語講師が人生でぶち当たる壁の乗り越え方について力強く語っている本。
この本を読めば壁は決して壁ではないこと、どんなことも乗り越えることができることを実感できます。
以下、本書の読書メモです。
はじめに(P3)
人生は壁の連続。何か問題が起こって、その壁を乗り越えたとたん、また新しい壁が現れる。
しかし安心していい。壁が現れるということは人生が順調な証拠。マジメに生きている証拠。だから壁は絶対に乗り越えられる。
なぜなら、乗り越えられるものだけを壁というから。
敗北を財産にする(P27)
人生は早いうちに敗者の立場を経験しておいたほうがいい。
「負けた」「失敗した」このような敗北感を思う存分味わうことは、今後一生の財産になる。敗者のときに見たり聞いたり体験したこと、それが後の人生で大きな意味を持つ。
人と違ってそれでいい(P47)
人と自分は違う。だから意味がある。
もし自分が他の人と同じなら意味はない。人と違うからこそ個性が光る。その人とは違う個性こそ、自分を生かす武器になる。
苦しいときこそ楽しんで遊ぶ(P68)
苦しいことには楽しいことを織り交ぜる。仕事が苦しいなら、そこで自分が好きなこと、楽しいと思うことを取り入れてみる。
工夫とは遊び心を取り入れること。嫌なことも工夫すれば、楽しいことにできる。
才能とは(P82)
才能とは続くこと。どんなことでも、10年続いていれば、それが向いている証拠。才能がある証拠。
マイナスを数えない(P88)
人にはそれぞれ、不遇な生まれなど、人生のマイナスがある。
しかし、いくらマイナスを数えていても仕方ない。むしろ、マイナスがあるから、将来それをプラスに変えることができる。
今まで散々苦労してきたなら、そこからプラスの面を見出すこと。
目の前の壁を乗り越える(P113)
人生大切なのは、今目の前に立っている壁を全力で向き合うこと。好き嫌いせず、今の課題に一生懸命取り組む。それによって、新しい道が拓けていく。
感想など
「この先生の授業はきっと面白いだろうなぁ」と思い読了。
ページを読み進めるたび、著者の熱い想いと人間性が伝わってくる本でした。
予備校講師といえば人気商売。たくさんの生徒を惹き寄せる魅力を持っている人は、教科指導力だけでなく、別の何かを持っています。
それは、たったこの本の文章を読んだだけで分かります。文章に想いが込められている。そのことがひしひしと伝わってきます。
・学生時代に自転車で函館まで行った話
・ジャズバーで奥さんに出会った話(親友の死でやけになってジャズバーに入る→そこで奥さんと出会い、「この女生徒結婚するな」と予感する)
とか、つい話を聞いてしまうような、引き込まれる何かがあります。
人生ではいろんな壁がやってくるけれど、それは自分を打ちのめすためではない。必要だから目の前に壁が現れる。
そのことが分かっただけでも素晴らしいこと。
「迷い立ち止まりながらも前へ進んでいきたい!」
そんなあなたにおすすめの本です。