非常識なクレームは実例から対処法を学ぶ。
川田茂雄監修『社長をだせ!って またきたか!』(宝島社)の読書感想です。
『社長をだせ!って またきたか!』について
企業へのクレーム対応の指南書『社長をだせ!』の続編。
→言いがかりやクレームに失敗しないリスク管理法を学ぶ。『社長をだせ!』の読書感想
『社長をだせ!』では、クレーム対応の基本的な知識や、企業への理不尽なクレームに対応するための押さえておきたい考え方などが中心でした。
本書では、業界別の事例ごと、クレームへの対処法、教訓等を勉強できる内容に。具体例が豊富で、より実践的な内容になっています。
以下、本書の読書メモです。
お客さんでないクレーマーはどうするか?(P16)
クレーマーの中には、寂しさや孤独のあまり、「誰かにかまって欲しい」という気持ちで、企業にクレームを入れてくる人がいる。
これは、言いがかりをつけ、担当者に「かまってもらいたい」のが本質的なポイント。
このようなクレームの場合、本来の業務とは無関係の問題で、かまってちゃんクレーマーはお客さんではない。
かまってちゃんクレーマーには一線を引き、何のためにクレームを入れてくるのか、その背景を理解すること。
客商売は信頼から(P59)
商売はお客への信頼することが原点。お客目線で、必要なこと、状況に応じた対応をすること。
従来の慣習等に固執したり、今までのやり方にあぐらをかいてお客の利便性を損ねていると、大半の優良で善良な客を逃す。
クレーマーはこの年齢に多い(P89)
企業に電話等でクレームを言ってくるのは主に30代から40代の女性と、50年代以降の男性。
1・フリーダイヤルを使う。
2・クレームが粘着質で、繰り返し電話してくる。
この2点が彼らの特徴。
やっかいなクレーマーは弁護士や警察に相談を(P129)
クレーマーのなかには、やっかいな2つのタイプがいる。
1つは、企業にクレームをつけることで、自分のストレスを解消しようとする人々。もう1つは、露骨にゆすりたかり目的でクレームをつけてくる人々。
この場合、必要な段階でプロ(弁護士や警察)を借りた方がいい。
対応を誤ると、どんどん深みにハマってしまうので、独力で対応しようとせず、プロに相談する。
感想など
世の中、便利になる一方で、裏では面倒なトラブルがいろいろあるんだなぁと実感させられる本。
いちゃもんをつけてサポートセンターの人に話し相手を求める人、「おれを誰だと思ってんだ!」と恫喝する人、クレーム対応の仕事は想像するだけで○が縮んでしまいます。
会社は商品を売るだけでなく、売った後の責任対応も必要。
とはいえ、言いがかり目的でクレームを言ってくる人に対してどうやって対応していけばいいのか、対応を誤ると、人的物的、大きな被害を受けてしまいます。
消費者的に無責任でインチキな商品はNGですが、かといって「お客様は神様だぞ!」と威張るのもどうかなと思います。
善良な市民として、他山の石、恥ずかしい消費者にならないよう、気を引き締めたいところです。