「今」したいことをする、そのことが。
加島祥造著『わたしが人生について語るなら』(ポプラ新書)の読書感想です。
この本について
マーク・トウェイン、老子の翻訳で知られる加藤祥造さんの若者向け(?)人生指南書。
自分という物語を素晴らしいものにするためにはどうすればいいか、生き方を考えるための柔らかい、しかし胸に染みるメッセージが満載の内容になっています。
以下、本書の読書メモです。
将来について(P43)
人生、自分の将来を全て見通すことはできないし、その必要もない。
大切なのは、ほんのわずかに見えたもの、「これは面白そうだ」とひらめいたものを追いかけていくこと。そのなかから、自分の人生で進むべき道が見つかる。
本当に大切なこと、自分に縁ある道は、自分の中の直感が教えてくれる。だから、目標や計画にとらわれすぎず、自分の感覚を信じること。
面白いことを探す(P47)
今いる環境の中から面白いことを探し「これは面白そう!」という匂いをたどること。そんな好奇心を大切にしたい。
楽しいという気持ちは子どもが持つ純粋な気持ちと同じでとても大切な感覚。その感覚が生きること、人生の喜びを教えてくれる。
したいことは「今」やる(65)
好きなことを続けていれば、次々と好きなことが見つかる。
自分の好きなことに向かって進むことで、自分の進むべき人生へたどりつく。だから、したいことがあれば今やってみる。今したいことをやる。
ダメなときはダメ、だから(P78)
人生ときに、自分の力及ばず「詰んだ・・・」となってしまうときがある。そのときは、何を努力しようが、意志を持って頑張ろうが、どうにもならない。
そういうときに大切なことは、観念してジタバタしないこと。ダメなときはダメ、人生にはそういうときがある。
でも、生きていれば、そのうち状況が変わってくる。どんな状況もやがて変わり、ウソのように道が開けることもある。
だから、人生ときに、耐えて待つことも必要。詰んだときこそジタバタせず、じっと身を屈め、ときを待つべし。
感想など
好きなことを追っていくことの大切さが印象的な本。
人生、「この目標を達成しよう!20歳までに○○して30歳には△△して・・・」というふうに頭で人生設計をしがちですが、努力が根性でそれを実現しても、「自分の思っていたのとは違う、何かつまらない・・・」という空虚さを感じてしまうことがあります。
(まぁ計画を立てても想定外のことで頓挫してしまうことも多々あります。でも実は、想定外のことに意味があったりしますが。)
理性や意志で人生をコントロールしようとすること、それは大人としてカッコイイことなのかもしれませんが、それが幸せにつながっているとは言えないのが、人生の難しいところ。
むしろ、特に深く考えず、行き当たりばったり、楽しいことばかりしていたらなぜか面白い展開が起こって、予想もしなかった場所にたどり着く人生もあります。
だからこそ、目標やら計画やら、そういったものに縛られすぎは人生をつまらなくする原因に。
もっと好きなこと、楽しいことをして、人生、肩の力を抜いて楽しむ方が、いろんなことが上手くいくのかもしれませんね。