すべては島津家を守るため。『島津四兄弟の九州統一戦』の読書感想

島津四兄弟の九州統一戦 (星海社新書)

島津家研究の最先端から分かること。

新名一仁、宮下英樹著『島津四兄弟の九州統一戦』(講談社)の読書感想です。

この本について

戦国時代随一の親族内結束度を誇った島津家。

そのなかでも義久、義弘、家久、歳久の四兄弟がいかに薩摩一国から九州の覇者になっていったかを、歴史的資料等に基づき解説している本。

本書が特徴的なのは、「仲が良い一枚岩」的なイメージがつきまとう島津四兄弟の仲が実際はどうだったのか、読者が気になる内容をしっかり盛り込みつつも、島津家が九州を統一するまでの家庭が分かりやすく追体験できるところ。

この本を読めば、戦国大名として島津家はどのように誕生したのか、そして薩摩から三州へ、そして九州統一。最後には秀吉に降伏するに至るまで、島津家の歴史的な動きを理解することができます。

感想など

「島津四兄弟は一枚岩であり、義久、義弘、家久、歳久は皆共通の理念と信念を持っていた」

そんなイメージをずっと持っていましたが、この本を読んでそのイメージが一変。

実際は、兄弟それぞれ考え方も思惑もいろいろ違っていて、特に当主の義久はいろいろ苦労したんだなぁ、ということが伝わってきた本。

特に、大友攻略をめぐっては、義久と義弘の間で大きな意見の対立があった(P249)という話は以外。

まぁ、島津VS大友の戦いは岩屋城のイメージが強すぎてよくは知らなかったんですが、兄弟の結束力で連戦連勝のイメージがある島津家も、やはりいろんな問題があったということが驚きでした。

そして、九州の覇者として何かと理想化されがちな島津家についても等身大的に理解。やはり、島津は戦に強いけれど、三州を統治する大名くらいが、かっこいいかもしれない。

そんなことを感じた本でした。

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